卿卿(きょうきょう)日常 #32 愛する師との別れ あらすじ

 

かつては商業と言えば金川きんせんだったが、近頃では新川しんせんが他川との交易を活発化させていた。

元序げん・じょは増税を主張し、金川主きんせんしゅからこんな時期に増税を主張するのはもってのほかと叱責された。

 

金川きんせん夫人は、古い体制を見直すべきだと元英げん・えいの策を話してみた。

すると金川主きんせんしゅは興味を持った。

金川きんせん夫人は元英げん・えいの策であることを話し、元英げん・えいの書いた策を金川主きんせんしゅに差し出した。

 

誰もが元英げん・えいの優秀さを認めるのに、家族だけは認めない。

受け入れるのは難しくないはずだと金川きんせん夫人は訴えた。

金川主きんせんしゅは考えると約束した。

 

元英げん・えいの禁足は解けた。

元英げん・えい元序げん・じょが根回ししようとしていた戸政司こせいしの官吏に、金川きんせんにとって何が大切か考えるよう説いた。

その姿を見た金川主きんせんしゅは、元英げん・えいの優秀さを認めた。

 

それでも、金川主きんせんしゅは離縁を認めてはくれなかった。

金川主きんせんしゅは、離縁されれば再婚の道はないと繰り返した。

その姿を見た李薇り・びは、金川主きんせんしゅが案じているのは金川きんせんの利益ではなく元英げん・えいの将来であり幸せだと気付いた。

 

李薇り・びは、元英げん・えい新川しんせんで病になりながらも完璧に仕事を成し遂げた話をした。

そして元英げん・えいを家庭に閉じ込める必要はない、機会を与えて欲しいと金川主を説得した。

 

金川主きんせんしゅは、心配するあまり元英げん・えいの心を無視したことを謝り、離縁を認めた。

朝廷で男と渡り合えばどんな目に遭うか、金川主きんせんしゅには分かっていた。

だから元英げん・えいには自分と同じ道を行かせたくないと思い、今まで元英げん・えいの夢を阻んでいた。

 

今後は思うまま生きるよう言い、金川主きんせんしゅ元英げん・えい戸政司こせいしの職を任せた。

元英げん・えい金川きんせん初の女性官吏になったのだ。

 

尹崢いん・そう李薇り・び元英げん・えい蘇慎そ・しん李薇り・びの侍女の2人。

6人はテーブルを囲み離縁祝いをした。

 

官服が届き、李薇り・び元英げん・えいの所に持っていった。

元英げん・えいはそこで最後の授業をした。

 

元英げん・えい李薇り・びに、理想を問いかけた。

何にも縛られず自由な日々を過ごし大切な人を守りたいという理想は変わらないけれど、今は元英げん・えいのように悪習を改め他の人を守り世の中を良くしたいとも思っていると、李薇り・びは言った。

 

元英げん・えいはそんな李薇り・びに10点を与え卒業を認めた。

李薇り・び元英げん・えいの卒業を認め、誓約書にサインをさせた。

誓約書には元英げん・えいの体を思い、人間らしい生活を行うための項目が書かれていた。

 

李薇り・びは、自分の人生を生きるよう元英げん・えいに声をかけ、元英げん・えいは弟子を必ず守るよう尹崢いん・そうに念を押した。

李薇り・びは師に別れを告げ、新川しんせんに戻った。

 

上官婧じょうかん・せいは、尹岐いん・きのことが好きだと告白した。

尹岐いん・きは喜んだが、せいは好きだけれど合わないと言った。

 

お互いに異性と接したことがないから一緒にいたことで好きだと勘違いしているだけだ、相手に合わせるために自分を変えたくない、尹岐いん・きにも犠牲を強いたくない、無理をする尹岐いん・きを見るのは辛い、せいはそう言った。

尹岐いん・きせいを好きだと伝えたが、せいは別れたいと言った。

 

2人は反対の道を行くことになった。

 

…が、尹岐いん・きせいの後をつけた。

結局、尹岐いん・きせいに助けられ夜は共に焚火を囲んだ。

自分の望みはせいと共にいることだ、どこまでもついて行く、と尹岐いん・きは宣言した。

 

新川しんせんに戻った尹崢いん・そうは、罰として祠堂で反省することになった。

非難の声が上がっており、川主せんしゅとしては非難を抑えるために罰を与えざるを得なかったのだ。

 

李薇り・びを正室にすることを、川主せんしゅは内々に認めた。

 

戸政司こせいし尹岸いん・がんに任されていたが、厄介な老臣を抑えるために尹峻いん・しゅんが補佐に入ることになった。

 

尹峻いん・しゅん尹嵩いん・すうの部下だった。

尹峻いん・しゅんの狙いは尹崢いん・そうだ、笑顔の裏で腹に一物を抱えていると、尹岸いん・がん尹崢いん・そうに忠告をして…?

 

 

 

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感想

 

前回、事前に尹崢いん・そう元英げん・えいはどうやって金川主きんせんしゅを説得するか考えていました。

そして関税を下げるという利益を与えてはどうかと尹崢いん・そうが思いつき、元英げん・えいもそれなら、と同意しました。

 

そして尹崢いん・そうは実際に金川主きんせんしゅに関税引き下げの話をしてみたのですが、うまくいきませんでした。

それはなぜだったのか、明かされました。

 

金川主きんせんしゅ元英げん・えいの将来を心配していました。

離縁されたら元英げん・えいは再嫁で不利になる。

ここで金川主きんせんしゅが見落としていたのは、元英げん・えいにとっての幸せとは何か、ということでした。

 

金川主きんせんしゅは、元英げん・えいにとっての幸せではなく、いわゆる昔ながらの一般的な女性の幸せ=結婚を考え離縁に応じませんでした。

けれど、金川きんせん夫人の頑張りがあり、金川主きんせんしゅ元英げん・えいがどんなことを考えているのか知りました。

何を言うか忘れないように、手にカンペを書いていた金川きんせん夫人のおちゃめな感じが、可愛かったです。

あのシーンだけで、金川きんせん夫人がいい人だということが伝わってきました(笑)

 

金川きんせん夫人から元英げん・えいの策を渡され読んだ金川主きんせんしゅ元英げん・えいの禁足を解き、戸政司こせいしの官吏と渡り合う元英げん・えいの姿を見て、元英げん・えいの有能さを認めました。

それでも離縁は認めませんでしたが、李薇り・びの説得を受け、元英げん・えいにとっての幸せが何かに気づいた金川主きんせんしゅは、離縁を認めてくれました。

 

金川主きんせんしゅは、元英げん・えいには平穏無事に幸せでいて欲しくて、自分のように官吏と渡り合う道を行かせたくなくて、官吏になりたいという元英げん・えいの夢を阻んできました。

けれど、元英げん・えいの覚悟を知り、認めてくれました。

 

良かったです。

元英げん・えいは夢だった官吏になれました。

金川主きんせんしゅが柔軟な思考を持った人で、娘の幸せを第1に考える人だったからこそ、成功したと思います。

 

こんな感じなら、元英げん・えいは嫁ぐ前にも金川主きんせんしゅを説得できたような気がしないでもありません。

でも、李薇り・びがいたから説得できたと思うので、やっぱり新川しんせんに来ることが元英げん・えいには必要だったんですね。

 

元英げん・えいは前回金川主きんせんしゅのことを、”強権的で婚姻に対して保守的、利を重んじる”と言っていました。

だから尹崢いん・そうと考え利で釣ろうとしていました。

そんな中、李薇り・びは、離縁の話だったはずなのに民の利益について話し出した尹崢いん・そう元英げん・えいに対し、「上に立つ者の鑑」と言いつつも疑問を抱いているようでした。

 

そんな李薇り・びだったから、金川主きんせんしゅが利益だけを考えているのではない、娘の幸せを考えている、ということに気付けたのだと思いました。

李薇り・び元英げん・えいのお互いを補完し合っている感じが、やっぱり好きでした。

その意味では尹崢いん・そう元英げん・えいに似ているから、李薇り・び尹崢いん・そうもお互いを補完し合う関係かもしれないですね。

 

李薇り・び元英げん・えいの最後の授業は、やっぱり泣いてしまいました。

何が悲しいのか分からないのですが、泣けました。

多分2人の愛があふれていたから、悲しいというのではなく、胸がジーンとして、それで泣いたんだと思います。

 

李薇り・びの用意した誓約書は、元英げん・えいの体を気遣ったもので、あの誓約書も良かったです。

すでに監督者として金川主きんせんしゅ夫妻の署名がしてあったのも良かったです。

別れのシーンで、元英げん・えい尹崢いん・そうに、李薇り・びを辛い目に遭わせたら報復すると言っていたのも、頼もしかったです。

 

せい尹岐いん・きに好きだと告白しつつも、合わない、別れようと言いました。

せいが告白した時、視聴者も尹岐いん・きと同じように喜びました。

それなのにせいは、好きだと思ったのは異性と接したことがないからだとか、無理して相手に会わせたくないとか言い出して。

もうどうしたらいいの?

 

思うに、相手が尹岐いん・きのような人の場合、せいを冷静にさせちゃいけない気がするんです。

冷静に1人で例えば、「私ってなんで尹岐いん・きのことが好きなんだっけ?」とか考え出すと、終わってしまう感じがするんです。

相手が尹岐いん・きのような人の場合。

 

それでリストとか作り出すと終わりな気がします。

・顔は…別に

・頭は…悪い

・性格は…女たらし

・身分は…庶民

みたいに、リストとか作り始めたら、「あれ?私ってなんでこの人が好きなの?」ってなっちゃう気がしませんか?

 

せい丹川たんせんに帰って尹岐いん・きと離れ冷静になったことで、そんな風に考えてしまったんじゃ?とちょっと思いました(笑)

せいの性格では、リストとか作らないと思いますが。

 

別れようと言い、2人が反対の道に進み始めた時は焦りましたが、尹岐いん・きがストーカーになってくれてひとまず安心しました。

せい尹岐いん・きに追いかけてきて欲しいと思っているのは明白だと思っているので、このまま尹岐いん・きには突き進んで欲しいです。

 

新川しんせんでは、尹崢いん・そうの新たなライバルが登場?!

相手は尹嵩いん・すうの部下だった尹峻いん・しゅんらしいですが、尹峻いん・しゅんとは一体どんな人でしょうか。

 

ずっと尹嵩いん・すうの腰巾着だと思っていましたが、27話で夫人の安曦元あん・きげんが出てきたことで、もしかしたら愛妻家で割と常識的な人なのかな、という印象を持ちました。

今のところ、その印象のままなので、もし尹崢いん・そうのライバルになるとしたら、尹嵩いん・すうのように悪に手を染める感じではなくて、真っ当に正攻法で勝負してくる感じではないかな、と思っているのですが、果たしてどうなるか。

 

次回を待ちたいと思います。