星漢燦爛(せいかんさんらん)#48 宿願、ここの果たせり あらすじ

 

 

 

凌益リン・イーは、凌不疑リン・ブーイーが宴に参加すると言ったのは、霍君華フオ・ジュンホワという毒婦が亡くなったからだと思っていた。

霍君華フオ・ジュンホワの離間策のせいで自分と凌不疑リン・ブーイーは不仲であったが、これからは違う、凌益リン・イーはそう考えていた。

凌益リン・イーは残酷な霍君華フオ・ジュンホワは死んでしかるべきだと思っていた。

 

しかし淳于チュンユー氏は、凌不疑リン・ブーイーの顔が怖かったことが気になっていた。

もしかして孤城で凌益リン・イーがしたことを霍君華フオ・ジュンホワから聞いて…と、淳于チュンユー氏が言いかけると、凌益リン・イー淳于チュンユー氏を殴り倒した。

そして、淳于チュンユー氏を罵倒した。

 

十数年連れ添い全身全霊で支え、世間からの非難にも耐え、霍君華フオ・ジュンホワの襲撃で子供も失ったのにこの仕打ち。

淳于チュンユー氏は自分だけの道を探そうと決意した。

 

皇帝は法要中の成婚を許した。

数日後に四娘子と凌不疑は婚礼を挙げる。

盛大な婚儀は行えないが四娘子しじょうしは皇后に用意してもらった嫁荷と共に長秋ちょうしゅう宮から出て、曲陵候きょくりょうこう府に帰ることになった。

 

婚前は会えぬ決まりだし、密かに会えば不吉となると皇后は言ったが、出立の時、凌不疑リン・ブーイーが会いに来た。

話があるのではないか、と四娘子しじょうし凌不疑リン・ブーイーに尋ねた。

皇后は婚前は会えぬ決まりだし数日すれば共に暮らすようになるのだから、と凌不疑リン・ブーイーに言った。

 

凌不疑リン・ブーイーは結局何も言ってくれなかった。

 

四娘子しじょうし程姎チョン・ヤン三娘子さんじょうし)に、婚礼衣装の試着を手伝ってもらっていた。

簫元漪シャオ・ユエンイー四娘子しじょうしの婚礼衣装を用意していたが、皇后が用意したものがあるので結局使わない。

三娘子さんじょうしが使うよう、四娘子しじょうしは言った。

 

嫁げば半生は夫に預け、夫に危険があれば自分も戻らない。

四娘子しじょうし三娘子さんじょうしに決意を語った。

 

程始チョン・シー簫元漪シャオ・ユエンイーは物陰から2人の会話を聞いていた。

程始チョン・シーはあさっての婚礼当日に泣かないため、今のうちに泣いておくのだと決意した。

簫元漪シャオ・ユエンイーは、四娘子しじょうしの言葉が惜別のように感じられ胸がざわついた。

程始チョン・シー四娘子しじょうしを生んでくれた簫元漪シャオ・ユエンイーに、感謝の言葉を伝えた。

 

凌不疑リン・ブーイー凌益リン・イー誕辰たんしん宴にやって来た。

礼品として用意したのは廷尉獄ていいごく裏庭の花職人の首と、三万銭だった。

凌益リン・イーは花職人に命じ、独房内に花びらを吹き散らさせたのだ。

凌不疑は孤城三千の亡魂に代わり、凌益の享年50を祝福した。

 

四娘子しじょうしは、凌益リン・イー誕辰たんしん祝いを届けるよう命じた。

 

凌益リン・イーは、凌不疑リン・ブーイーに”お前はリン氏か、フオ氏か”と尋ねた。

凌不疑リン・ブーイーは何も言わず、凌益リン・イーは剣を抜いた。

 

城陽じょうよう侯府に祝いを届けに行った者が帰ってきて、”入口で私兵に止められ、中からは物音ひとつ聞こえなかったので引き返してきた”と報告した。

四娘子しじょうしの思った通りだった。

 

リン一族と、凌不疑リン・ブーイーの連れてきた兵とで、斬り合いになった。

城陽侯府は血で染まった。

 

城陽じょうよう侯府で起こったことは知れ渡り、都では外出禁止令が出た。

簫元漪シャオ・ユエンイー程始チョン・シーは止めたが、四娘子しじょうしは”一度の人生、何かを成し遂げなければ”と言った。

 

四娘子しじょうしは赤い婚礼衣装のまま馬を駆り、城陽じょうよう侯府を目指した。

後ろから武装した程始チョン・シー簫元漪シャオ・ユエンイーが兵を引き連れ続く。

止められると、程始チョン・シーたちは武力で突破することにし、四娘子しじょうしを先に行かせた。

 

傷だらけの凌不疑リン・ブーイーは、凌益リン・イーと向き合った。

もはや立っている者は凌不疑リン・ブーイーだけだ。

 

父殺しをするのか、と凌益リン・イーに問われた凌不疑リン・ブーイーは、凌益リン・イーを叔父と呼んだ。

そして霍翀フオ・チョン凌益リン・イーが殺したことも知っていると言った。

 

都に戻った日から復讐を誓っていたと話した凌不疑リン・ブーイーは、フオ氏の敵を討てれば死して悔いなしと言った。

凌不疑リン・ブーイーは、自分は霍無傷フオ・ウーシャンだと言いながら、凌益リン・イーにとどめを刺した。

 

淳于チュンユー氏は隠れてすべて見ていた。

 

その場に四娘子しじょうしが到着し…?

 

 

 

 

感想

 

凌益リン・イーがどんな人なのか、今まで明かされませんでした。

淳于チュンユー氏がどんな人かは出てきてましたが、凌益リン・イーの性格は分かりませんでした。

 

霍君華フオ・ジュンホワの話に出てきたくらいでしょうか。

 

最初は無名の輩が身の程知らずにもフオ家の娘に求婚したことに対して「懲らしめてやる」と言って殴りつけていました。(25話)

そして33話で霍君華フオ・ジュンホワ凌益リン・イーの顔が好きだったということが明かされました(笑)。

 

そんな感じで、最初は霍君華フオ・ジュンホワに全く相手にされていなかった凌益リン・イーが、最終的には霍君華フオ・ジュンホワのハートを射止め、結婚したわけです。

 

霍君華フオ・ジュンホワのような、手も出るタイプの気の強い女性に求婚し続けた凌益リン・イーは、よっぽどのえむの人なのだろう、なんて思っていましたが、今回の冒頭を見た感じ、単に霍君華フオ・ジュンホワフオ家の娘だから求婚してただけのように感じました。

出世のため、という感じです。

 

霍君華フオ・ジュンホワのことを「毒婦」とか「あんな残酷な女子は死んでしかるべきだ」とか言っていたのには、やっぱりね、という気持ちと共に残念な気持ちになりました。

淳于チュンユー氏に暴力を振るいひどい言葉を言っていた時には、うわっとなりました。こういう人だったんですね。

 

でも、このことがあって淳于チュンユー氏はついに凌益リン・イーを見限ることにしたみたいです。

 

淳于チュンユー氏が流産していたことは初耳!と思ったのですが、見返していたら24話ですでに出てきていました。

人間って忘れる生き物ですね。

自分が怖いです。

 

今を逃して喪中に入ってしまえば、成婚は3年後になるらしく、それを待てない皇帝は法要中の婚礼を許しました。

四娘子しじょうし凌不疑リン・ブーイーは数日後、結婚することに。

 

…ということは、四娘子しじょうしより先に結婚すると言っていた袁善見ユエン・シャンジエンはすでに結婚したんでしょうか?

そのことが気になりました。

 

凌不疑リン・ブーイー長秋ちょうしゅう宮から曲陵候きょくりょうこう府まで送ると言って会いに来ましたが、皇后に婚前に会ってはダメと言われ、見送りだけにしました。

その後のことを考えると、凌不疑リン・ブーイーは自分の死を覚悟していたでしょうから、あの場面は最後の別れのつもりで四娘子しじょうしの顔を見に行ったのかな、と思いました。

 

四娘子しじょうし凌不疑リン・ブーイーに話があるのではないか、と尋ねましたが、凌不疑リン・ブーイーは何も言ってくれませんでした。

凌不疑リン・ブーイーの正体にほぼ思い当っている四娘子しじょうしとしては、凌不疑リン・ブーイーが言えるよう、今までお膳立てして来たつもりです。

 

歯形の誓いだってそうですし、何があっても味方だと言い続けてきました。

でも凌不疑リン・ブーイーは言ってくれませんでした。

言おうとしていたのに、言ってくれなくなった。

なぜなのか、前回から気になっていました。

 

見守っていたら、とんでもないことが起こりました。

 

「いつか私が驚天動地の挙に出ても私への心は変わらぬか?」という、前回気になっていたセリフ。

前回は、凌益リン・イーを捕まえることなんじゃないの?と思っていたのですが、とんでもなかったです。

 

彭坤ボン・クンが口封じされたことで、凌不疑リン・ブーイーは黒幕である凌益リン・イーを合法的に処罰する道を断たれてしまいました。

だから、合法的にやる道を諦めて、リン一族を誅殺することに決めました。

凌益リン・イーが庭師を利用し彭坤ボン・クンの喘息発作を起こさせたところまでは、凌不疑リン・ブーイーも突き止めましたが、それでは弱かったのでしょう。

 

四娘子しじょうしに自分が霍無傷フオ・ウーシャンだと告白しようとしていたのに、歯形の誓いをしたらそのことをやめたのはなぜだったのかについても、これを見て謎が解けた気がしました。

 

告白しようとしていたのは、歯形の誓いの前、というよりも霍君華フオ・ジュンホワが亡くなる前でした。

歯形の誓いが強烈だったから、あれの前後で分けていましたが、本当は霍君華フオ・ジュンホワが亡くなったことが重要だったんですね。

 

雨の中で凌不疑リン・ブーイーは”考え尽くしたけれど方法がなくなった、行き詰った”と言っていました。

しかし死の淵にいる霍君華フオ・ジュンホワは「忘れてはならない”我らの仇”を」と言い、凌不疑リン・ブーイーに仇を討つ望みを託しました。

 

凌不疑リン・ブーイーは考え尽くし何もできなくなったと思っていましたが、霍君華フオ・ジュンホワの言葉で最後の手段を思いついたんだと思います。

最後の手段とは、合法的な手段を諦める、ということです。

合法的に凌益リン・イーを追い詰めることはできなくなったけれど、そもそも凌不疑リン・ブーイー凌益リン・イー霍翀フオ・チョンを殺したことを知っていたらしいですし、凌益リン・イーが黒幕だということは分かっている。

だから私刑を加えることにしたんですね。

 

フオ家が滅ぼされたのだから、やり返す。

リン一族を滅ぼす。

 

四娘子しじょうしは家族が傷付けられたら千倍返しの女ですし、雨の中では凌不疑のためなら”どんなことでもする、ずっと味方だ”と言っていました。

そんな四娘子しじょうしだから、凌不疑リン・ブーイーが話せば凌益リン・イーへの復讐も手伝います。

実際、今回は凌不疑リン・ブーイーがしようとしていることに思い至り、自分も参加するため最後には現場に乗り込みましたもんね。

 

四娘子しじょうしはそう動きましたが、凌不疑リン・ブーイーとしては四娘子しじょうしを巻き込みたくないと思い、合法的な手段を諦めたと同時に、四娘子しじょうしに自分の本当の素性を話すことも止めたのだと思いました。

 

味方だ、何でもやると言っても、実際に復讐に参加できる妻、というのはなかなか珍しいと思うので四娘子しじょうしはすごいです。

有言実行の女ですね。

 

外出禁止令が出てる中、四娘子しじょうしが行けるよう程始チョン・シー簫元漪シャオ・ユエンイーも武装して四娘子しじょうしに続きました。

止めたのは皇帝が配備した兵だと思うので、チョン家の人達は皇帝に刃向かったことになってしまうでしょうか?

 

最後、凌不疑リン・ブーイー、本当は霍無傷フオ・ウーシャンですね、が1人立っている血まみれの部屋に四娘子しじょうしはたどり着きました。

2人は何を語るのか、そして凌不疑リン・ブーイーの怪我は大丈夫なの?

フオ氏の敵を討てたら死して悔いなし」と言ってましたが、本当には死なないですよね?

お腹に結構大きい傷ありそうですが、大丈夫ですよね?

 

体が大丈夫だとして、立場的に大丈夫なのでしょうか?ということも気になります。

合法的ではなくリン氏一族を滅ぼしたわけですから、処罰を受けますよね?

 

キーパーソンは、淳于チュンユー氏でしょうか。

彼女は、凌益リン・イーが孤城で何をしたか知っているようでした。

だから彼女が証言してくれれば、事後的に凌益リン・イーが孤城の黒幕だと証明することができる?

 

淳于チュンユー氏の言葉からも凌不疑リン・ブーイーの言葉からも、霍君華フオ・ジュンホワ凌益リン・イーが黒幕だと知っていたように思えました。

そうだとすると、ますます霍君華フオ・ジュンホワの心がけい年の頃のままになってしまった理由が気になります。

 

次回は今回の事後処理回になるでしょうか。

大変なことになりそうな気がします。

 

四娘子しじょうし凌不疑リン・ブーイーは幸せな結末を迎えられる!?

淳于チュンユー氏に対しては、今まで心の中で思ったことを全部謝りますので、どうか、凌不疑リン・ブーイー霍無傷フオ・ウーシャン)のために証言してください。よろしくお願いします。