卿卿(きょうきょう)日常 #27 黛川の官道封鎖 あらすじ
尹岸は偽札の件で尹崢に協力を頼みに来た。
戴笛からは、調べがついても戸政司は従えられない上 功績も尹岸に取られるから協力しないよう助言されていたが、尹崢は協力することにした。
紙幣発行は民生に関わるからだ。
偽札発行で捕まった犯人は全員陳錫という男と面識があったことが、尹岸と尹崢の調べで明らかになった。
しかし尹嵩は陳錫を捕まえようとしない。
なぜなのか、川主は尹嵩を問いただした。
偽札事件は尹崢に任せると、川主は言い、尹嵩を叱責した。
尹嵩派の尹峻は治礼司にいる。
尹嵩は尹崢が法を犯したらすぐに処分するよう尹峻に命じた。
川主の信頼が薄らいでいるのを感じた尹嵩は、次の手を打とうと考えていた。
夫人の安曦元に関わらないよう言われた尹峻は、調子を合わせているだけだと話した。
尹崢は罪人を尋問し、陳錫は黛川に逃げたという情報を掴んだ。
黛川と聞いて不穏なものを感じた尹崢だが、まずは陳錫を捕らえることにした。
尹嵩は陳錫を黛川まで送り、「官職を与える・尹嵩」という念書を渡した。
黛川と丹川、新川の境界に同安山がある。
そこに新鉱脈が見つかった。
同安山は新川の領地だが、黛川は越境して戦を仕掛けてきた。
尹嵩は黛川への官道を封鎖すべきと主張した。
尹峻は九川事務司が丹川と黛川に通知に行くべきと主張した。
川主は黛川方面の官道を封鎖することにした。
尹崢は、尹岐と共に黛川に説明に行くことになった。
尹岐は、なぜ尹嵩は尹崢を黛川に行かせようとしたのか、そのことを疑問に思った。
尹崢も同意見だったが、陳錫を捜せて好都合だと受け取った。
同安には、丹川側の洛河鎮と黛川に通じる平通鎮、2つの官道があった。
尹崢は現地を見て、平通鎮の官道だけを封鎖することにした。
するとそこに、丹川からの使者がやってきて説明を求めた。
明日から茶馬節という丹川最大の祭りがあり、民は祭りのために商売に来る。
洛河鎮の官道が封鎖されれば民は生計が維持できないというのだ。
丹川の使者は、新川からの勅令で洛河鎮の官道封鎖のことを知ったという。
なぜ洛河鎮まで封鎖するのか、尹崢と尹岐は尹嵩が後ろにいると思い至った。
新川へ帰り川主に勅令を撤回してくれるよう頼む時間はない。
尹崢が意見を求めると、尹岐は、民生に関わるため自分たちで判断し後で川主に詫びてはどうかと言った。
黛川の密偵は通さないという約束を丹川主から取り付けた2人は、明日釈明に戻ることにし、洛河鎮の封鎖を解いた。
尹嵩が手を回していたので、勝手に封鎖を解いた尹崢を弾劾する奏状は山のように川主の所に届いていた。
新川に戻った尹岐は、九川美食薈に顔を出した。
九少主・尹崡が店を手伝っており、まだ郝葭に気があるのかと尹岐をからかった。
2人が話しているのを上官婧は聞いてしまった。
モヤモヤした気持ちを持て余した上官婧は、尹岐の部屋の外で今も郝葭を好きなのか聞いた。
そこに、尹岐が尹崢と共に拘束されたという報告が届いた。
尹崢は自分1人の判断だと言い、尹岐を庇おうとした。
しかし丹川の婿である尹岐が関わっていないという話を、川主は怪しんだ。
尹嵩は尹崢の職務怠慢を糾弾すると、黛川に同安山を諦めさせることに成功したと報告した。
川主は尹崢をひとまず免職にし、処罰は後日行うと宣言した。
尹岐は自分1人の判断だと主張し、尹崢を庇った。
そんな尹岐を尹崢は庇い、2人はかばい合いになった。
川主は2人を棒叩き20回にし牢に入れた。
牢から出され川主の前に連れて行かれた尹崢は、自分の方が利用価値があるから尹岐に罪を着せようとするのかと問うた。
川主は、丹川の婿である尹岐が無関係だという話を臣下に信じさせることはできないと言った。
しかし尹崢は、自分1人の責任だと強い態度を取り続けた。
尹崢は雨の中跪いて尹岐の潔白を主張した。
傘を持って様子を見に来た梁殿(川主の側近)に、尹崢は”息子たちを道具とみなせばいつか心は離れる”という言葉を託した。
平常時ではないからと、川主は尹崢の言葉を許した。
命に背いた罪を、川主は尹岐に負わせることにした。
上官婧の所に、安曦元が訪ねてきた。
尹嵩から伝言を頼まれたと言って。
安曦元は、本来尹崢が罪を負うはずが尹岐だけが窮地に陥った、犯した罪は死罪に当たる、と言った。
尹嵩は罪を必ず背負わなければならない罠を仕掛けた。
李薇と元英は、和夫人と淳夫人(尹岐の生母)と話し合いをしていた。
そこに、上官婧が牢獄に行くという報告が届き…?
感想
尹嵩暗躍回でした。
丹川の茶馬節に合わせて黛川に戦を仕掛けさせ、尹崢を現地に行かせて川主の周りから遠ざけた後、川主を説得し丹川側の洛河鎮を封鎖する勅令を出してもらう。
丹川は茶馬節のことがあるから封鎖を解いて欲しいと現地にいる尹崢の所に相談に行き、尹崢の性格では解くはずで、尹崢は勅命に背いた罪を必ず着ることになる。
尹嵩の誤算があるとすれば、尹崢と一緒に行った尹岐が尹崢を庇ったことでしょうか?
川主は理由を付けて尹岐に罪を着せようとしている様子です。
尹嵩は本当に排除したい尹崢を排除できなくなりそうですね。
けれど尹嵩はそこも利用しようとしているようです。
安曦元を使い、本当は尹崢だけが処罰されるはずだったのに~という伝言を託し、上官婧と李薇の間に亀裂を生じさせようとしているような!?
本当に最低な奴です。
ただ、茶馬節が丹川最大の祭りであるということを当然知っているだろう川主が、洛河鎮封鎖を命じたのが、そもそもの間違いでは!?という気持ちが拭えません。
封鎖は祭りが終わってから、という条件さえ付けておけば、こんなバカみたいなことにはなりませんでしたよね。
川主は、人が多く出入りするからこそ その中に密偵が混ざるみたいなことを言っていましたが、そうだとしても1つの勅命で生活できなくなる人がたくさん出てしまうことと天秤にかけると、密偵なんて些細なことに思えてしまいます。
実際、これは尹嵩が尹崢をハメるために黛川と示し合わせて行ったことなので、黛川は密偵なんて放っていないでしょうし。
茶馬節のことを知らなかったのか、それとも ついうっかり なのか…。
尹崢は知っていましたよね。
知らないなんて言わせません。
そして尹崢を弾劾する山盛りの奏状が届いたことや、尹嵩が黛川とすぐに話を付けたことを川主はおかしいと思わないのか?
尹崢だって新川がどうなっているか知るまでは、川主は勅命を無視したことを許してくれるだろうと思って、尹岐を遊びに行かせましたよね。
それくらいの事案なのにてんこ盛りの奏状が届くなんて明らかにおかしいと思うんですけど。
おかしいと思っても、勅命を無視することが罪であることは確かなので、おかしいことには目をつぶるんでしょうか?
それが政治の世界?
”あー、はいはい政争に尹嵩が勝ったのね”、で納得するんでしょうか。
何度も言いますが、そもそもなぜ尹崢たちが勅命を無視しなければならなくなったかと言うと、茶馬節という最大の祭りがあるのに川主が洛河鎮の官道を封鎖したからです。
諸悪の根源は自分なのに、それを改善しようとした人を罰するの?
それって自分のメンツが大切だからとしか思えないんですけど、って感じでもやもやします。
それとも川主は全部分かっていて、茶番に付き合っているんでしょうか?
今まで影が薄すぎて名前もなかなか思い出せなかった尹峻の夫人が今回出てきました。安曦元という名前で、尹嵩とあまり関わらないよう尹峻に忠告する真っ当な人のように思えました。
そんな真っ当な人を夫人にしているからか、尹峻のことも真っ当な人のように思えました。
何が何でも尹崢を追い落とそうとする尹嵩の暴走を「やべー、適当にあしらって関わらないようにしよ」と思っているのかな、と思いました。
けれど”もしかしたらいい人なのかも”と思ったのも束の間、尹崢たちが黛川に行くよう尹嵩と示し合わせただろう進言をしたため、どっちが本当なのか分からなくなりました。
一体尹峻ってどんな人なんでしょう。
何を考えて尹嵩の側にいるの?
尹崢は利用価値の高い自分を生かすため、尹岐を処罰しようとしているのだろうと川主の考えを読み、辛辣な伝言を梁殿に託しました。
尹岐が尹嵩が背後にいることを見抜いていたり、民のためにと官道封鎖を先に解き後から謝罪しようと言ったことを、尹崢は嬉しそうにしていましたよね。
尹岐の成長が弟ながら嬉しそうでした。
それなのに、自分の代わりに打算で尹岐が罪を着せられることが耐えられなかったんでしょうね。
それに川主が自分を重用するのは尹嵩を焚きつけるためだということも尹崢は分かっているので、子供を駒のように使う川主に意見したようです。
怒りもしなかった川主は懐が深いと思いました。
分かっていたことですが、偽札事件は尹嵩が仕組んだと明かされました。
尹嵩は陳錫に自分の名前の入った念書を渡してましたけど、あんな証拠渡しちゃっていいの?と敵ながら心配してしまいました。
もしかしてあの念書は尹崢の筆跡で書かれていたりします?
もしも陳錫が念書を証拠として差し出しても、尹嵩は「その念書の筆跡は自分ではない。誰かが私を陥れようとしている」と反論できるようになってたりします?
尹嵩が陳錫に念書を渡した時、”あの念書さえ掴めば”と思う気持ちと共に、”これも罠かも”と思いました。
でも陳錫は尹嵩の顔を見ましたから、陳錫が生きていれば念書は確かに尹嵩から貰ったと証言してくれそうですよね。
…ということは陳錫の命が危ない!?
尹崢、早く陳錫の身柄を確保して―!
最後に、安曦元から衝撃の言葉が。
尹岐が死罪になるんですか!?
え?嘘ですよね。
今一番楽しみにしているのは尹岐と上官婧の恋模様なので、それだけはやめてください。
ということで、次話見てきます!