卿卿(きょうきょう)日常 #28 捨て駒 あらすじ
上官婧は牢やぶりをしようと、槍で衛兵と戦った。
そこに李薇たちが駆けつけてきた。
尹岐が死罪になるという婧に、和夫人は、川主はそんな命は下さないと言った。
元英は誰かの罠かもしれないと言って婧を落ち着かせた。
淳夫人(尹岐の生母)は白装束で跪き、自分が代わりに罰を受けると川主に願い出た。
罪を認めた以上、尹岐を法で裁かなければならないと言って川主がそれを拒むと、淳夫人は尹岐を庶民に降格し朝廷から追放するよう頼んだ。
一生牢につなぐことだけはやめて欲しい、命さえ助かれば何もいらないと言って。
婧は牢の中の尹岐に面会し、庶民に降格し朝廷から追放されることが決まったと話した。
話を聞いた尹岐は絶望したような顔をしたが、いつものように振る舞った。
婧は尹岐に菓子を差し出した。
尹岐は自分で1つ食べると、婧にも食べさせた。
婧が食べるのを見た尹岐は嬉しそうな顔をした。
尹岐が牢から出ると、川主がいた。
尹岐は”自分は捨て駒にされた””父親が損得で息子を選別するのか”と川主に言った。
「お前のことはいなかったと考える」と言って川主は立ち去った。
そんな川主の後姿に対し尹岐は跪き、罪を賜った恩、養育の恩、死罪を免れた恩を感謝した。
尹岐と婧の結婚は婚姻同盟なので、尹岐が庶民に降格となった以上離縁できる。
しかし婧は離縁しないと決めた。
淳夫人にそのことを聞き、よく相談するよう言われた尹岐は、婧は義侠心から離縁しないのだろうと考えた。
川主は尹岐の降格と夫人たちの開いた店を営業停止にする宣旨を出した。
店の営業停止は尹嵩の進言だ。
女子たちは蓄えでやり過ごし、再開できる日を待つことにした。
十少主・尹岳は尹嵩の命を受け、婧と尹岐を屋敷から追い出しにやって来た。
しかし婧の槍で、尹岳が連れてきた兵は逃げ去った。
尹岳が、尹岐が好きなのは郝葭だと言うと、婧は槍を尹岳に向かって投げた。
尹岳は逃げて行った。
婧は宝物の武器を売って、店への出資を増やした。
店は再開のめどが立たず、閉店しなければならない店も出てきた。
蓄えはあと2か月で底をつく。
尹崢も協力を申し出、家族一丸となって耐えようと、李薇と元英は手を取り合った。
皆を励ました李薇だが、実は不安だった。
そこに、尹崢から安神香が届いた。
心が休まりよく眠れる香だ。
元英からは草団子が届いた。
元英は使用人の夜食も許可したため、皆大喜びだった。
李薇は集まった侍女の玉瓶と玉盞、家令の蘇慎、料理長の劉宝泉に草団子を分け、皆で食べた。
皆がいれば大丈夫と、集まった者達は顔を見合わせた。
尹嵩の標的は自分なのに尹岐を犠牲にしてしまった。
苦しい胸の内を、尹崢は戴笛に相談した。
戴笛は、川主も尹岐も尹崢を守ったのだから期待を裏切らないように、自分を責めても始まらないと声をかけた。
「思い知らせてやる」と尹崢は決意のこもった目でつぶやいた。
尹崢は陳錫が新川に来ているという情報を掴み、尹岸に相談した。
停職中の私的捜査は違法だし、尹嵩を罪に問おうとすれば尹岐のように追放されると言って尹岸は心配した。
しかし尹崢は、尹嵩に責任を問うため今夜行動を起こすと決めた。
大きな仕事が控えていると知り、李薇は料理を作り尹崢の気持ちをやわらげた。
尹崢が庶民に降格されるかもしれないと言うと、李薇は自分が養うと言って笑った。
李薇は必ず戻るよう声をかけ、2人は抱き合った。
感想
前回、尹嵩が安曦元に婧への伝言を届けさせた目的は、李薇たちとの仲を裂くためだろうと思っていました。
けれどどうやら違っていて、尹嵩は婧に犯罪を唆し尹岐と罰を受けさせようとしたみたいです。
この機会に2人一緒に表舞台から消し去ろうという魂胆だったみたいです。
確かに丹川主の妹で、丹川の郡主という立場を持つ婧が尹崢の側にいるのは 尹嵩にとっては脅威ですよね。
だからその脅威を取り除こうと…。
本当に嫌な奴ですね。
尹岐の命を救うため牢やぶりを決意した婧でしたが、李薇や元英、和夫人たちが駆けつけたことで最悪の事態にはなりませんでした。
淳夫人の嘆願で、尹岐は庶民に降格され朝廷から追放されることになりました。
それを尹岐に告げに行った尹岐と婧の場面がね、泣けました。
処分について聞かされた尹岐は少しの間 沈んだ、表情を失った顔をしていました。
尹岐と言えば、やっぱり18話が印象的です。
喬兄貴の説得に成功したはずなのに、婧の所に帰って来た尹岐は浮かない顔で、仕官したのに何の役にも立たない自分の苦しさを婧に吐露しました。
自分は生涯このままかもと。
けれど前回、川主から”経験を積め”と言われ尹崢に同行することになった尹岐は、「戻ったら官職がもらえるかも」と言っていたんです。
そして実際に、同安で尹岐に意見を尋ねた尹崢は、尹岐の成長を感じました。
当然本人だって感じていたはずです。
それなのに、尹嵩のせいで尹岐は庶民に降格させられ朝廷からも追放されてしまいました。
悔しいです。
本当に悔しい。
婧にお菓子を食べさせた尹岐が、嬉しそうな顔をしていて、悔しさからか何なのか分かりませんが、あのシーンを見て泣いてしまいました。
尹岐が川主に言い放った、「家族が損得で息子の選別を?」という尹岐のセリフは強烈でした。
川主が駒を動かすように息子たちを動かしていた結果がこれです。
強烈でした。
婧は当然離縁を選びませんでした。
そのことを聞いた尹岐が「上官は義侠心から私を捨てられないのです」と言った時、私は度肝を抜かれました。
あれ?婧がこんなに尹岐を好きなこと、本人には全然伝わってない!?と。
視聴者には伝わりまくってるんですけど。
え?
自分の武器を尹岐が赤子のように扱って寝床に寝かせているのを見た婧がときめいていた時、尹岐は泥酔していました。
だから婧のあの表情は見てないですね。(17話)
肩を貸してくれと言って尹岐がもたれかかった時、婧がときめいていた事にも、目をつむっていた尹岐は気付けませんね。(20話)
21話では、婧を守るため怪我をした尹岐に、婧がなぜ守ったのか尋ねました。
その時尹岐は婧を喜ばせたい、笑顔になって欲しいと言い、それに対して婧はどぎまぎしたような顔をしていました。
けれど尹岐は薬がしみて痛くて、婧の顔を見ていませんでした(笑)。
当然、尹岐が帰った後、李薇に言われたセリフ「自分より弱い男なんて嫌でしょ?」に対して婧が言った「そうとは限らないわよ」というセリフも尹岐は聞いていませんでした。
聞いてても意味が分からないですしね。
時間に間に合わなそうだったからと、雨の中破れた傘を持ってボロボロの状態で迎えに来た尹岐と婧のシーンに素敵な音楽が流れていたことも、尹岐は気付いていないんだろうなぁ。
でも、婧のために羽を雪に見立てて降らせてくれた尹岐に、婧が抱きついて「ありがとう」と言ったことは覚えてますよね?(23話)
丹川の郡主である婧の代わりに自分が殴り込むと言って、槍を持って出て行く尹岐の背中が、婧にはスローモーションのように見えていたことも、尹岐は気付いてないですよね。(25話)
尹岐が棒叩きの刑を受け、婧が「私が打たれたらよかった」と言うと、尹岐は「君を打つ奴は私が許さん」と即答しました。
その時婧が嬉しそうな顔をしたのを、うつ伏せ状態の尹岐は見ていませんでした。
でもその後も婧は嬉しそうな顔をしていて、その顔は尹岐も見たと思うんですけど。(26話)
前話で尹岐が郝葭を好きだったという話を聞いて婧がモヤモヤしていたのも、不在だった尹岐は知りませんもんね。
見返してきたことで、こちら側には伝わっていても尹岐には伝わっていないのかもしれないということに気付けました。
婧も尹岐のことが好きだと本人が知ったらどんな反応をするのか、その日が来るのが待ち遠しいです。
尹崢は、尹岐を犠牲にしてしまったことでついに本気になったっぽい!?
「思い知らせてやる」という尹崢の言葉が印象的でした。
あの場面を見て、尹嵩はしてはいけないことをしたな、と思いました。
フリーザがクリリンを●したことで悟空がスーパーサイヤ人になったように(分かる人だけわかってください)、尹岐が罪を背負わされたことで、尹崢が本気になりました。私には覚醒したように見えました。
新川に来ている陳錫を、免職中ながら捕らえ、尹嵩と偽札事件との関係を明るみに出すと決意したみたいです。
早くあの いけ好かない男を何とかして―と思いつつ、でもまだあと10話以上話数があるから、尹嵩をやっつけるのはまだ先かな、とメタ推理をする自分もいます。
夫と連帯責任なのか何なのか、店は営業停止にさせられ、資金も底をつき始めました。
そんな中、尹崢は一世一代の賭けに出る。
李薇は不安を抱えつつも明るく振る舞っていて、偉いです。
そしてそんな李薇の周りには心強い仲間がいる。素敵でした。
次回のタイトルは「君主の決断」ということで、川主が何か決断するんでしょうか?
もしかして尹崢が無事に陳錫を捕らえ、尹嵩の悪事を明るみに出すんでしょうか?
そして川主は尹嵩をどう処罰するか決断を迫られる、的な?
何だか来週が楽しみです。