星漢燦爛(せいかんさんらん)#19 急転直下 あらすじ
楼犇は楼垚に、詔書は凌不疑が皇帝に頼んで得たものだと話した。
楼垚は程少商(四娘子)と一緒に感謝を伝えに行こうとしたが、楼犇は凌不疑との往来を控えるよう命じた。
楼垚が立ち去ると柱の陰から凌不疑が現れた。
楼犇はという名を使い凌不疑と手紙を交わしていたが、凌不疑はの正体が楼犇だと知っていた。
凌不疑は、馮翊郡の地図を手に入れたい、協力してくれれば推挙すると持ち掛けた。
その代わり協力すれば往来を控えることはできなくなる。
楼犇は家族を傷つけてまで栄達は望まないと答えたが、地図を届けることは約束した。
楼犇と凌不疑が話しているのを楼太傅は見ていた。
皇帝から詔書を受け取った四娘子は大人気で、周りには女性たちが乾杯の列を作っていた。
そこに蓮房が凌不疑からの伝言をもってやってきた。
伝言の内容は、”話があるので来て欲しい、来なければ自分に嫁ぐ意思があると見なす”というものだった。
呼び出された場所は、柔らかく木漏れ日の差し込む林だった。
凌不疑は四娘子が脅しに屈して来たのだと知ると少しがっかりした。
けれど気持ちを持ち直し、将来何をしたいか四娘子に尋ねた。
四娘子は医学書を作りたいこと、農具を改良したいこと、器械を作りたいこと等を話した。
凌不疑は、命を懸けた戦に行くので会うのは今日が最後になるだろうことを伝た。
そして、自分が必ず安住の地を見つけるので、夫婦で焦って不毛の地へ行かないよう言った。
小鳥のさえずりが聞こえる。
凌不疑は四娘子の笛の音を聞かないままだったと呟いた。
凱旋後に聞かせると四娘子は答えたが、凌不疑は夫に聞かせるよう言うと、安心して嫁げと声をかけた。
四娘子は凌不疑に頭を下げ立ち去った。
楼犇は地図を届けたものの、推挙は辞退した。
楼太傅が登用を阻んだのだろうと考えた凌不疑は、力の弱い楼家二房に嫁ぐ四娘子に思いを馳せた。
凌不疑と呉将軍は雍王父子を生け捕りにし凱旋した。
何家は何昭君と幼い弟以外全員国に殉じた。
何勇は臨終の際、何昭君と楼垚の縁組を復活させたいと呉将軍に願いを託していた。
呉将軍は、皇帝に採決を願った。
朝臣たちは、何家を哀れみ願いを叶えさせるべきという者と、功績を盾に他家のものを求められるという前例を作るべきでないという者に割れた。
皇帝(文帝)は難題に頭を抱えた。
参内していた万松柏は、朝廷での出来事を程家に伝えた。
四娘子は、自分は望む人に嫁げないだけだが、望まない人を娶らされる楼垚は可哀想だと語った。
楼垚も楼家二房夫人も何昭君との縁談には反対だった。
しかし楼家大房は楼垚に何昭君を娶らせようとしていた。
楼垚は、強制するなら成婚の日、大房が何昭君を娶らない訳を賓客の前で明かすと脅した。
すると楼大房夫人は、程家から破談にしてもらうと言って帰っていった。
凌不疑は廷尉府大獄の侍衛を下がらせ、雍王と1対1で話をした。
雍王は、全て自分が計画したことで息子は従っただけ、皇帝との旧情に免じ息子は助けて欲しいと話した。
凌不疑は、”全て”の中には孤城のことも含まれるのか尋ねた。
孤城でも兵器が横流しされていたのだ。
許尽忠が裏切り孤城の件を吐いたのだろうと思った雍王は、孤城の件も認めた。
許尽忠は何も話していないし、皇帝が雍王を招集したのは釈明の機会を与えるためだったことを凌不疑は伝えた。
逆上する雍王に、凌不疑は「あの日から悪夢にうなされず安らかに眠れているか?」と詰め寄った。
感想
詔書の効果は絶大で、四娘子は女性たちの人気者に。
王姈と楼縭も表立って四娘子に悪態をつけなくなりました。
やったね。
楼犇はという名で凌不疑と手紙を交換しており、自分の正体はバレていないと思っていました。
それなのにバレていると知ってびっくりしていました。
楼犇は凌不疑が詔書を皇帝に頼んだことを知ったうえで凌不疑と交流しないよう楼垚に言っていたので、凌不疑が四娘子を好きなことを知っているのかもしれませんね。
四娘子を狙う凌不疑が近く夫婦になる2人の仲を裂こうとするかもしれないと思って、交流しないように言ったのかもしれない、と思いました。
けれど、けれど違うんですよ、楼垚のお兄ちゃん。
凌不疑はそういうんじゃないんです。
もういっそのこと、そうしてくれたらこんなに心が苦しくなりながらドラマを見なくて済んだのでしょうが、彼はそうしてくれないんですよ。
別の人と結婚した後も、遠くからずっと四娘子を守るつもりなんですよー
「私が求める妻は一目見ただけで分かる。我が生涯で一人だけ。もし出会えねば一生独り身を貫く」
と凌不疑は言っていました。(5話)
求める人には出会えましたが、その人にはすでに心に決めた相手がいました。
だから凌不疑は結婚後の四娘子が安住できるよう 手を尽くしてくれるつもりだったみたいです。
聖地巡礼の場所になりそうな素敵な林の中での凌不疑と四娘子の対話の場面は、映画のようでした。
凌不疑が結婚後のことまで面倒見ようとしてくれてると知って、その健気さ一途さに涙を誘われました。
尽くしすぎー。
最後に四娘子が凌不疑に頭を下げたのは、ただ礼儀だからとかそういうのじゃなくて、相手に対して自然と頭が下がるっていう感じだったんじゃないかなぁと想像しました。
ところで凌不疑が四娘子を呼び出した目的って何だったのでしょうか。
結婚してしまう四娘子への最後の別れの挨拶?自分の気持ちを整理するため?
凌不疑が蓮房に託した伝言は、
①四娘子に話がある。
②迷惑はかけないから信じて欲しい。
③四娘子が来なければ会いに行って縁談をぶち壊す、自分に嫁ぐ医師があると見なす。
でした。
四娘子は②まで聞いた時点で、不適切だから会いに行かないと言ったのですが、蓮房が引き止めて③の内容を伝えました。
その結果四娘子は行くことに。
四娘子が来たのに気づいた凌不疑が一番最初に発した言葉は「私だから来たのか?それとも3つ目を聞いてここに?」でした。
四娘子の反応から3つ目まで聞いて、脅しに屈して来たのだと知った凌不疑はちょっとがっかりしてました。
これって、もしも③つ目を聞かずに四娘子が来ていたら、その後の話の内容が変わっていたのでしょうか?
もしも四娘子が③を聞かずに来ていたら、その後の話は二度と会わない、みたいな内容ではなかったのかもしれない!?
それとも、自分の気持ちにけじめをつけるために四娘子を呼び出しただけで、がっかりしたのは"やっぱり四娘子の心に自分はいなかった"と再確認したからでしょうか?
気になりました。
そんな感じで悩んでいたら、あっという間に凌不疑は雍王父子を生け捕りにして凱旋して来ました。
本当にあっという間でした。
そして話は驚きの方向に。
楼垚と四娘子の婚約を知らない何勇が、何昭君と楼垚の婚約復活を願って亡くなっていた…!
賛否両論で、皇帝陛下も困っています。
楼家では、二房は大反対。
二房夫人は「私は何昭君が嫌いです」と言っていましたから、何昭君は二房夫人の前でも楼垚に対してあんな感じ(6話参照)で接してたんですね。
ある意味すごい。
大房は今すぐ婚約を復活させたいって気持ちのようです。
どうやら過去、何家と楼家の結婚話が出た際、大房は長男をさっさと結婚させて楼垚にその役目を押し付けたらしく、その理由は大房を脅す材料にできるくらい したたかなものみたいなので興味津々です。
そしてついに凌不疑が兵器横流し事件にこだわり続けていた理由が分かりました。
母方の霍家が孤城で殉じたのは、兵器が横流しされていたから。
だから何よりもこの事件を優先していたんですね。
そしてやっと雍王を捕らえることができた。
許尽忠は何も言わずに亡くなっているし、皇帝が雍王を都に呼んだのは釈明させるためだった。
けれど仲間を信じ切れなかった雍王は、許尽忠が全て白状したのだろうと考え、皇帝に呼ばれたのは全てバレたからだろうと思って挙兵した。
これで兵器横流し事件は一件落着でしょうか?
そして四娘子と楼垚は、何勇の遺言のために破局してしまうんでしょうか?
次回、見てきます。