星漢燦爛(せいかんさんらん)#20 火花散る婦女たち あらすじ
凌不疑に詰め寄られた雍王は、当時のことを語った。
雍王たち老臣が征戦に追随した当時、情勢は見通せない状態だった。
雍王は予防線を張り、帰郷するという退路を残しておいた。
確かに雍王は兵器横流しをしたが、孤城の惨劇の原因は援軍が来なかったことにもある。
皇帝の性格からして徹底解明はしないだろうと言って笑う雍王を、凌不疑はその場で処刑した。
凌不疑は霍家の霊廟に行き、一族や母・霍君華に、兵器着服に関わった者を葬ったことを報告した。
孤城の真相を突き止め一人残らず全ての罪人の息の根を止める、凌不疑は一族に決意を語った。
側で凌不疑の声を聞いていた霍君華は、普段甥と思っている凌不疑のことを幼い息子として扱った。
霍君華は「戦場には行かないで。兵器は壊れてるのよ。…彼らは誰一人来てくれなかった」と叫び取り乱した。
審理前なのに雍王を殺してしまった凌不疑は、皇帝(文帝)に叱責された。
「帝が世を乱し数十年、民は平穏な日々を待ち望んでいた。それなのにまた朝堂を乱して、天下を混乱に陥れると?」と。
跪き続ける凌不疑を、皇帝は半年間の食邑召し上げと半等級降格に処した。
楼家から程家へ、縁談について話したいと使者がやってきた。
破談が前提の招きである。
程家の面々は憤っていた。
簫元漪は程少商(四娘子)を連れて、喧嘩腰で楼家に乗り込んだ。
楼家大房夫人と楼縭も喧嘩腰だったが、暴力も辞さない覚悟の簫元漪を前に及び腰だった。
求婚してきたのは楼家なのだから、楼太傅が謝罪に来るのが筋なのに大房夫人が口を出すとは何事か、と詰め寄られた大房夫人は程家の母娘を追い出すよう命じた。
簫元漪は平手打ちで大房夫人を黙らせた。
簫元漪に攻撃しようとする楼縭は、四娘子が片付けた。
そこに楼家二房の人達と袁善見が現れた。
袁善見がは楼垚が負傷したと聞き見舞に来たそうだ。
二房夫人は、何昭君と一緒に楼垚に嫁いではどうかと提案した。
程家で側室を取ったものはいない。
四娘子が正妻だと言われても簫元漪の怒りは収まらず、出て行ってしまった。
四娘子は楼垚に意見を聞いた。
楼垚は絶対に何昭君など娶りたくないと話した。
四娘子は破談にせず楼垚と約束を交わした。
簫元漪は先に馬車で帰ってしまった。
四娘子は、何家が楼家に嫁がせたい理由を教えると言われ袁善見の馬車に乗った。
楼家は儒者や文官の家系で、楼垚に嫁がせれば何家末子は遺産を守れるからだと袁善見は語った。
今、何家の荘園・建物・一族の孤児等は何昭君が管理しているが、末子が成長後引き継ぐ。
戦に関わらない楼家に嫁げば、何家は安全に財産を守れるのだ。
忠義ある何家の娘を他家も娶りたがるのではないかと四娘子は質問した。
潤沢な嫁荷に目のくらんだ家は何家に警戒され、そうでない者は関与したがらないと袁善見は答えた。
それなら袁善見が娶ればどうかと四娘子は提案した。
すると袁善見は四娘子を馬車から降ろした。
四娘子と楼垚は何昭君を説得しようと洛陽城外で待っていた。
現れた何昭君の馬車は、喪装しており悲壮感が漂っていた。
2人に気づいた何昭君は、重大な用があるので 話があるなら一緒に来るよう四娘子に言った。
四娘子は馬車に乗り込んだ。
到着した場所は廷尉獄だった。
何昭君は、自ら肖世子を処刑するために ここへ来たのだった。
何昭君は肖世子の首めがけて刃を振り下ろした。
四娘子は見ていられず思わず背を向けた。
いつの間にかすぐ後ろにいた凌不疑は四娘子を抱き留め、「怖くない 私がいる」と囁いた。
四娘子は顔をあげ、凌不疑と見つめ合って…?
感想
兵器横流しについては雍王を捕らえたことで一件落着しました。
けれど凌不疑の目的は霍一族を葬った孤城陥落の真相を明らかにすることでした。
そして雍王の口から、孤城が陥落したのは、兵器が粗悪なものにすり替わっていたからだけではない、援軍が来なかったことにも一因がある、と知らされました。
凌不疑は雍王を勝手に処刑し、霍一族の霊廟で更なる復讐を誓いました。
雍王を凌不疑が処刑したのは、廷尉府などが手順通りに審理すれば、その過程で孤城の件を雍王が語るかもしれず、そうなれば援軍が到着しなかった件に関わる者を警戒させてしまうと考えたからかもしれない、と思いました。
それにしても、援軍が来なかったとは一体どういうことなのか。
少なくとも程家には援軍要請が来てましたから(4話参照)、援軍を要請するよう命じた者が命令を無視した、とかではないですもんね。
この辺りの事情は程始と簫元漪が当事者として何か知っていそうですね。
霊廟で語る凌不疑の声を聞いていた霍君華は、少しだけ正気を取り戻し、凌不疑のことを甥ではなく自分の幼い息子として扱っていました。
シリアスな場面でしたが、凌不疑は子供の頃お母さんに「阿狸」と呼ばれていたらしいこととか、血が苦手だったらしいこととか 可愛いと思ってしまいました。
霍君華も「彼らは誰一人来てくれなかった」と言っていましたので、やっぱり援軍は来なかったんですね。
そして回想場面を見た感じ、霍君華と凌不疑は陥落した直後の孤城にいたみたいですね。
だからより一層思いが強いんでしょうね。
それにしても一体どうしてあの場に2人だけ生きていられたのか。
あの回想シーンはどういう状況!?というのが一番気になりました。
皇帝が凌不疑を叱りながら色々話してくれたことと、雍王の話を併せることで、状況が大体わかってきました。
数十年前帝と言う人が国を荒し、その結果群雄が競い合う状況になっていた。
そんな中文帝も霍翀や雍王たちと共に参戦した。
当時はまだ、誰も文帝が天下を取るとは思っておらず、雍王は逃げ道として「故郷にいたい、先祖の墓を守りたい」と言っていたそうです。
文帝が天下を取って、やっと平和な世の中がやってきた。
そんな世界がドラマの舞台のようです。
今回のタイトルは「火花散る婦女たち」。
このタイトルを念頭に置いてドラマを見ていると、始まりました!楼家での修羅場!
簫元漪と四娘子がシンクロ率100%で楼大房夫人と楼縭に平手打ちを食らわせる場面はスカッとしました。
簫元漪はかなり手加減していましたよね。
優しいです。
戦場で戦う簫元漪が本気を出せば大房夫人の顎は外れて話せなくなっていたと思います(笑)
二房夫人から四娘子も何昭君と楼垚に嫁げばどうかと言われ、簫元漪は怒って帰ってしまいました。
けれど四娘子は楼垚に意見を聞き、何昭君に諦めてもらうことにしたようです。
四娘子は袁善見から何家が楼家に嫁がせたい理由を聞かされました。
財産を守るのに最適な家だから。
何昭君を誰か他に娶ってくれる家はないかと考えた四娘子は、袁善見をターゲットに…。
袁善見は大好きな四娘子から別の人を娶れと言われ、怒って四娘子を馬車から降ろしました(笑)
なんで四娘子は袁善見の気持ちに気づかないんだ!?
気付いているけど、自分を諦めさせるためにあえての、あの感じ!?
「火花散る婦女たち」な場面は楼家の一件で終わったかと思っていましたが、悲壮な火花を散らしている女がいました。
何昭君です。
まさか自ら肖世子を処刑するとは…。
びっくりです。
恐ろしい、おぞましいことを経験し、何昭君もすっかり変わった、ということなのでしょうか。
肖世子は1発で仕留められたのか?
そうだとしたら、何昭君はかなりすごいですね。
実は、以前「ギロチン」についてWikipediaを読んだことがあります。
Wikipediaによりますと、ギロチンは「フランス革命において受刑者の苦痛を和らげる人道目的で採用され」たそうです。
最初読んだときは、「人道目的!?」とびっくりしました。
詳しく書かれているので読んでいくと、ギロチンが開発されるまでは斬首刑は刀や斧で行われていたそうなのですが、執行官が未熟だと上手く斬れなくておぞましい光景が繰り広げられていたそうです。
1発で仕留めたのだとしたら、何昭君は執行官として活躍できそうですね。
武門の家系だから武術も鍛えていた!?
何昭君が自ら執行人を引き受けるという事実に度肝を抜かれていたら、最後、突然のハグにびっくり。
何昭君の件で驚いていたからか、すごくドキドキしてしまいました。
最後、2人で見つめ合ったりして…。
こんな終わり方で1週間待たせるんですかー!?