星漢燦爛(せいかんさんらん)#18 想い人のために あらすじ

 

 

 

帰りの馬車の中、簫元漪シャオ・ユエンイーは後悔していないか程少商チョン・シャオシャン四娘子しじょうし)に聞いた。

四娘子しじょうしは、簫元漪シャオ・ユエンイーだってチョン老夫人やゴー氏と不仲でも嫁いできたのだし、少しも揉めない家などないと強がった。

 

程始チョン・シーには軍功があり、チョン老夫人もゴー氏も程始チョン・シーを敬っている。

そして簫元漪シャオ・ユエンイー程始チョン・シーの庇護のもとにあるから2人と渡り合える。

それに対して楼垚ロウ・ヤオは非力だ。

そう簫元漪シャオ・ユエンイーが話すと、外地で楼垚ロウ・ヤオが官職を得れば自在に暮らせるはずだと四娘子しじょうしは語った。

 

皇帝(ウェン帝)は世襲を打破するため同族は全員仕官できない掟を作った。

楼犇ロウ・ベンは文武両道だが、ロウ大房夫人は自らの凡庸な息子の仕官を望み楼犇ロウ・ベンの前途を断っていた。

 

皇帝から都入りを命じられたよう王は、病と称し応じなかった。

政変が起きたのなら、自分が役立てる時が来たと考えた楼犇ロウ・ベンは、尺素せきそ(手紙)を交わす友人に会いに行った。

 

凌不疑リン・ブーイーシャオ世子せいしが都で昵懇にしている店を捜査した。

すると都から逃亡する商賈しょうかが現れた。

凌不疑リン・ブーイーは検問を設けることにした。

 

四娘子しじょうしたちは検問に引っ掛かった。

凌不疑リン・ブーイー四娘子しじょうしに気づき、ついでだと言って護送を申し出た。

 

簫元漪シャオ・ユエンイーは、婚姻発表のための宴に凌不疑リン・ブーイーを招待した。

シャオ世子せいし府は都の東であるのに対し、チョン府は西だ。

実際には全く”ついで”ではなかったが、凌不疑リン・ブーイーチョン家の馬車を屋敷まで護送した。

 

袁善見ユエン・シャンジエンチョン家の夫子となった。

男子だけでなく女子も教えると聞いた四娘子しじょうしは、恥をかくことになると顔色を失った。

すると頌児ソンアルが、万萋萋ワン・チーチーも授業に招けば四娘子しじょうしだけが悲惨でなくなると提案した。

 

万萋萋ワン・チーチー楼垚ロウ・ヤオチョン家の子女と共に授業を受けることになった。

程始チョン・シー簫元漪シャオ・ユエンイーは授業を盗み聞きしていた。

 

四娘子しじょうしは授業中別の書物を読んでおり、授業を聞いていなかったのを見抜かれた。

四娘子しじょうしが無駄なことばかり学んで何になるのかと文句を言うと、袁善見ユエン・シャンジエンは夫婦の話を始めた。

 

シャオ世子せいし何昭君ハー・ジャオジュンと婚約したのは、何昭君ハー・ジャオジュンの父である驍騎ぎょうき将軍・何勇ハー・ヨンを謀反に加担させるためだった。

よう王父子は、婚姻の宴で、何昭君ハー・ジャオジュンと弟のハー公子を人質に取り何勇ハー・ヨンに謀反を迫った。

何昭君ハー・ジャオジュンは、幼い弟を連れて身を隠した。

 

よう王父子の暴挙と何勇ハー・ヨンの長子が戦死したという報告を受けた皇帝は、凌不疑リン・ブーイーに3万の兵を与え出征させることに決めた。

 

楼犇ロウ・ベン馮翊ひょうよく郡の地形を熟知しており地図も描ける。

凌不疑リン・ブーイーとは友だ。

凌不疑リン・ブーイーは地図を取りに行くついでにロウ家の成婚発表の宴に行くことにした。

 

皇帝はチョン家とロウ家の成婚祝いに玉璧ぎょくへきを贈ることにした。

凌不疑リン・ブーイーは、礼品を贈るなら県での功績も考慮し賓客の前で四娘子しじょうしを表彰して欲しいと皇帝に願い出た。

 

婚姻発表の宴の日、四娘子しじょうしロウ大房夫人にも王姈ワン・リンたちにも両親に放置され教育を受けていないことを貶された。

 

そこに凌不疑リン・ブーイーが詔書を持って到着し、女性たちは色めきだった。

皇帝からの詔書があるから集まるよう言われ、招待された人たちは凌不疑リン・ブーイーの前に集まった。

 

皇帝からの詔書は、四娘子しじょうしへのものだった。

詔書では、四娘子しじょうしは”婦女の手本”と語られており、四娘子しじょうしは自分のことではないように感じた。

 

詔書を受け取ろうとした四娘子しじょうしはバランスを崩し、凌不疑リン・ブーイーに支えられた。

 

 

 

 

感想

 

ロウ家はかなり嫁ぎたくないタイプの家でしたが、四娘子しじょうし的には、外地に赴任する予定の楼垚ロウ・ヤオについていくんだから、割とどうでもいいというスタンスのようです。

確かに、1年に数日なら耐えられそうではありますよね。

24時間一緒にいるわけではないでしょうし。

 

この外地へ行くんだから~というセリフは、簫元漪シャオ・ユエンイーからこれ以上何も言われないための必殺技でもあるように感じました。

 

皇帝は寒門の才子を抜擢するため、同門から官職に就ける者の数を制限しているそうです。

そのこと自体は、とてもいいことのように感じますが、そのせいで楼犇ロウ・ベンは文武両道の優秀な人間なのに仕官できない。

ロウ大房夫人が凡庸な自分の息子を仕官させたいと考えているから、ということでこの制度も必ずしもいい事ではないようです。

家の中で冷遇されてれば、どんなに優秀でも仕官できない。

 

調べてみたら、科挙は隋の文帝(587年)から始まり、清末期(1905年)まで実施されたそうです。

こういう弊害があるから、科挙という登用方法が始まったのかな、と思いました。

 

今回初めて(?)ロウ太傅たいふが出てきました。

前回、ロウ太傅たいふは太子の師で楼垚ロウ・ヤオたちにも教えを授けているという話を聞いた感じ、ロウ太傅たいふはちゃんとした(?)公明正大な方で、夫人がやべー女なんだろうなと思っていました。

 

ところが今回見た感じ、楼犇ロウ・ベンが仕官できないのはロウ太傅たいふが隠しているからだと凌不疑リン・ブーイーのセリフから判明し、ロウ家大房は夫人だけでなく主人も結構ヤバい人なのかな、と考えを改めました。

 

いずれにせよ、楼犇ロウ・ベン凌不疑リン・ブーイーのおかげで日の目を見ることができそうで良かったです。

 

楼垚ロウ・ヤオを捨てシャオ世子せいしに走った何昭君ハー・ジャオジュンでしたが、彼女の身には恐ろしい事が起きていました。

シャオ世子せいしの狙いは、何昭君ハー・ジャオジュンの父親・何勇ハー・ヨンでした。

何昭君ハー・ジャオジュンと結婚すると決めたのは、彼女を人質にして何勇ハー・ヨンに言うことを聞かせるためだったんですね。

 

何昭君ハー・ジャオジュンに対してはあまりいい感情をもっていないので、心の片隅で”いい気味”とおもいつつ、弟君や乳母さんが可哀想で仕方なかったです。

やめたげてよー。

 

何勇ハー・ヨンは勇猛果敢な将軍ですが、馮翊ひょうよく郡には婚礼のために行っているので、軍隊を連れてきておらずお手上げ状態。

長男は戦死してしまったということで、バカ娘が1人いるだけで一族全員が危機に陥ってご愁傷さまですと声を変えたいです。

凌不疑リン・ブーイーが助けに行くので、きっと助かるはずと信じています。

 

馮翊ひょうよく郡に凌不疑リン・ブーイーが行って、そこでよう王と戦いになれば、1話から続いていた兵器横流しの話は集結するんでしょうか?

蜀がまだ出てきてないから、まだまだ波乱が待っているでしょうか。

来週が待ち遠しいです。

 

チョン家子女の夫子になった袁善見ユエン・シャンジエンですが、授業中は四娘子しじょうしばかり構っていて、正直先生として失格だと思いました(笑)

いくらイケメンでも、あんな先生は嫌だ。

良いこと言ったのに、無視されたような格好になった三娘子さんじょうしが可哀想でした。

 

授業中はしっかり全員公平に扱って、四娘子しじょうしには「出来が悪いから放課後生徒指導室に来なさいっ!」って感じで、マンツーマンで教えればいいんじゃないでしょうか?

手取り足取り…。

 

気になったので、袁善見ユエン・シャンジエンが話そうとした物語を調べました。

 

金屋蔵嬌は、漢の武帝が子供の頃、陳阿嬌をお嫁さんにすると決めて実際にお嫁さんにしました、という話で、愛する女性を金で作った豪邸に住ませるというロマンチックなお話だそうです。

(結婚後、武帝は傲慢な陳阿嬌にすぐ飽きたそうです。)

 

↓こちらのサイトを参考にさせていただきました。

 

長門賦は、寵愛を受けていたが嫉妬深く皇帝(孝武帝)と離れ長門宮で暮らしていた陳皇后が、相如という人に文章を作ってもらい皇帝に贈ったところ、皇帝の愛が戻ったという話だそうです。

 

↓こちらのサイトを参考にさせていただきました。

 

鳳求凰は、忘れることができないほど美しい人に出会い気が狂いそうだという詩だそうです。

これは袁善見ユエン・シャンジエンの今のリアルな気持でしょうか?

 

↓こちらのサイトを参考にさせていただきました。

 

白頭吟は、司馬相如(長門賦で皇帝への文章を書いた人)との大恋愛で知られる卓文君が、浮気をした司馬相如に対し別れを告げるため作った詩だそうです。

 

↓こちらのサイトを参考にさせていただきました。

 

凌不疑リン・ブーイーは、”ついで”の範疇に入らないのに四娘子しじょうしを任務中送り届けたり、楼垚ロウ・ヤオ四娘子しじょうしが末永く和やかであることを願ったりと、健気すぎました。

もうほとんど、推しに対するオタクの想い、みたいな感じで、涙を誘われました。

 

凌不疑リン・ブーイーは”チョン家を賞すればロウ家の顔も立つ”みたいなことを言っていましたが、本当は四娘子しじょうしが嫁ぎ先でいじめられないようにするために皇帝にお願いしてくれたのかな、と思いました。

皇帝が「婦女の手本」という人に対して面と向かって悪口なんて言えないですもんね。

 

皇帝が口を酸っぱくして凌不疑リン・ブーイーに結婚についていうのは、身を固めてくれれば命を粗末にするようなことがないだろうと思うから。

凌不疑リン・ブーイーに幸せが来ることをお祈りしております。