蒼蘭訣(そうらんけつ)~エターナル・ラブ~ #26 あらすじ
東方青蒼は小蘭花を襲う謝惋卿に剣を放ち、「歴劫は失敗だ」と呟くと口端から血を流し膝をついた。
小蘭花は東方青蒼に駆け寄った。
東方青蒼が剣を引き抜くと、謝惋卿から溢れ出た祟気が2人に襲い掛かった。
小蘭花は襲い来る祟気から東方青蒼を守った。
息蘭聖印の光を纏う小蘭花の姿を見た丹音と東方青蒼は、小蘭花が息山神女なのだと気付いた。
歴劫失敗を悟り失意の丹音は、東方青蒼に襲い掛かり、阻む觴闕と戦いになった。
容昊仙君は丹音を深追いしないよう引き止めた。
容昊仙君が簫潤の運命を調べたところ、簫潤は想う相手を救うため死ぬ運命となっていた。
長珩仙君は歴劫を終え、元の体に戻った。
簫潤だった頃の記憶も持っていた。
東方青蒼と小蘭花は共にひどく消耗した状態で忘川にたどり着いた。
舟に乗った時、雲中君率いる仙族兵が現れ、舟に向けて一斉に攻撃を仕掛けた。
東方青蒼は、業火が使えなくなっていることに気づいた。
雲中君がとどめを刺そうとしたとき、長珩仙君が現れ小蘭花は逆賊でないと主張し、小蘭花に「帰ろう」と手を差し伸べた。
小蘭花は「ごめんなさい」と言って舟を動かした。
長珩仙君は降りかかる攻撃から舟を守った。
長珩仙君は、雲中君の定める掟には従えないと言って消えた。
雲中君は、長珩仙君を見つけ次第殺すよう命じた。
赤地女子は何度も転生したが、そのたびに愛する者のために死んだ。
今回も”簫郎”とは誰かの名ではなく”愛する者”という意味だった。
容昊仙君は赤地女子の元神を誰にも気づかれない場所に安置した。
小蘭花は東方青蒼を蒼鹽海に連れ帰ったが、東方青蒼は全く目覚めなかった。
小蘭花は自分の血を東方青蒼に飲ませ「1人にしないで」と泣きながら願った。
すると東方青蒼は目を覚ました。
東方青蒼は小蘭花の傷に気づいた。
小蘭花が自分の血には命を救う力があるのだと言うと、東方青蒼は二度と血を使うなと命じた。
なぜ水雲天に二度と戻れなくなるような選択をしたのか、東方青蒼は小蘭花に問うた。
言葉を濁す小蘭花に、東方青蒼は口づけた(熱烈)。
觴闕と結黎が合流し、小蘭花は慌てて東方青蒼から離れた。
忘川では海市主に祟気にされた者たちが苦しんでいた。
3000の兵の死も海市主の仕業だろうかと長珩仙君は考えた。
東方青蒼は觴闕と巽風にだけ業火が使えないことを伝えた。
さらに東方青蒼は、小蘭花と同心呪でつながっていることを巽風に伝えた。
”月族兵の封印を解けず、民に合わせる顔がない”東方青蒼がそう巽風に胸の内を打ち明けるのを、小蘭花は聞いてしまい落ち込んだ。
東方青蒼は落ち込む小蘭花に、理由を聞かず寄り添った。
小蘭花は自分を助けず赤地女子の歴劫を成功させ月族兵の封印を解き家族と会わせてあげるべきだったと話した。
東方青蒼は、決断したのは自分だし、封印を解く方法はきっと他にもある、しかし小蘭花は1人しかいないと言って手を握ると、小蘭花の正体について話そうとした。
そこに長珩仙君が現れた。
長珩仙君は「識霊抄」(初代息山神女が作った、霊を癒やし元神を清める楽曲で、かつて東君と鹽女がともに奏で天地を祭った)を取り出し、忘川で彷徨う魂について語った。
月族最強の東方青蒼と仙族の戦神である長珩仙君が力を合わせれば、「識霊抄」を奏で魂を救うことができる。
2人は力を合わせ「識霊抄」を奏でることで合意した。
対立している2人の緩衝役を小蘭花は担ったが、2人の合奏はなかなか音が合わない。
東方青蒼は稽古場から立ち去ってしまった。
忘川の近くを東方青蒼が通りかかると、猟師の集落の者達が慰霊の儀式を行っていた。
顔のない土人形に祈りを捧げているのを見て、なぜ顔がないのか、東方青蒼は長老に尋ねた。
死んでから時が経ちすぎ、元神の居場所も分からず顔が思い出せないのだと長老は語った。
東方青蒼は10万の兵を連れ帰ると、再び長老に誓った。
感想
赤地女子と長珩仙君の歴劫は小蘭花たちが計算したようには全く進まず、失敗したかに思われました。
しかし最終的には2人とも成功しており、灰にならずに済みました。
よかった。
赤地女子は何度転生しても毎回愛する者のために死んでいるという容昊仙君の話を聞いて、それならば自分の元神を捧げて月族兵を封印した時も、仙族のためとかではなく、愛する誰かのためだったのではないかと妄想してしまいました。
一体誰のためでしょう。
やっぱり3万年前のことがとっても気になります。
簫潤は想う相手を救うため死ぬ運命になっていたと、容昊仙君は言っていました。
丹音は”想う相手”とは小蘭花のことだろうと言っていましたが、簫潤が死んだのは丹音を庇ってのことでした。
そして、それで歴劫は成功だった。
ということは、簫潤の思う相手は丹音だったということではないですか?
その望みもありますよね。
簫潤が丹音(曲水)を想っていたとして、それは兄弟のような存在として、かもしれません。
それでも望みが生まれました。
小蘭花はもう魔王様ルートに完全に入ったので、ツンデレ可愛い丹音は長珩仙君ルートで幸せになって欲しいです。
長珩仙君はお兄ちゃんと決別したので、婚約者に囚われることもなくなったでしょう。
この後の丹音の頑張りに期待したいです。
魔王様は祟気のせいで消耗し、さらに待ち構えていた仙族兵の攻撃を受けて消耗し業火が使えなくなってしまいました。
業火を会得するには、愛と七情を完全に断たなければならない、という設定がありました。
そのせいで先の月尊は心を鬼にして魔王様から七情を奪いました。
大きな代償と引き換えに、魔王様は業火を会得しました。
1話で小蘭花が七情の木に触れた瞬間から、魔王様の七情の木は回復し始めましたが、魔王様はそれ以降も業火を使えてました。
だから会得するには愛と七情を断たなければならないけれど、一度会得すれば、七情を取り戻してもいい、という設定なのだと思われます。
けれど、ここへ来て業火が使えなくなった。
七情の木が完全回復したことと関係あるでしょうか?
24話で、魔王様の七情の木が完全回復したっぽいことが描写されていましたよね。
あれから魔王様はずっと人間界にいたので、業火を使っていませんでした。
そして今回使えなくなった。
謎が解決すると、更なる謎が現れます。
とても気になります。
小蘭花は魔王様を守るため、息山神女の力を発揮。
魔王様も丹音も小蘭花の正体に気づいたようでした。
目覚めない魔王様に、小蘭花は自分の血を与えました。
すると目覚めた魔王様。
けれど小蘭花が血を使ったと知ると、二度と使うなと言いました。
小蘭花は自分の血が人を救えることを知っていたので、以前にも使ったんですよね。
誰に使ったのでしょう。
そして魔王様はなぜ血を使うことを禁じたのか。
ここにも謎が生まれました。
魔王様は小蘭花を育てるために「息蘭全書」を読み込んでいたので、小蘭花の体について本人よりも詳しそうですよね。
何か知っているんでしょうか。
容昊仙君は息山神女の命と引き換えに赤地女子を生き返らせようとしていますが、小蘭花の血で生き返らせることはできないんでしょうか?
それがOKなら平和的に解決できそうですが…。
ダメなんでしょうね。
小蘭花は長珩仙君の手を取らず、水雲天に帰れない道を選びました。
そのことで魔王様には、言葉にせずとも小蘭花の気持ちが伝わりました。
その流れからの手繋ぎキスは熱烈すぎて叫ばずには見られませんでした。
本当にありがとうございました。
キスシーンはもちろん良かったですし、その前の、もうすぐ忘川という場面で魔王様が言った、「川を渡れば家に帰れるぞ」というセリフ、それに対して小蘭花が頷く場面も好きでした。
小蘭花にとって蒼鹽海が家になっている感じが、なんか、感無量でした。
あれだけ水雲天に帰りたいって言っていた子が
長珩仙君が現れたことで小蘭花への正体告知は後回しになってしまいましたが、敵同士だった2人が、人間界では義兄弟になった2人が協力して魂を救うという流れはムネアツです!
小蘭花を抱き寄せ長珩仙君を威嚇する魔王様、可愛かった。
言い争いのような感じで立ち去った魔王様でしたが、猟師の集落の方たちに再会し、心を入れ替えてくれたでしょう。
容昊仙君は赤地女子を救うために一体どれだけの人を犠牲にし、そしてどれだけの人が忘川で彷徨っているのか分かりません。
けれど魔王様と長珩仙君が協力することで、少しでも苦しみが消えればいいですね。
そして早く容昊仙君の企みを阻止し、これ以上犠牲者が増えることが無いようにしてほしいです。
よろしくお願いします。