永楽帝~大明天下の輝き~ #39 果てなき攻防 あらすじ

 

 

 

朱棣しゅてい済南さいなんの守将である鉄鉉てつげんに、投降するようにとの書状を送った。

しかし鉄鉉てつげんは、”朱棣しゅていは世を欺く小人だ”と言って拒絶した。

 

攻城開始から1月。

えん軍の死傷者は5000人。

 

済南さいなんには兵書に精通し用兵に長ける盛庸せいようがいる。

相手の守りは堅固なのに対しえん軍は城攻めが不得手だ。

 

軍糧は残り2月分しかない。

張玉ちょうぎょくらは退却を示唆したが、朱棣しゅていはこの機を逃せば後がないとして攻城続行を命じ、北平ほくへいにいる陳亨ちんこうに物資の補給を指示した。

 

姚広孝ようこうこうは出立する陳亨ちんこうに、”不利ならば一時の勝利に固執すべきでない”という朱棣しゅていへの伝言を託した。

 

朱棣しゅていの所に、鉄鉉てつげんからのふみを持った使者がやって来た。

”ずっと降伏の機会をうかがっていた。南門を押さえたので卯の刻(午前6時頃)、騎兵と共に入場してほしい。”と使者は言った。

 

張玉ちょうぎょく朱能しゅのうも怪しい点が多すぎると朱棣しゅていに注意を促した。

しかし朱棣しゅていは、ふみの筆跡が確かに鉄鉉てつげんのものだったことと、鉄鉉てつげんの人柄に対する信頼から約束の時間に南門に向かった。

 

しかし、これは罠だった。

鉄鉉てつげんらは精兵200を潜ませ朱棣しゅていを生け捕りにしようとしていた。

 

間一髪のところで張輔ちょうほが気付き、朱棣しゅていは陣営に戻った。

 

えん軍は大砲での攻撃を開始。

すると鉄鉉てつげんらは済南さいなん城の城壁に洪武帝の位牌を掛けた。

えん軍は攻撃できなくなった。

 

えん軍が済南さいなんに駐屯して3か月が経った。

物資を運んでいた陳亨ちんこうは奇襲を受け深手を負い、軍糧も焼かれた。

朱棣しゅていは撤兵を命じた。

 

允炆いんぶんは初勝利を喜び、盛庸せいよう平燕へいえん将軍とし軍務を任せ、鉄鉉てつげんを兵部尚書とした。

 

朱棣しゅてい陳亨ちんこうを見舞い、早期撤退しなかったことを謝罪しようとした。

陳亨ちんこうは、徐達じょたつでさえ嶺北れいほく北元ほくげん軍に敗れたのだから自省すればいいのだと朱棣しゅていに言った。

 

えん軍は北平ほくへいを出て館陶かんとうから山東さんとうに入り済南さいなんを迂回して南下し始めた。

盛庸せいよう東昌とうしょうえん軍を迎え撃った。

 

えん軍は敗れ、朱棣しゅていは逃げた。

深手を負った張玉ちょうぎょくは戦場に残り盛庸せいようから降伏を迫られた。

張玉ちょうぎょくは降伏せず、仲間と共に斬られた。

 

朱棣しゅていは援軍を連れて駆けつけた高煦こうくに朝廷の糧道を襲わせた。

そして朱能しゅのうを使者として捕虜の交換を申し入れた。

朝廷側の千戸以上の者35名と引き換えに張玉ちょうぎょく張輔ちょうほを返してもらおうと考えたのだ。

 

書状を届けた朱能しゅのうは、鉄鉉てつげんに恩を忘れたのかと声をかけたが、鉄鉉てつげんは何も言わず立ち去った。

 

鉄鉉てつげんは捕虜交換について相談するため、盛庸せいように会いに行った。

盛庸せいよう張玉ちょうぎょくの遺体を綺麗に整えていた。

 

盛庸せいようは糧道が襲われたことを鉄鉉てつげんに伝えた。

軍糧は一月分あるからしばらく飢えの心配はない。

えん軍には大打撃を与えた。

しかし我が軍も多くの将兵を失った、と言って盛庸せいようはため息をついた。

 

 

 

 

感想

 

トントン拍子で勝ち進んでいたえん軍が、済南さいなんでは足止めを食らいました。

済南さいなん城は3か月攻めても落ちず、東昌とうしょうでは敗戦!

 

36話などで朱棣しゅていは「我が軍は一戦も負けられぬのだ」と言っていました。

なのでえん軍は1度も負けずに南京まで行っちゃうんだろうな、と思っていたのでびっくりしました。

 

しかも、張玉ちょうぎょくが亡くなってしまった。

こうなるかもしれないというのは、36話の時から一応覚悟はしていたのです。

朱棣しゅてい張玉ちょうぎょくの●亡フラグっぽいことを言っていたので。

『フラグよ、へし折れろ』と念力を送りながらドラマを見ていましたが、ダメでした。

うわーんえーんというような感じではなく、涙が勝手に垂れてくるような、そんな風に泣いてしまいました。

 

朱棣しゅてい北平ほくへいにいた時は、姚広孝ようこうこう妙雲みょううん朱棣しゅていの相談相手でしたが、戦場では張玉ちょうぎょくが心強い相談相手でした。

陳亨ちんこうも今回言っていましたが、総大将である朱棣しゅていは士気に関わるから気弱なことは言えない。

けれど張玉ちょうぎょくには不安な心も吐露していました。

頼りになる張玉ちょうぎょくが、いなくなってしまった。

 

張玉ちょうぎょくは私にとっても心強い味方でした。

朱棣しゅていの所に来る難しい手紙の内容を、張武ちょうぶたちにかみ砕いて教えてあげていたからです。

今回も鉄鉉てつげんから来た手紙の内容を張武ちょうぶたちに教えてあげてました。

あの張玉ちょうぎょくの通訳によって、ざっくりとしたことを理解できたことも多かったのに。

 

朱棣しゅてい張玉ちょうぎょくを助けに戻ろうとして必死に止められていました。

盛庸せいよう張玉ちょうぎょくを殺したくないと思っていたのは伝わってきました。

盛庸せいようが遺体を整えている場面は印象的でした。

皆に愛されてたんですね。

 

1話から登場していた張玉ちょうぎょく

朱棣しゅていとの出会いは3話でした。

伯雅倫海別パヤルンハイベを連れて逃げているところを捕まったのです。

 

その後、秦王府付きだった張玉ちょうぎょくを、朱棣しゅていえん王府付きにしました(14話)。

けれどこの時張玉ちょうぎょくは、拡廓帖木児ココテムルがいるかぎり草原に刃を向けられないと断りを入れていました。

21話で拡廓帖木児ココテムルが亡くなり、張玉ちょうぎょくは本当の意味で朱棣しゅていの配下になりました。

文武両道の張玉ちょうぎょくは心強い味方でした。

これからどうなっちゃうんでしょう。

 

張玉ちょうぎょくの死もショックでしたが、鉄鉉てつげん朱棣しゅていを罠にかけたこともショックでした。

 

鉄鉉てつげんにとって朱棣しゅていは命の恩人のはず。

その朱棣しゅていを罠にかけた。

罠であることには直前で気づきましたが、お馬さんが…真顔

 

鉄鉉てつげん朱棣しゅていを生け捕りにするつもりでした。

だから最初は、朱棣しゅていの命を取るつもりはなくて、この戦いを終わらせるために1度しか使えない最強のカード(朱棣しゅてい鉄鉉てつげんに対する信頼)を使ったんだな、と思いました。

けれど、よくよく考えると、いくら殺すなとめいを出している(35話)とはいえ、允炆いんぶん朱棣しゅていを殺さないはずありません。

だからあの時鉄鉉てつげんは、恩人である朱棣しゅていの命を取る決断をしたのだと思います。

 

中国ドラマを見ていると、中国の方は恩を受けたら恩返しをするという考えを大切にしているんだなぁと良く思います。

鉄鉉てつげんは自分の信念のために、恩人すら売った。

それほど強い信念を持つ鉄鉉てつげんってすごいなぁと思いました。

鉄鉉てつげんは信念のためなら自分の命も捨てる方だと思うので、当然の決断だったんでしょう。

 

私は多分かなりの鉄鉉てつげんびいきなので、そんな風に見ていて思いました。

ショックを受けたのは、鉄鉉てつげんが裏切ったからではなく、恩人を裏切るほど強い鉄鉉てつげんの信念に対して、というか、それほど強い信念を持っている鉄鉉てつげんを改めて尊敬したって感じです。

 

信頼していた鉄鉉てつげんに裏切られ、攻城に失敗し、東昌とうしょうでも敗れ張玉ちょうぎょくを失った朱棣しゅてい

ここからどう盛り返すのか、見てきます!