永楽帝~大明天下の輝き~ #31 皇太孫の叔父 あらすじ
朱棣は北平按察使の唐炯らとともに允炆を出迎えた。
允炆と朱棣の乗る馬車のすぐ後ろにいた高煦は、皇帝が別の判断をしていれば立場は逆だったかもしれないと話し、高熾に諫められた。
高煦の言葉を徐輝祖が聞いていた。
允炆は馬車の中で朱棣に身内としての大礼をし、力添えを頼んだ。
朱棣は、亡き太子の恩に報いるため死ぬまで命懸けで補佐すると約束した。
北平の将軍たちは、誰も允炆の所に面会に来なかった。
朱棣への忠誠心だろうと允炆は考えた。
軍事訓練が始まった。
朱棣の考案した”神機槍陣”(絶えず鉄砲を撃てるようにした陣形)を目にした允炆は喜んだ。
允炆が帰り、妙雲の所に行った朱棣は、斎泰が”いずれ燕王を支配できぬ日が来る”と上奏したことを知った。
妙雲は斎泰の奏状の写しを手に入れていたのだ。
皇太孫の叔父となった朱棣が力を持つほど 允炆には脅威となることや、太子が亡くなり誰も朱棣と皇帝を取り持ってくれないことを妙雲は語った。
妙雲は、皇位のためでなく夫を守るために動いているのだと話した。
都に帰った允炆は、"北平の13万の精鋭たちは朝廷ではなく朱棣に従属しているようだ"と報告した。
皇帝は妙雲と3人の子供たちを都に住ませるよう命じた。
呂氏は江都郡主の降嫁先に長興侯府の世子耿璿を選んだが藍玉に反対された。
呂氏は、藍玉にその権利はないと憤った。
3年以内に7人の親王が就藩することが決まり、そのうち4名が北平周辺に就藩する。
朱棣の兵権は彼らに分け与えられる。
妙雲たちを見送った朱棣は、皇帝の信頼を失ったのだと考え部屋に籠っていた。
姚広孝は朱棣を訪ね、依然として国境の指揮権は朱棣にあることを挙げて、妙雲たちを都に呼んだのは朱棣を守るためであり、皇帝は允炆も朱棣も守りたいと考えているのだと話した。
皇帝は挨拶に来た高熾に、都の兵の視察を行い燕世子として軍事の知識を身につけるよう命じた。
妙雲は乃児不花から託された贈り物(?)を渡すため伯雅倫海別に会った。
事前に皇帝に伝えると、皇帝は”旧主を忘れぬは忠誠の証し 疑いを恐れぬは真の誠意”と言ったため、妙雲は堂々と面会した。
伯雅倫海別は錦衣衛が藍玉を調べていると妙雲に伝えると立ち去った。
妙雲は、譚淵と会ってくるよう馬和に命じた。
斎泰と黄湜は藍玉についての調査を止めるよう蔣瓛に圧力をかけた。
藍玉は錦衣衛を捕らえた。
蔣瓛が皇帝に報告すると、皇帝は藍玉の調査を続けるよう命じた。
皇帝は、息子に累が及びかねないので 注意して動くよう重ねて申し付けた。
蒋瓛に藍玉の調査を命じられた譚淵らは、命じられた以上の不正内容を報告した。
蒋瓛は藍玉の罪状を皇帝に報告した。
藍玉は捕らえられた。
允炆は、事を大きくしないと黄湜らに約束した。
感想
允炆が北平に着きました。
允炆と朱棣の乗る馬車のすぐ後ろを騎馬で随行していた高煦が「うちのパパが皇太子だったかもしれないのに~」と爆弾発言をし、高熾に諫められ徐輝祖に聞かれました。
恐らく、この爆弾発言は馬車の中にいた允炆にも聞かれてしまい、允炆が朱棣に大礼をしたことに繋がったように見えました。
高煦は大胆不敵と言うか、考えなしというか、トラブルを引き起こしそうなキャラですね
子供たちが成長し時間の流れを感じました。
允炆に、太子の恩に報いるため命懸けで守ると言った朱棣。
私には、本心を言っているように見えました。
朱棣の考案した”神機槍陣”という陣形に度肝を抜かれました。
日本で鉄砲の弱点(連発できない)を補う方法を考えた人というと、長篠の合戦(1575年)における織田信長が有名だと思うのですが、それよりも180年くらい前にすでに朱棣はこの問題を克服していた!
日本に鉄砲が伝来したのが1543年だそうですから、さすが中国、早い!
ちょっとネットで調べただけではよく分からなかったのですが、一説によると11世紀頃中国で黒色火薬が発明され、それがヨーロッパに伝わりヨーロッパで発明された鉄砲が中国に伝わり…1390年ころには中国は火器の時代だったそうです。
ちょうどこのドラマが今1390年代ですから、まさに火器時代に入ったところ、という感じでしょうか。
これから殺傷能力の高い武器が使われていくんですね
そういえば、伯雅倫海別は鉄砲で藍玉を仕留めようとしてました。(1話)
懐かしいです。
都に帰った允炆は北平の兵が朝廷の兵ではないと皇帝に話し、皇帝は妙雲と子供たちを都に住まわせることにしました。
”あー、人質を取られたんだ”と、この時は思いました。
弟たちが北平周辺に就藩することが決まり、兵権が制限されることが決まったうえに妙雲たちも連れて行かれた朱棣は皇帝の信頼を失ったのだと塞ぎ込みました。
けれど姚広孝によれば、皇帝の行動は朱棣も允炆も守るためのものだということのようです。
後半、皇帝は藍玉の調査について”息子に累が及ばないよう慎重にしろ”と蒋瓛に命じました。
この「息子」は朱棣のことだと思うので、皇帝は確かに朱棣を守りたいと考えているのだと思います。
錦衣衛が藍玉の調査を始めたのは、江都郡主降嫁の剣で藍玉に口出しされ怒った呂氏
が命じたことのようです。
妙雲が都に着いた時には調査は始まっていました。
黄湜たちは調査を止めさせようとしましたが、皇帝は続行を指示。
そしたら、蒋瓛が命じた以上の調査報告が届いてしまった!
おそらく妙雲の指示で、今まで調べてあったけど留めておいたものを全部報告した、ということだと思います。
10日で調べたとは思えない情報量だったみたいなので。
妙雲は藍玉を潰す機会を待っていたんでしょうね。
29話で妙雲は譚淵に指示できる立場にあることが判明しました。
斎泰の奏状の写しも譚淵を通じてゲットしたのだろうと予想しています。
夫を守るため、ついに妙雲が本気を出し始めた、ということでしょうか。
妙雲の活躍が楽しみです!
呂氏は藍玉のことを調べさせましたが、これほど騒ぎを大きくしようとは考えていなかったみたいで、藍玉が捕らえられたと知ると焦っていました。
藍玉は允炆を皇太孫にした立役者でもあるので、厭な奴だけど失脚させたくはない、という感じでしょうか?
妙雲が動いたことで、期待していたのとは違う結果になってしまったようです。
リカバリーのため允炆が動きます。
どうなるんだろう!
今回、一番可哀想だったのは蒋瓛さんでした。
錦衣衛の指揮使でありながら、部下たちは表面上自分に従うフリをしつつ実は妙雲の指示に従っている。
そして責任だけ取らされる。
「お疲れ様です」と声をかけてココアを出してあげたいです。