永楽帝~大明天下の輝き~ #24 2つの詔 あらすじ

 

 

 

明では、再び北伐の気運が高まっていた。

 

妙雲みょううん朱棣しゅていに、高煦こうくだけでなく高熾こうしのことも気にかけて欲しいと頼んだ。

 

夏原吉かげんきつの試算によれば、今度の戦には数年分の剰余金がつぎ込まれ、民は苦しい生活を強いられることになる。

皇帝は夏原吉かげんきつを評価したうえで、戦わず敵に侵入されれば救済のために それ以上の出費が必要になると語った。

 

皇帝は藍玉らんぎょくを北征大将軍、朱棣しゅていを左副将軍、しん王を右副将軍に任じた。

皇帝は朱棣しゅていしん王を鍛えようとしているようだ。

 

太子は傅友徳ふゆうとくを呼び出し、朱棣しゅていが出征した後の北平ほくへいの軍務代行を任せると2つの詔を渡した。

朱棣しゅてい藍玉らんぎょくが不仲であることから万一の時に備えてのことだという。

 

1つ目の詔は、藍玉らんぎょくが私怨で大局を見誤った際に兵権を取り上げるもの。

2つ目の詔は、朱棣しゅていが損なった際に北平ほくへいに送り返すためのもの。

何事もなければ撤兵後2つの詔を太子に返す。

 

戦に反対した夏原吉かげんきつは、どうすべきか見てくるよう太子に命じられ軍糧と俸給の監督官として従軍することになった。

 

朱棣しゅてい藍玉らんぎょくの軍に合流した。

進軍しても北元ほくげんの者は見つからない。

藍玉らんぎょくは”いつもの手だろう”と言うと、湖に向かって進み遊牧民を見つけたら捕らえ荷を焼き払うよう命じた。

湖に向かわなければ軍は食糧やまぐさを調達できないからだ。

 

朱棣しゅていは偵察騎兵を派遣し見つけ次第攻撃を仕掛けるべきと主張した。

北元ほくげんの朝廷が崩壊する以前であれば、軍勢は大きく冬を越す場所が必要だった。

しかし乃児不花ナルプファの軍は2万ほどで手持ちの食糧で冬を越せる。

 

藍玉らんぎょくは反対した。

その策は北元ほくげんが得意とするもので、わが軍の歩兵と騎兵が分断されたところを囲まれ殲滅されてしまうというのだ。

 

藍玉らんぎょくは「経験もないのに口出しするな」と言うと朱棣しゅていを下がらせた。

 

朱棣しゅていは命に背き騎兵500と共に乃児不花ナルプファの行方を捜しに行った。

藍玉らんぎょくは全軍撤兵の命を出した。

朱棣しゅていは自軍5千を率いて乃児不花ナルプファの行方を追った。

 

傅友徳ふゆうとくは500の兵を率い朱棣しゅていの行方を追った。

 

藍玉らんぎょくの軍が北平ほくへいに着いたのは閉門後だった。

関所の守将は朝廷の掟だからと一晩門外で過ごすよう頼んだ。

すると藍玉らんぎょくは関所を攻撃し兵を殺した。

 

報せを受けた皇帝は、味方の兵を殺した藍玉らんぎょくに対しても、めいに反して出兵した朱棣しゅていに対しても激怒した。

 

乃児不花ナルプファの軍約2万には民が多く同行しており食糧不足に陥っていた。

 

朱棣しゅていが天幕に帰ると、そこには傅友徳ふゆうとくがいた。

 

傅友徳ふゆうとくが来たのは、己のためだと朱棣しゅていは見抜いた。

皇帝は朱棣しゅていを見捨てた藍玉らんぎょくを殺しはしない。

怒りの矛先は詔を託した傅友徳ふゆうとくに向かう。

皇帝への言い訳のため漠北ばくほくに来たのだろうと言うと、傅友徳ふゆうとくはひれ伏した。

 

乃児不花ナルプファの軍の状況を知ると、傅友徳ふゆうとくは自軍を率いて朱棣しゅていの軍に合流し乃児不花ナルプファの陣営を包囲した。

 

 

感想

 

22話で北元ほくげん軍に大勝利したのも束の間、また北伐が開始されました。

乃児不花ナルプファが力をつけている模様。

この戦いが終わることってあるんだろうか、と途方に暮れてしまいました。

大変ですね。

 

藍玉らんぎょくは大将軍に任じられ、朱棣しゅていは副将軍。あっという間に仲はこじれました。

 

姚広孝ようこうこうは、朱棣しゅていが先に命に背いたので皇帝に藍玉らんぎょくが撤兵したことを訴えても穏便には済まないが、朱棣しゅていは無謀ではないから考えがあってのことだろうと朱棣しゅていを信じました。

姚広孝ようこうこうには、色々なことが見えているみたいで、少し時期が早まったがこれも朱棣しゅていが通らなければならない道だと言っていました。

 

そういえば、姚広孝ようこうこうは何かをしようとしていました。

あれから10年以上経過していますが、まだその”何か”はしていないんでしょうか?

どうなったんだろう。

 

北元ほくげん軍の姿が見えない理由を、藍玉らんぎょくはいつもの通り遊牧民に扮して冬を越すため湖に向かっているからだろうと考え、朱棣しゅていは湖に向かっていないから いくら湖に向かおうと見つからないのだと主張しました。

北元ほくげんの朝廷がある頃と比べ軍の規模が小さいので、湖がなくとも冬を越せるということのようです。

 

藍玉らんぎょくは高圧的に朱棣しゅていを引き下がらせ、朱棣しゅていは出兵。藍玉らんぎょくは撤兵しました。

 

藍玉らんぎょくが撤兵したことにはもちろん驚いたのですが、それよりも驚いたのは、掟だからと門を開かなかったことに激怒し関所を攻撃したことです。

 

22話でりょ氏に入れ知恵された太子が「後漢書」を引用して”功ある者より過ちを犯した者を用いよ”と皇帝に話した時、”ナイスアイデア”と思いました。

藍玉らんぎょく自体好きではないので返り咲くことには”う~ん滝汗”と思ったものの、伯雅倫海別パヤルンハイベに撃たれた上 太子に杖刑じょうけい80回にされ冷遇されて、相当藍玉らんぎょくも反省しているだろうから今度はちゃんとやるだろうと。

 

その後、偉大な功績を挙げた藍玉らんぎょくでしたが、功績を挙げたことで想像以上のテングになっておりました。

そのせいで肥沃な土地りょう国ではなく、やせた土地 涼国を与えられることに。

 

2回もやらかしてるんだから、そろそろ真人間になって副将の朱棣と上手くやることを期待していましたが、そうはならなかった。

 

それで感じたのですが、藍玉らんぎょくは"自分が罰せられるのは自分のせいではなく、誰かが密告するせいだ"と考えていませんか?

視聴者からすると、”お前がマズいことしてるから罰せられるんだYO!”って感じですが、本人はそう思ってなさそう。

 

前回も涼国公の爵位を賜った時、落胆しながら「耿炳文こうへいぶんの仕業だ」と言っていました。

視聴者からすると、単なる自業自得です。

 

朱棣しゅていを嫌っている理由が定かではありませんが、もしも珠雲其木格チュウンチムゲの件を朱棣しゅていが明かしたからだとしたら、あの件も自分が悪いんじゃなくて朱棣しゅていが悪いと思ってますよね。

どうしたらその考え方やめてくれるんでしょうか。

 

今回皇帝が話題に出した遇春ぐうしゅん

投降兵を生き埋めにし早死にしてしまった、この遇春ぐうしゅんという方、この方は藍玉らんぎょくの義兄だそうです(3話参照)。

 

義兄は敵兵を生き埋めにし、義弟は味方の兵を殺す。

どんな義兄弟ですか!

 

朱棣しゅてい傅友徳ふゆうとくと共に手柄を挙げそうです。

乃児不花ナルプファの陣営の食糧不足具合がえげつなくて同情してしまいました。

どうにか平和的に共存できる道はないんでしょうか?

 

妙雲みょううん高熾こうし以外を世子せいしにすることは考えることさえ許されないというスタンスですが、朱棣しゅてい高煦こうくばかり可愛がってるみたいです。

高熾こうし高燧こうすいもちゃんと可愛がってあげてください!