永楽帝~大明天下の輝き~ #25 無血の勝利 あらすじ
朱棣は傅友徳とともに乃児不花の陣を包囲した。
乃児不花の軍勢には飢えが蔓延し戦う余力がなかった。
張玉を使者として送ると言うと、乃児不花は受け入れた。
朱棣は身分を隠し使者団に紛れた。
乃児不花は、拡廓帖木児と共に張玉の消息を案じていたことを話した。
包囲しているのが藍玉の軍勢で、張玉も藍玉の手先だと考えた乃児不花は張玉をなじった。
すると張玉は自分は燕王に仕えており、藍玉には生涯仕えることは無いと語った。
張玉は、朱棣からの伝言を伝えた。
拡廓帖木児が乃児不花に兵と民を託したのは、共に死なせるためか、と。
その頃、天幕の外では張武が民に食糧を配っていた。
乃児不花は、これが藍玉の罠ではないことを証明するため燕王本人を連れてきて誓いを立てさせるよう求めた。
朱棣はすぐに正体を明かし誓いを立てた。
乃児不花の兵は全員投降した。
皇帝の所に、朱棣大勝の報せが届いた。
妙雲は、帰ってきた朱棣になぜ勝てたのか考えるよう言い、夏原吉がまだ牢にいることを伝えた。
藍玉に背き出兵する前、朱棣は餓死した遊牧民を解剖し食糧不足が深刻であることを知ると、軍糧監督官である夏原吉に相談し食糧を融通してもらった。
藍玉に知られれば夏原吉は罰を受けることになる。
夏原吉は戦に勝てたら蘇松の課役を免じるよう上奏してほしいと頼んだのだった。
朱棣は夏原吉を牢から出すと、姚広孝の所に連れて行った。
北平の布政使として赴任させたいと考えたからだ。
しかし姚広孝は思いとどまるよう言った。
朱棣は今、難しい立場にいるからだ。
今回の大勝で朱棣の受け取った宝鈔(紙幣)100万錠、絹5千匹という褒美は功績に比べ少なすぎる。
皇帝ですらどう処遇すべきか分からないのだ。
伯顔帖木児は草原で新たな勢力を築きつつあった。
関所を破った藍玉は投獄された。
結果として大勝を収めたものの指揮に背いた朱棣の処遇について、朝廷では議論されていた。
孫子も”受けてはならぬ命もある”と言っている。
そのため争点は、朱棣が命に背き軍を離れたことではなく、離れたのは勝利を確信したからかどうかだった。
確信がなく兵馬を危険にさらし、敵の手に落ちていたら罪に問われる。
朱棣が功績を挙げたからと指揮に背いた罪を帳消しにすれば、真似する者が出て戦は成り立たなくなる。解縉はそう主張した。
允炆は伯雅倫海別に信頼を寄せていた。
姚広孝は朱棣に、朱棣を責める者達は親子の情を分かっていないと語った。
信国公・湯和が皇帝を訪ねてきた。
皇帝は対等に話すよう湯和に命じると、鳳陽ではまだ田畑の略奪が行われているか尋ねた。
感想
乃児不花御一行様が投降し、朱棣は30歳にして無血勝利を収めました。
20年来の付き合いだという傅友徳と乃児不花が語り合うところなど、グッときました。
傅友徳がニッコニコで乃児不花に水筒を差し出しましたが、乃児不花は1口飲むと、眉間に皺を寄せたまま固まりました。
その瞬間、厭な予感が。
傅友徳、乃児不花に毒を飲ませたんじゃ!?と。
傅友徳は処罰されていないものの淮西派の一派だということもあり、一瞬嫌な予感が過ぎりました。
けれど、乃児不花が変な顔をしたのは、水だと思って飲んだら中身が酒だったから
安心しました。
傅友徳は相当嬉しいのか終始ニコニコしており、そんな傅友徳に乃児不花はクールに「よい主を持ったな」と言いました。
ハートウォーミングな一幕でした
前回、藍玉が関所を攻めた時、縛られた夏原吉が映っており、”何があったんだ!?”と心配しておりましたが、その謎が解けました。
食糧を管理していた夏原吉は朱棣の策に必要な食糧を融通したため藍玉に捕縛されたようです。
夏原吉は、自分が藍玉に捕らえられると予想しつつも、朱棣の無血勝利を信じ、そして蘇松の民のため朱棣に協力しました。
広い広い中国において、蘇松が朝廷の税収の1/4を負担しているそう。
なんでそんなことに!?
ここに新たな問題が浮上することになるでしょうか?
大勝を収めた朱棣に皇帝は大喜び。
しかし、朱棣は藍玉の命に背いているため、喜んでばかりはいられない状況に置かれています。
ただ、”全て見えている人”でお馴染みの姚広孝が、朱棣と皇帝の間には親子の情があるから大丈夫と言っていたので、大丈夫なのだと信じ、次回を待ちたいと思います。
李善長は延安侯・唐勝宗、吉安侯・陸仲亨らを集めて何やら会議をする様子。
皇帝の所には湯和が訪ねてきて、鳳陽の田畑略奪について話し合われるようです。
次回のタイトルは「旧友との決裂」。
タイトルだけ見ていた時は、朱棣が誰かと決裂するのかと思って、相手が誰だろうかと気を揉んでいたのですが、今回の最後の方の流れを見た感じ、どうやら皇帝が旧友と決裂するお話になるっぽいでしょうか?
ドキドキしながら、次話見てきます!