永楽帝~大明天下の輝き~ #17 好機の到来 あらすじ
妙雲は大雨の中 跪き、皇后に謁見を求めた。
皇后の姿をみた妙雲は倒れた。
侍医が診て、妙雲が2人目を身ごもっていることが分かった。
皇后はすぐに皇帝を呼び、孫の命を守るよう訴えた。
そこに妃達や太子妃達がやってきて、朱棣に寛大な処置を施し妻子を守って欲しいと訴えた。妻子は咎められていないけれど、心労は計り知れないからだ。
妙雲が現れ、悪いのは夫を諫めなかった自分なので、処罰するなら自分を処罰してほしいと訴えた。
皇帝は恵済寺で経典を学び精神修養するよう朱棣に命じた。
朱棣への処罰が軽くなったことで、朱亮祖は憤っていた。
胡惟庸らは、朱棣の処分が軽かったのだから、我らも厳罰に処せないはずだと言って朱亮祖をなだめた。
秋税の徴収時期が近い。
胡惟庸は、今年の税糧は従来と違い、各省ともきちんと納めるよう指示を出した。
恵済寺での朱棣の講義は、姚広孝が担当した。
各地の官吏が税糧を収めるため近く都へ来る。
その時が好機だと姚広孝は話した。
妙雲は皇后の代わりに恵済寺で祈祷したいと願い出て、許された。
皇帝の命で、朱柏は錦衣衛の指揮副使に就任し、朱棣も錦衣衛の任に復帰した。
皇帝の命により、京軍留守司の軍馬は允恭と李景隆が管轄することになり、全ての城門は封鎖された。
朱棣は税糧を納めに来た各省の官吏を全員捕縛させた。
切羽詰まった涂節は、対策を求め胡惟庸のもとに駆け込んだ。
胡惟庸は証拠などないと余裕の表情であったが、空印の用紙を今年も官吏たちが持参していると聞くと ひどく動揺した。
官吏は空印の用紙を用いて税糧1石のところ1石2斗徴収し、2斗を横領していた。
さらに開中法を悪用し、横領した食糧を辺境に運び塩の引換証と交換し暴利を貪っていた。
報告を受けた皇帝は、汚職に憤る太子と朱棣をなだめるように食事に誘うと、朱柏を錦衣衛に入れたのは一時的なもので、錦衣衛に関与させるつもりはないと話した。
そして、朱棣と皇帝で太子を欺くような芝居をしてしまったが、決して欺くつもりはなかったのだと話した。
策を成功させるため、皇帝は朱棣と鉄鉉以外には知らせなかったのだと真相を話した。
太子は、数年連れ添っただけの妙雲が朱棣を信じ続けたのに、長年共に育った自分が弟を信じ切れなかったことを情けなく感じた。
感想
妙雲は皇后に謁見しようと、大雨の中跪きました。
何を願おうとしたのかは、妙雲が倒れてしまったので後になってから判明しますが、朱棣ではなく諫めなかった自分を罰してほしいという願いです。
前回の終わり、妙雲は「あなたの父上を助けなくては」と息子朱高熾に誓って出掛けて行きました。
助ける方法として妙雲が考え出したのが、自分が代わりに罰を受けるというものだったようです。
妙雲が妊娠していたことや、朱高熾が病弱になってしまったこと、太子妃たちの嘆願(+もともと皇帝のお芝居だった)によって朱棣はお寺で精神修養するという軽い処分に変更になりました。
妙雲の日頃の行いでみんなが味方になってくれたということ(+妙雲に恩を売っておけば後々いいことありそうという打算もありそう)かなと、思いました。
それにしても、妊娠可能性のある人妻が大雨の中無理するのはダメ、絶対。
そこはマネしちゃだめだと思いました。
朱棣の処分が軽くなったことで、朱亮祖は胡惟庸に文句を言いに行き、軽くあしらわれました。
胡惟庸たちは、秋の税糧の話をはじめ、そこで(あぁ、そうか。全ては統制されて組織化された汚職だったんだ)とやっと分かりました。
鳳陽の田畑収奪事件という大事件があって、今度は開中法を悪用した事件が起きて、広範囲の多くの官吏が汚職に関わっていることが明らかになりました。
大事件が発覚したばかりなのに、自重しないことに驚き、官吏の汚職にかける情熱を”逆に凄い”と思っていました。
それもそのはず、上の人達が号令を出して組織だっての汚職だったわけです。
開中法を作ったのは胡惟庸でしたから、法律を作った時に、一緒に汚職の方法も考えていたのではないかと勘繰ってしまいました。
朱柏(12弟)が錦衣衛の指揮副使になり、誇らしげに太子に挨拶しました。
けれど太子は憤り、視聴者も憤りました。
13話で朱棣が錦衣衛を任された時、12弟を錦衣衛に入れないで欲しいと皇帝に頼み、許されました。
その時太子もいました。
だから皇帝が朱柏を錦衣衛に入れたと知り、約束を破ったと思って平静ではいられませんでした。
後から、一時的なものだと分かって本当に良かったです。
結局のところ、錦衣衛を廃止するという話や鉄鉉を処刑するという話、朱棣を庶民に降格するという話は、全て皇帝と朱棣、鉄鉉によるお芝居だったというのが真相でした。
鉄鉉は拷問されて命懸けの芝居でしたね。
14話で北平から鳳陽に向かった朱棣は、その時点で胡惟庸が関わっていることに思い至り、証拠を掴もうと都に行かず直接鳳陽に行きました。
しかし朱棣が北平を出たという情報が胡惟庸に漏れており、胡惟庸は先回りして倉庫の軍屯を穴埋めしておきました。
結局朱棣は小物しか捕まえられませんでした。
そこで皇帝が考えたのが、錦衣衛を解体したことにして胡惟庸らを油断させ証拠をつかむ作戦。
そうだとすると、錦衣衛が横暴に振る舞い朝廷中から恐れられていたのも、皇帝の策の一環のように思いました。
錦衣衛のあまりの横暴さに官吏は抗議し胡惟庸らは跪いて錦衣衛廃止を訴えました。
皇帝と朱棣は、錦衣衛を解体したことにして好機が来るのを待っていた。
胡惟庸はきちんと税糧を納めるよう命じたのに、官吏の欲は際限がなく、空印の用紙という証拠を持ってきてしまった。
ついに胡惟庸さん、チェックメイトです。
胡惟庸があんなにも動揺したことに、驚きました。
実のところ、空印の用紙というのを具体的にどう使って汚職をするのかイマイチわかっていないのですが、あの胡惟庸の演技を見て、そのヤバさは伝わりました。
そして、これまで胡惟庸を頼ってきたのに、すぐに切り捨てた涂節の変わり身の早さ。
彼は一体どうなるのか。
そして太子の気持ち、分かる。
離れて暮らすと、兄弟の絆って結構簡単に崩れるんですよね
昔はあんなに仲良かったのにね。
遺産相続で揉める人たちの話を聞いて、実感しています。