永楽帝~大明天下の輝き~ #14 張り巡らせた罠 あらすじ
妙雲は男子を生み、皇帝は朱高熾と名付けた。
北平にいる徐達は、北平の者を信じられず、探馬軍司探索のため都から人を送って欲しいと皇帝に密書を送った。
皇帝は北平の探馬軍司を根絶やしにするよう朱棣に命じた。
朱棣は錦衣衛の精鋭500を連れ、北平に向かうことになった。
朱棣は秦王に仕えている張玉を、燕王府で預かりたいと思い張玉に打診した。
張玉は本来ならば大恩ある拡廓帖木児に承諾を得てから返事をしたいが、拡廓帖木児には会えないので、筋を通すために伯雅倫海別から承諾を得たいと朱棣に話した。
朱棣は張玉の願いを受け入れた。
朱棣が忠義者の張玉を気に入り配下にしたいと思っているのを知った妙雲は、張玉の妻子を探し出すと、屋敷を買い上げそこに張玉一家を住まわせた。
妙雲は張玉に、”忠義を向けるのは漠北の朝廷か拡廓帖木児か”と問いかけた。
伯雅倫海別は朱棣を守るよう張玉に命じた。
張玉は燕王府付きに移ったが、拡廓帖木児のいる限り草原の民に刃を向けられないと朱棣に話した。
朱棣はそんな張玉を受け入れた。
太子は出立する朱棣の見送りにきて、徐達の判断を仰ぐことや危険を冒さないことを命じた。
朱棣は表向き孫を徐達に見せるためと言って、家族を連れて北平に向かう。
李景隆は、伯雅倫海別を娶りたいと願い出た。
北平にいる李文忠は息子に嫁候補を連れてくるよう命じたため、伯雅倫海別も北平に向かうことになった。
北平は元の旧都だったため、現在でも官吏の1割7分、軍の3割は元朝出身。
そのため探馬軍司の疑いがある者は2000に及ぶ。
朱棣は”あえて罠にかかる”という策を徐達に打診した。
朱棣は地形を理解するため偵察騎を連れて漠北に向かいたいと徐達に頼んだが、許可は出なかった。
張玉からこの話を聞いた烏蘭図雅は、何か裏があるはずと考え北平の探馬軍司に警告すべきか伯雅倫海別に尋ねた。
南北の探馬軍司は不干渉が掟であり、北平の探馬軍司は伯雅倫海別の管轄外だった。
伯雅倫海別は警告しないことにした。
妙雲の鵞鳥料理(徐達の大好物)をチラつかされた徐達は、自分も連れて行くことを条件に漠北への偵察を許可し出発した。
徐達は呉起のように下っ端の兵士を労った。
北元の騎兵が現れ徐達は兵を率い出陣したが、罠だと感じた拡廓帖木児はすぐに兵を引き上げた。
北平では徐達のいぬ間に罠だと気付かず動きを起こした探馬軍司が捕まった。
捕まった者の中には糧道を監督する王志もいた。
王志は開中法の運用に関与している。
報告を受けた朱棣は、太子への報告に朱能を派遣し、自らは鳳陽府懐遠知県の鉄鉉に会いに行った。
報告を受けた太子は怒り心頭に発す、といった様子であった。
徐達は文書の行き来を止めさせた。
感想
朱高熾さん、爆誕!
おめでとうございます!
皇帝はあまりの嬉しさから、朱棣の”子孫を20代先まで名付けた”そう。
えー!?じゃあ、あの名前も!?とワクワクするお話でした。
妙雲の用意している高熾のごはんを見た允恭は、「それだけ?」と言っていました。
允恭が驚いていたのは、子供のごはんの量の常識を知らないから、思っていたより少なくてなのか、それともいくら子供だとしても少ないと思ったからなのか。
分かりませんが、今与える量が少ないと、将来食いしん坊になってしまうのではないかと少し心配しています。
忠義者の張玉は、朱棣の配下になりましたが、拡廓帖木児がいるうちは完全な配下にはなれない、といった感じのようで、そのことを正直に朱棣に話しました。
正直に話す張玉も、それを受け入れる朱棣もどちらにも人としての凄さを感じました。
こういうところも朱棣は気に入っているのでしょうね。
妙雲は張玉の妻子を探し出し張玉の心を掴むのに一役買いました。
本当に”できる妻”って感じでした。
張玉は張玉で、妙雲の人心掌握術に感心しつつ伯雅倫海別にも”並の女子ではない”と警戒をするよう呼びかける(?)など、冷静な部分を見せていて、妙雲もすごいけれど、あれだけされても冷静でいられる張玉、すごいなと思いました。
私なら、無条件で妙雲に忠誠を誓っていたと思います(笑)
(コメントで教えて頂いたのですが、妻子を呼び寄せ家を与えたのは、人質にして裏切れないようにする意図があるそうです。)
李景隆は、伯雅倫海別を娶りたいと皇后に頼んだそうで、個人的には、いいねーとなりました。
李景隆は、伯雅倫海別に一目惚れで好きだろうと思うのですが、伯雅倫海別はどう思っているのか。
”扱いやすいバカ”くらいにしか思ってなさそうで、ちょっと李景隆が可哀想な気もしないでもないですが、でも2人が幸せになってくれたらいいなぁ。
一兵卒を気遣う徐達の様子が呉起のようだと朱棣は張玉と話していました。
朱能と張武は呉起が誰なのか分からず楽しい会話をしていました。
視聴者は、妙雲から履修済みなので、呉起が誰なのか知っていました。
妙雲によれば、「故事の”吮疽之仁”は楚の呉起が配下の膿を吸う話です。」(10話)
呉起自身は兵法家の代表的人物だそうです。
後半、何が起こったのか。
探馬軍司候補が北平に2000人もいると知った朱棣は罠をかけることにして、徐達と示し合わせて一芝居打ちました。
その芝居というのは、偵察に行きたいと朱棣が駄々をこね、妙雲の鵞鳥で買収された徐達が同行を条件に偵察を許すというもの。
徐達が北平を空けたことで、探馬軍司は動き出し錦衣衛に捕まりました。
朱棣と徐達が探馬軍司を炙り出すために始めた芝居でしたが、どうやら王志が捕らえられたことで、事態が急展開を見せたようです。
王志は、10話にも出てきていました。
徐達に、北元の侵攻で北平の食糧はあと3月でなくなると報告し、水路が断たれたことについて知りたがっていました。
食糧を管理する王志が探馬軍司だったということで大変な騒ぎになっているのかもしれないですし、
王志は開中法の運用に関与していたらしいので、王志が捕らえられたことで開中法関連の汚職が明らかになったのかもしれないです。
10話で鉄鉉は、鳳陽に開中法は無意味だと言っていました。
北平に遠すぎて食糧が傷むことや、鳳陽の食糧はほとんどが軍屯のもので、”軍屯の食糧は塩と交換しない”と勅旨で定まっていることなどが理由です。
しかし今回、徐達は今食べている米が鳳陽の物だと言っていて、朱棣は箸を止めていました。
鉄鉉の話が本当なら、北平に鳳陽の米が届いているのはおかしいです。
王志は鳳陽の軍屯の食糧を塩と交換するという不正に関与していたのかもしれません。
そういえば、朱亮祖が売国しているとの密告が皇帝の所に届いていましたが、あれはどうなったのか。
まだ、よく分かりません。
なぜ太子があんなに怒っていたのか、なぜ朱棣は鉄鉉に会いに懐遠県に行ったのか。
徐達はなぜ文書の行き来を止めさせたのか。
来週を待ちたいと思います。