永楽帝~大明天下の輝き~ #6 色目の僧 あらすじ
李景隆は、誘われた宴に参加した。
伯雅倫海別は朱棣を護衛に付け夜の街に遊びに行った。
伯雅倫海別の祖父は開封に駐留したことがあり、話を聞いていた彼女は街のことに詳しかった。
涂節は遅れて宴に登場し、食事代の出どころを厳しく尋ねた。
規律を正すことも提刑按察使である涂節の仕事だと言う。
李景隆は自分が食事代を持つつもりだと話した。
そこに姚広孝が鉄鉉を共に連れ食事を求めてやって来た。李景隆は彼らに席を用意した。
伯雅倫海別が気を引いている間に、張玉は仲間と連絡を取った。
朱棣たちが開封を発とうとすると、引き止められた。
色目人は涂節の命令で出門できないという。鉄鉉は色目人だ。
鉄鉉が訪ねた宴の席に涂節がいたが、鉄鉉は捕まらなかった。
そこで出発できることになった。
都に到着すると、姚広孝は劉基に会いに行った。
2人は古い知り合いの様だ。
伯雅倫海別は朱棣に銃を贈った。
朱棣が母の形見の短刀を彼女に返したお礼である。
太子は好物ばかりを用意して朱棣をもてなしたが、朱棣の表情はすぐれなかった。
太子が尋ねると、”鳳陽はすばらしい土地だが朱皇帝が出てから ずっと荒れている”という歌を開封で聞いたことを話した。
朱棣は鉄鉉を太子に会わせた。
鳳陽では公侯が民の田畑を奪い私財としていることや、不満を漏らした者・都に告発しようとした者は皆殺されていることを鉄鉉は語った。
鉄鉉はこの状況に心を痛め都に訴えようとした。
すると、北元の間者として指名手配されたそうだ。
鉄鉉は太子に訴状を提出し、公正な裁きを求めた。
太子は朱暹に鉄鉉を預けた。
鉄鉉は鳳陽の事案に関わる証人であり、鉄鉉に何かあれば朱暹に責任を問うと太子は念を押した。
太子は朱能を昇進させ、朱暹を見張るよう命じた。
朱能は朱棣が皇子だと知り恐縮しつつも、任務に就いた。
涂節から”抜かりはない”という手紙を受け取った李善長は怒っていた。
朱暹の父である永嘉侯・朱亮祖は鉄鉉を殺してはどうかと提案した。
胡惟庸は、太子が朱暹に預けたということは、太子は全て知っており、鉄鉉が死ねば朱暹も殺すということだと話した。
李善長は、3日以内に他の公侯達に謝罪状をださせなければ見放すと朱亮祖に宣言した。
太子から話を聞いた皇帝は、怒りに任せ処罰しようとした。
しかし皇后はなだめた。
この件には開国の功臣のほぼ全員が関わっている上、見て見ぬふりをしたものも加えれば処罰しなければならない数は膨大だ。
処罰は必要だが、どう罰するかはしっかり考えるべきだと皇后は意見した。
太子は朱棣に12弟の世話を任せ、鳳陽の件から遠ざけた。戦場より危険な朝廷の事件に関わらせたくないという配慮である。
皇帝は、期待するなら朝廷での戦い方も覚えさせよと太子に話した。
皇后は徐妙雲に愛用の腕輪を贈った。
その様子を見ていた常氏(太子妃)と呂氏(太子の側室)は意味ありげな表情を浮かべた。
感想
ついに北伐の裏で朝廷で起こっていた大問題が何だったのか、その謎が明かされました。
鳳陽の地で行われている土地の略奪と、それを告発しようとする者達の殺害。
やった人たちは本当に最低だけど、告発しようとした人たちを漠北の間者として指名手配したのは頭いいと思いました。
皇后のセリフによれば、開国の功臣のうち関わっていないのは李善長・徐達・劉基と他数名だけのようです。
李善長は、のんきな手紙を送ってきた涂節に激怒しつつ朱亮祖たちと対策を練っていたので関係しているように思いましたが?
本人は略奪行為に加担していないけれど、皇帝に悪事が知られた公侯から頼られ事後的に加担することになった、というような立場でしょうか?
いずれにせよ、今まで「何の話?」と思いながらも見ていた場面が意味を持って1つに繋がり、めちゃくちゃ面白かったです。
そして1話から見返しました。
そうしたら驚きの連続でした。
何が驚きって、見ていたはずなのに全然見えていなかった自分の脳の残念さに驚きです
まず、1話で藍玉に拡廓の居場所を尋ねられた伯雅倫海別が母の居場所を尋ねる場面。あそこに血のついた短刀がありました。
あれを見て母の身に何かあったと分かったから、伯雅倫海別は母のことを必死に尋ねたんですね。
短刀、見えていませんでした。
そして耿炳文に劣勢を伝えに来た伝令は朱能でした。
1話から朱能が出てたの知りませんでした
事件に関する話が最初に出たのは2話でした。
涂節からの報告を受けた太子が、皇帝に民田の不法占有に5人以上の公侯が関わっていると話していました。
涂節は、この時点では本当のことを皇帝に報告しているんだなぁ…
と一瞬思いましたが、告訴しようとした人や不満を言った人が殺されていることは報告してないですね。
3話で太子は、侍衛親軍の新入り43名中35名が淮西の子弟だったと報告しました。
2話で朱暹は、李善長が”皇帝の警護は淮西出身の子弟の本分だ”と言ったため自分も宮中警護の任についている、というようなことを話していました。
悪いことをしているのを自覚してのご機嫌取り?皇帝の動向を知るため?
さらに太子は 朱暹を昇進させたのは淮西派に警告するためだったと話していました。
昇進=警告!?
4話で、太子は朱暹に李善長を屋敷まで送るよう命じました。
李善長によれば、これは労りではなく、”李善長から淮西で田畑を強奪している者達をしつけろ"という皇帝からの警告だそうです。
朱暹の昇進も警告で労りも警告。
この皇帝の優しさには裏があるんですね。1話で徐達に鵞鳥料理を振る舞っていた場面を思いだしました(笑)
これを受けて胡惟庸は、淮西の公侯らに謝罪状を上奏させることにしました。
皇帝は淮西の武将は叩きましたが、その代わり淮西の文官には飴を与えようと胡惟庸を中書左丞相にしました(4話のタイトル:飴と鞭)。
喜んだ胡惟庸が李善長に忠誠を誓うと言うと、李善長は皇帝から「皇宮に通うのも負担であろう」という声をかけられたことを思い出し、忠誠を誓うのはあくまで皇帝にだと胡惟庸をたしなめました。(この辺りの機微は今も分かりません。)
太子によれば、胡惟庸が選ばれたのは戦の間淮西派をなだめるため。
淮西派は皇帝に自分たちの悪事が知られていると知っている。
追い詰められた彼らは戦を始めるかもしれない。
今は北伐中で都の守りは薄い。
だから皇帝は淮西派の胡惟庸を丞相にし、淮西派が武力に訴えるのを阻止しようとした、ということでしょうか?
その後、皇帝は「昔の仲間が苦しむのも お前(太子)が苦労するのも嫌だ。奴らが分を弁えている限り追究したくはない」と語りました。
この時点の皇帝は、告訴しようとした人々が殺されていることを知らないので、許そうとしていたようです。
5話で朱亮祖は皇帝に謝罪文を提出しました。
内容は田畑強奪は家人がやったことです、管理不行き届きで罰してほしいです、というもの。
皇帝がどうしたいか尋ねると太子は「留め置き」にしたいと言い、皇帝は太子に任せました。
李善長は”もう二度と弱みを握られるようなことはするなと伝えろ”と胡惟庸に言っていました。
なので「留め置き」というのは今の地位のままにしておく、という意味のようです。
こうして見返してきて、やっと鉄鉉があれほど狙われていた理由が分かりました。
鉄鉉が現れるまでは、皇帝も太子も淮西派のしたことは不問にするつもりだったんです。
謝罪文が提出されて終わった話だったんです。
けれど鉄鉉が現れ告発したことで状況は一変した。
皇帝は「死罪にしても足りぬ」と言っていましたし、皇后は開国以来類を見ない大事件だと言っていました。
ところで、視聴者は太子が亡くなってしまうことを知っているじゃないですか?(WOWOWのあらすじ紹介で書かれていた。)
ところが、歴史を知らない私はなぜ亡くなるのか知りません。
そこに、こんなに大事件が起きたことと、淮西派の人達は太子が全部知っていることを知っている状況。
太子の命が狙われるんじゃないかと心配しています。
けれど、それ以上に怖いのが、妙雲が皇后から腕輪をもらった時の常氏と呂氏の反応です。特に呂氏。
あれめちゃくちゃ怖くなかったですか?
なんであんなに意味ある感じの映像になっていたんでしょうか。
女同士の戦い怖いので、お手柔らかにお願いします!