尚食(しょうしょく)~美味なる恋は紫禁城で~ #38 皇帝の親征 あらすじ
呉昭儀の使った香料は呼吸困難や麻痺を引き起こす曼荼羅華の花粉で、部屋から解毒剤が見つかった。
皇帝は裁きの場に大臣たちを呼び出した。
その中には廃后の件で皇帝を批判し続けた張輔もいた。
張輔は謀反を唆しに来た漢王の特使を捕らえ、連れていた。廃后の件含め全ては皇帝と張輔が示し合わせ演じたことだった。
陳蕪は漢王の間者8人を捕らえたことや漢王が都を攻める気であることを報告した。
姚子衿はなぜ漢王の手先となったのか呉昭儀に尋ねた。
すると呉昭儀は、漢王府の奴婢の子として生まれ、家族は今も皆漢王府にいて脅されていることや、後宮にいる間も脅され続け追い詰められたことを告白した。
姚子衿を殺さなかったのは、初めて布団をかけてくれた人だったからだそうだ。
蘇月華は捕らえられた。
殷紫萍は牢に会いに行き、皇帝に命じられ蘇月華を泳がせていたことや、姚子衿の膳もすり替えておいたことを話した。
殷紫萍は王遥清や孟紫澐の恩にどう報いるつもりかと問うた。
すると蘇月華はもう料理はしないと言って自分の手を椅子で何度も殴りつけた。
皇帝は、呉昭儀が怪しいと知りながら部屋に入れた姚子衿に罰を与えようとした。
姚子衿は自分をだまし殷紫萍も利用した皇帝に文句を言った。
皇帝は、何も隠さず本心で向き合ってほしいと言うと、自ら漢王を鎮圧するため出かけて行った。
北京の留守は鄭王と襄王に任せた。
宣徳元年8月1日のことである。
地震の被害に加え謀反もあって、都には難民があふれ食糧難になった。
襄王と鄭王は頼りにならず皇太后は自ら采配を振るった。
皇帝の軍には大臣や側近も参加していた。
袁琦は漢王の間者から”約束を忘れずに”と脅された。
皇太后は後宮の妃達を連れ難民の視察に行った。
食糧はいきわたっておらず、難民は木の根等を食べ腹を壊していた。毒草が含まれていたのだ。
視察中、皇太后は体調を崩し宮中で療養することになった。
姚子衿は皇后と協力し合うことにした。
姚子衿と何氏が庶務を担当し皇后は診療所を担当する。
姚子衿は何氏と視察に行き、米の値段が一石3貫と高騰しているのを見た。
漢王の謀反で船が北上できず食料が届かないため食糧不足が続いているのだ。
姚子衿は、豊かな地方に”都では米の値段が一石4貫だ”と伝えるよう命じた。
そうすれば、利を求める商人が米を持って急ぎ都に来るだろうと見込んでのことだ。
皇后は診療所で自ら治療にあたった。
療養中の皇太后は用意された食事に手を付けなかった。
難民を思って贅沢な粥に手を付けないのだろうと気付いた姚子衿が、今後は炊き出し所の食事を届けると言うと、皇太后は食事を始めた。
この様子を見た方典膳は、食糧難を解決する策があると話した。
かつて孟紫澐は少数の者と無駄をなくすため食料を備蓄していた。
蒸した大根と餅米は泥状にされ、レンガの形にして自然乾燥させ、誰もそれが食料だとは気づかない形にして保存されていた。
感想
全て皇帝の仕組んだことだと判明しました。
今回も殷紫萍は皇帝の協力者になってましたし、前回嫌なおじさんとして登場した張輔も皇帝の協力者でした。
皇帝が言うには、宮中で育った皇帝にはこの程度のことは簡単にできるみたいです。
怖い。絶対に敵に回したくないです。
ずっと謀反のタイミングを計っていた漢王は、我慢できなくなって皇后が妖婦(姚子衿)に追いやられているという噂や皇帝が父親を殺して即位したと言ううわさを流しました(36話)。
それに便乗する形で皇帝は廃后の芝居をし、”謀反のタイミングは今ですよー”とあえて隙を作ったようです。
そうしたら漢王側がそれにちゃんと反応して見事に罠にかかってくれました。
全て皇帝の計算通りに。
これだけ賢い姿を見せられると、きっと袁琦のことや游一帆のことにも気付いているんだろうなぁと思いました。
そして分かっていながらも彼らの良心に訴えかけ、彼らがどういう決断をするか見守っているんだと思います。
呉昭儀が仲間に引き入れたのは袁琦と蘇月華でしたから、残っているのは袁琦だけです。
なぜ呉昭儀が漢王の側についたのか、理由が知りたいと思っていましたが、その理由は漢王に家族の命を握られ脅されているから、というものでした。
呉昭儀も奴婢の子だと知り驚き、今までの性格は演じていたものだと聞いて泣きました。
あの性格好きだったんだけどなぁー。
全てが表沙汰になったことで、これからは何も演じることなくありのままの自分で生きていけるのなら、その方が彼女は幸せですね。
姚子衿は呉昭儀のために命乞いをするつもりだし、皇帝も親征から帰ったらそれを受け入れるつもりっぽいのでひとまず安心です。家族も助けてあげてください。
蘇月華もお縄となりました。
蘇月華は殷紫萍が牢に追い打ちをかけに来たと思っているようでしたが、私は違うように感じました。
才能を持ち、師匠に愛され母に庇われた蘇月華がその才能を捨てるような真似をし、それを惜しんでいるように感じました。泣いていましたし。
もう後悔しても遅い立場の蘇月華は、ライバルが今さらなんなんだ と受け取り、さらに自暴自棄に拍車がかかってしまう形になったのが残念でした。
蘇月華は今までに何度も心を入れ替えるチャンスがあったと思うのですが、そうならず悪い道を突き進んでしまったのが悔しいです。
都は難民が押し寄せ食糧不足なところに頼りになる皇太后が不調と会ってピンチですが、姚子衿と皇后が協力したことや孟紫澐が備蓄しておいた食料のおかげでどうにかなりそう?
皇帝が帰ってくるまで都を女性たちが守る熱い展開です。
そう言えば、今物語は8月なのに、女性たちはフル装備に見えます(暑そう)。
皇太后が体調を崩したのも、そんな厚着してるからじゃないかと日本人の感覚では思ってしまいました。
もしかしたら北京はすごく寒いのかもしれないと思い年間気温を見てみましたが、普通に夏は30度とかになるみたいです。
湿度が低いから日本ほど暑くないというパターンかなと湿度も調べましたが、夏は湿度も高いみたいです。
皇太后さまは、とりあえず脱げばいいと思うよ。
それから硯台はどうなったのでしょうか?おしえてください。