尚食(しょうしょく)~美味なる恋は紫禁城で~ #35 美食の物語 あらすじ

 

 

 

農家の庭を借りて、皇帝・皇后・姚子衿ようしきん瞻埏せんえん游一帆ゆういつはんが食卓を囲んだ。

 

殷紫萍いんしへいは宮中とは違う料理を出し、料理にまつわる故事も話した。

皇后は殷紫萍いんしへいを気に入り、皇帝は坤寧こんねい宮(皇后の宮)付きになるよう殷紫萍いんしへいに命じた。

 

皇帝一行の様子を伺い続けていた賊の集団は、守りが硬いと判断し退却していった。

 

掟では皇后のみが金宝金冊を受け、貴妃きひは金冊だけのはずだが、皇帝は貴妃きひである姚子衿ようしきんに金宝も与えた。

そのことを袁琦えんきは皇太后に話し阻止するよう訴えた。

皇太后は、皇帝の行為を認める判断をし袁琦えんきの目論見は外れた。

 

宮中に帰った皇后は、食欲が戻り殷紫萍いんしへいの料理と物語を楽しんだ。

 

蘇月華そげっかは、坤寧こんねい宮の係を殷紫萍いんしへいに奪われ苛立っていた。

 

 

游一帆ゆういつはんは皇帝に呼ばれ、お忍びの視察に同行するよう命じられた。陵墓の参拝から帰った皇帝は多くの者を罰しており、側近の之虎しこは警戒するよう游一帆ゆういつはんに助言した。

 

皇帝は農村地帯を訪ねると、農夫と話をし農作業を手伝った。

さらに集落で出会った老女の貧しい生活の様子を目の当たりにした。

皇帝は都の流民の数を報告するよう求めたが、皆口をつぐみ隠そうとした。

そのため自ら調査しようと考えたのだ。

 

老女の家で皇帝と2人きりになった游一帆ゆういつはんは暗器を隠し背後から皇帝に近づいた。

すると皇帝は振り返り、游一帆の才能を認める言葉をかけた。

老女が帰ってきて、游一帆は暗器をしまった。

 

殷紫萍いんしへいは毎晩姚子衿ようしきんの所に通っていた。その報告を受けた皇后は、”あの者まで私を哀れむ”と言って憤った。

 

深夜に帰った皇帝を姚子衿ようしきんは出迎え手料理を振る舞った。

 

皇后の食欲は戻ったものの、食べるのは甘いものばかりだった。

そこで殷紫萍いんしへいは他のものも食べるよう進言し料理を用意した。

しかし皇后は不機嫌な様子で一口も食べない。

 

皇后は姚子衿を呼び出し、殷紫萍を連れて帰るよう命じた。

姚子衿ようしきんは皇后と2人で話をすることにした。

 

姚子衿ようしきんは、胡善囲こぜんいを失った憎しみを自分にぶつけるのはやめて欲しいと話した。

すると皇后は、姚子衿さえいなければ と発言した。

姚子衿は皇后が正妃になったことで自分がどんな境遇に置かれたか想像してほしいと訴えた。

 

すると皇后は、幽閉時代にどんなことを考えていたのか尋ねた。

姚子衿は、壁があれば回り道をしよう、努力を続ければ叶うと考えていたことを話し、立ち直りしっかりと生きて欲しいと伝えた。

 

姚子衿が去ると皇后は冷めた料理を食べ、殷紫萍も留任させた。

 

姚子衿は狡猾で知略に長け、皇帝を操っていると噂されていた。

 

皇帝は5000人の子供を都に招いて学ばせるという案を献策した工部尚書に激しい怒りをぶつけた。

すると工部尚書は、内官監ないかんがん(明の宦官組織の1つ)の指示だと告白した。

 

内官監ないかんがんならばお前か」と皇帝に問われた袁琦えんきは、濡れ衣だと言ってひれ伏した…。

 

 

感想

 

 

前半はみなさんの笑顔が輝いて素敵でした。

 

堂々と料理にまつわる話をする殷紫萍いんしへいを、誇らしげに笑顔で見つめる姚子衿。

そんな姚子衿を見る游一帆ゆういつはん

ほんのわずかな間でしたが游一帆の想いを知っていると、すごくときめきました。

 

ドキドキしながら見守っていたら、殷紫萍が游一帆におせんべいみたいな料理(三国時代の兵糧)を差し出しました。

その中には大量の花椒かしょうが入っており、游一帆は咽ていました。

どうやら、殷紫萍の嫌がらせ(仕返し?)のようです。

日本風に言うなら、ワサビを大量に仕込んだ寿司を食べさせたようなものかな、と想像しています。

殷紫萍の度胸に笑いました。

 

姚子衿と2人になると、游一帆は学のない殷紫萍に故事を教えたのはあなただろうと示唆し、姚子衿に無礼だと言われていました。そして、宦官の恨みを買っていることを忠告しました。

心配しているんだよね、と思いながら視聴者は見ていますが、姚子衿に伝わっているのかどうか…。

 

お忍びで出かけた皇帝は自ら稲の世話をしました。

白いシンプルな衣をまとったそのお姿、いつもの5割増しくらいで美しくなかったですか!?(いつも美しいのですが、さらに。)

美しい人は白Tとジーパンでも美しいという話を聞きますが、今回の皇帝陛下も輝いていました。

若君のフリをしていたので表情が優しく感じました。

煩わしいことの多い宮中から離れ自然に触れたからかもしれません。

 

皇帝は貧しく日々の生活に苦しむ人々の姿を目の当たりにし、全ては自分のせいだと自分を責めました。

游一帆はそんな皇帝に皇帝1人のせいではないと声をかけ、暗器を隠しながら近づき…。

游一帆は皇帝を殺そうとしているんでしょうか?

彼のことだからやるなら漢王たちに命じられたとかではなく自分の意思ですよね。

 

皇帝から能力を高く評価され、信頼の言葉をかけられた游一帆はどう思ったでしょうか?

思いとどまってくれるのか。

それとももう無理なんでしょうか。

従弟同士の2人の行く末が気になります。

 

 

皇宮に帰った皇后は殷紫萍の料理を食べて、笑顔を見せてくれました。

ずっと暗い顔をしていた皇后の素敵な笑顔を見られてほっこりしました。

 

ところが、殷紫萍の語る料理の故事は姚子衿の入れ知恵だと知ると途端に不機嫌になってしまいました。

どうやら姚子衿のことが嫌いなのは、姚子衿の存在のせいで自分の不幸があると考えているからのようです。胡善囲を失ったことも含めて。

 

そんな皇后に、姚子衿は自分も皇后のせいで不幸になったことを話しました。

そして前向きに生きるよう伝えました。

 

皇后は姚子衿と話したことで、自分の視野が狭くなっていることに気づいたようでした。皇后は賢い方ですし、立派な皇后になっていただきたいです。

 

前半は皆さんの笑顔があふれていたのですが、後半は不穏な空気に…。

 

まず、蘇月華はかなりのストレスをため込んでいる様子でした。

皇后付きは自分だったのに、その職を殷紫萍に奪われたからです。

 

そして游一帆は皇帝を狙って暗器を。

 

姚子衿はすっかり袁琦えんきに嫌われてしまいましたし、”狡猾で知略に長け皇帝を操っている”などという悪いうわさを流されています。

 

そしてその袁琦えんきは、皇帝の怒りを買い???

 

陵墓参拝では守りが硬いからと帰った賊が、誰の手の者なのかもまだ分かっていません。

 

残りあと5話。

問題がまだまだ山積みですが、一体このお話は どう まとまるのでしょうか?

ラストが全く予想できません。

毎回だいたい、「ラスボス倒してハッピーエンドでしょ?」と予想するのですが、この物語のラスボスは誰なのか。

宦官か、殉葬問題か、漢王たち(游一帆も含まれる?)なのか。

 

歴史に沿った物語なので、1つの問題が解決してもどんどん問題はうまれて大変そうです。

ラスボスなんていないのかもしれないですね。