尚食(しょうしょく)~美味なる恋は紫禁城で~ #36 渦巻く陰謀 あらすじ

 

 

 

袁琦えんきは皇帝に無実を訴えていた。

そこに皇后が現れ袁琦えんきをかばった。

皇帝は激怒し皇后を下がらせた。袁琦えんきは処罰されずに普段の任務に戻った。

 

袁琦えんきは子供の頃から皇帝に仕えていた。

そんな袁琦えんきと皇帝との信頼関係にひびが入ることや、怒りが体に障ることを気遣い皇后は意見した。

しかし皇帝は激怒した。自分が何を言っても無駄なのだと、皇后は心を痛めた。

 

皇帝は風邪を引いた。

 

呉昭儀ごしょうぎは、皇帝が直言した皇后に激怒し媚びへつらう者(姚子衿ようしきんのこと)を大切にしていると皇太后に話した。

 

皇太后は、呉昭儀ごしょうぎと皇后に身を隠させると姚子衿ようしきんを呼び出し話を聞いた。

 

皇后が病弱なため、姚子衿ようしきんは後宮を取り仕切る仕事を1人で担っている。皇太后は、他の妃嬪たちと分担してはどうかと提案した。

 

姚子衿は、本来ならば皇后に権限を戻すべきだが、体に負担があるなら他の妃に補佐をさせてはどうかと提案した。

そして呉昭儀ごしょうぎを罰したいという皇太后から呉昭儀ごしょうぎをかばい、香に詳しい彼女に炉の設計を任せてはどうかと提案した。

 

さらに姚子衿の提案は続く。

宦官に奪われた女官の権限を孟紫澐もうしうんは奪い返したものの、最終的な決定権は皇后が持つ。

しかし六局全てを皇后1人に任されるのでは、負担があまりにも大きい。

そこで、最終的な決定権は皇后に残しつつ、造詣のある妃に各局を任せてはどうかと提案した。

各妃に任務を与えることで後宮の争いを避けようという提案だ。

 

皇太后は提案を受け入れ、任務を立派に果たした妃は昇格させると約束した。

 

姚子衿ようしきんが去ると、皇太后は隠れていた2人を呼び出した。

呉昭儀ごしょうぎ姚子衿ようしきんを偽善者と言い不満の様子だったが、皇太后に叱られると反省した様子を見せた。

 

街では、善良な皇后が狡猾な姚子衿ようしきんに皇帝の寵愛を奪われており、皇帝はしきたりも顧みず姚子衿ようしきんの言いなりだという噂や、皇帝は先帝を殺して帝位についたという噂が流れていた。

 

噂のことを聞いた游一帆ゆういつはんは、我慢できなくなったかん王が流したのだろうと考えた。

 

蘇月華そげっかは游一帆の帰りを待ち、毎晩手を奪われる悪夢を見る恐怖や、手を奪おうとした者(姚子衿)に対する憎しみを語った。

最後に蘇月華は何かを伝えようとしたが、游一帆ゆういつはんは言わせなかった。

 

呉昭儀ごしょうぎは”助けてあげる”と言って蘇月華に近づいた。

 

袁琦えんきは地方に仲間を送り民から搾取しているが、その仲間が戻らず、人目を忍んで皇帝に届く奏上を確認していた。

 

そこに呉昭儀ごしょうぎが現れた。袁琦えんきの悪事を知っていた呉昭儀ごしょうぎは、袁琦えんきを仲間に引き入れると皇帝に飲ませるようにと薬を渡した。

 

硯台けんたい(皇帝の猫)が3日間何も食べない。

姚子衿は皇帝の看病につきっきりである。阿金あきん殷紫萍いんしへいに相談した。そこに皇后が現れ自分が看病すると言って硯台けんたいを連れて行った。

 

皇后は硯台けんたいのために鎮痛薬を作り、”人間は口にしないように”という言葉を添えて殷紫萍いんしへいに渡し餌に混ぜさせた。

蘇月華はその様子を見ていた。

 

姚子衿ようしきんのところに、皇后から中元節の精進料理が届いた。

それを食べ、姚子衿ようしきんは倒れた。

 

回復した皇帝は、皇后を坤寧こんねい宮に幽閉した。

 

皇太后は殷紫萍いんしへいを呼び出した。

殷紫萍は、皇后から託された硯台けんたいの薬がなくなっていたことを語ると、これは皇后と姚子衿を対立させたい者の陰謀ではないかと話した。

 

殷紫萍の的確な考察を聞いた皇太后は、誰に指図されたのか尋ねて…?

 

 

 

 

感想

 

今の皇帝が即位してから、袁琦えんきが悪いことをし始めたのは匂わされていました。

けれど後宮の皆さんの事前の根回しで、まだやりたくてもできていないのかな、と思っていました。

だから姚子衿ようしきんに対する憎しみは、仲間を思ってのことかと…。

ところが、袁琦えんきはもうすでに悪いことをしてしまっていました。

 

そして、呉昭儀ごしょうぎはそのことを知っているどころか、袁琦えんきの悪事の証拠まで持っているようで、袁琦えんきと蘇月華を仲間に引き入れ姚子衿ようしきんを陥れようとしているみたいです。

まさか、あの可愛い呉昭儀ごしょうぎが陰謀を企んでしまうとは…。

 

呉昭儀ごしょうぎ姚子衿ようしきんのようにすごく頭がいいわけでもないし、性格が悪い部分もあることは知っていました。

12話の女子蹴鞠しゅうぎく大会では、活躍する殷紫萍いんしへいにサッカー漫画の悪役がしそうなことをしていて、”この人性格悪いです”と視聴者は気付きました。

けれど、その性格の悪さは、子供っぽい感じ、というのでしょうか。

その場の苛立ちや思いつきで言ってしまう、やってしまう、というもののように感じていたので、陰謀を企むとは思っていませんでした。

 

ところで、その陰謀とは具体的にどんなものなのか。

呉昭儀ごしょうぎは、袁琦えんきに薬を渡し皇帝に飲ませようとしましたが、袁琦えんきはなかなか機会がやってこず今のところ薬を飲ませられていません。

 

皇帝が死んだら、呉昭儀ごしょうぎも殉葬になってしまうから、死ぬような毒ではないのでしょうけれど、最初呉昭儀ごしょうぎは皇帝に毒を飲ませ、それを付きっきりで看病していた姚子衿ようしきんの仕業に仕立て上げようとしたのだと思います。

 

けれど袁琦えんきがなかなか毒を飲ませられない。

そこに、硯台けんたいが病になり皇后が薬を作った、しかもその薬は人間には毒らしいという話を蘇月華そげっかが仕入れてきました。

 

そこで、皇后から姚子衿ようしきんへの精進料理に硯台けんたいの薬を混ぜさせ、全ては皇后を陥れたい姚子衿ようしきんと殷紫萍の自作自演であるという筋書きにしようとしたのだと思います。

 

けれど企んだ人が本来陰謀を企むのに向かない人なので、皇太后には見透かされているようですから、姚子衿ようしきんと皇后が陥れられることは無さそうで安心です。

殷紫萍に指図したのは姚子衿ようしきんでしょうから、もしかしたら姚子衿が倒れたのはお芝居なのかなかもしれないと思っています。

 

呉昭儀ごしょうぎの陰謀に気づいた姚子衿が思いついたお芝居?

 

分かりませんが、あの可愛い呉昭儀ごしょうぎが、こんな悪いことを企んでしまったのにはショックでした。皇太后から叱られて反省したかと思いましたが、叱られたのは姚子衿ようしきんのせいだ!と、さらに姚子衿に対する憎しみを増幅させてしまったようです。

逆恨みはやめてください。あなたは陰謀を企むのには向いていませんから!

 

逆恨みといえば、蘇月華も姚子衿に対する逆恨みが酷いです。

手を奪われそうになったのは、蘇月華が悪事を働いたからで、つまり自業自得なのに、自分が悪いことをしたことは綺麗に忘れて、処罰を下そうとした姚子衿にだけ恨みを募らせるってどいうこと?と、その思考回路が怖くなりました。

 

そして、今回一番心の中で叫び声をあげたのは、蘇月華と游一帆ゆういつはんのシーンです。

蘇月華は、どうやら游一帆ゆういつはんのことが好きなんです。

彼女は恐らく、愛を告白しようとしましたが、游一帆は言わせることなく拒絶しました。

 

その後の蘇月華のセリフは

「分かっていたわ。母親も師匠も親友も全員 幻も同然だった。あなたも同じよね」

です。(左目からだけ涙を流す蘇月華の演技も良かったですよね!)

 

母親・師匠・親友と同列に並ぶ者といったら、恋人ですよね。

蘇月華は恋人のように思っていたけれど、それも違ったと気付いて涙を。

 

そう言われてみればですよ!

20話で蘇月華は当時の皇帝(朱高熾しゅこうし)に色仕掛けをしました。

あれはですね、生娘はたとえ入れ知恵されてもやらないですよね?どうですか?かつて生娘だった皆さん?

 

だから、あれ以前から游一帆と蘇月華は恋人同然の関係があったのではないかと想像しました。

今回、蘇月華は游一帆の家の前で帰って来るのを待っていましたが、それも恋人関係にあれば自然な行動です。

あの短いシーンから、2人のあれやこれやを想像してしまい、頭がてんやわんやになってしまいました。

 

蘇月華は逆恨みばかりして母親に命懸けで助けてもらっても全然心を入れ替えない嫌な女の子だと思いつつも、彼女の不幸具合には同情を禁じ得ません。

もちろん、不幸ならば他人を陥れることや犯罪行為が容認されるわけではありませんし、人間関係に恵まれないのも自業自得なのかもしれませんが。

 

今一番願っているのは、硯台けんたいが回復してくれることです。猫は1日でもご飯を食べないとマズいです。それが3日だなんてえーん

硯台けんたい、早く元気になってえーん