尚食(しょうしょく)~美味なる恋は紫禁城で~ #34 民の苦しみ あらすじ

 

 

 

皇帝・朱瞻基しゅせんきは、游一帆ゆういつはんを呼び出し、先帝に迎合し民を苦しめたという噂があることを問いただした。

 

游一帆ゆういつはんは、噂では善悪の判断はできないはずだと言って汚職官吏の名簿を差し出した。

 

皇帝は汚職官吏を一人残らずとらえ斬首にするよう命じた。

 

游一帆ゆういつはんはすれ違いざま姚子衿ようしきんに声をかけ、昔のことで恨み皇帝の前で貶めるのはやめるよう言った。

姚子衿ようしきんは、游一帆ゆういつはんが皇帝の前で見せるのは偽りの姿ではないかと問うた。

皇帝の性格に合わせて振る舞っているだけだと游一帆ゆういつはんは話した。

そばで2人の話を聞いていた游一帆ゆういつはんの側近・之虎しこは、姚子衿ようしきん游一帆ゆういつはんを目の敵にしているように感じた。

 

梅少淵ばいしょうえんが匂い袋を腰に付けているのに気づき、姚子衿ようしきんは話を振った。

恩師の娘と結納を交わし、匂い袋をもらったのだと梅少淵ばいしょうえんは話した。給仕をしていた殷紫萍いんしへいは、その話を聞いた。

 

皇后が料理に全く手を付けず、蘇月華そげっかは頭を悩ませていた。風邪は癒えたが食欲が戻らないそうだ。

 

孟紫澐もうしうんの意思を継ぎ、汚職に立ち向かおうと決意した姚子衿ようしきんは、袁琦えんきのいる前で皇太后に汚職の実態を報告した。

 

袁琦えんきを通じて宦官に釘を刺せればいいと考えてのことだ。それに袁琦えんきを失えば皇帝は悲しむだろうから、袁琦えんきに自制を促す意図もあった。

 

殷紫萍いんしへいは姚子衿を訪ね、汚職に取り組み始めたことで多くの者に恨まれていることを伝え気を付けるよう助言した。そして、皇后の食欲不振について相談した。

 

姚子衿ようしきんは民間のおかずを試してはどうかと話した。

 

皇帝は後宮の妃たちを引き連れ、陵墓へ参拝に向かった。

皇帝一行の隊列を各地の民は歓迎した。

そんな隊列の様子をうかがう怪しい男たちの姿があった。

 

途中、皇帝は立ち寄った農家で本物の農家の味だという軽食を食べた。

しかし姚子衿ようしきんはそこで出されたのは先回りした光禄寺こうろくじが用意したものだと気付き皇帝に伝えた。

 

皇帝の弟・瞻埏せんえんえい王)がいなくなり、皇帝は秘密裏に捜索に向かった。

すると男装した姚子衿ようしきんがついてきた。武術の腕前を披露すると、皇帝は姚子衿の同行を許した。

 

瞻埏せんえんは山間の池で遊んでいるところを発見された。

 

全ては、皇帝に民の真実の姿を見せたい姚子衿ようしきんと、兄の愛を確かめたい瞻埏せんえんが手を組んで計画したことだった。

 

皇帝は、災害で流民となった者達が山道を進む姿を見て心を痛めた。行く先々で出会った民は、すべて用意されたものだったと知った。

 

食事をしようと農家に戻ると、皇后が待っていた。

出来上がった鶏粥を皇后は1口だけ食べた。

 

 

 

 

感想

 

情報が盛りだくさんの回でした。

 

今回分かったのは、

・姚子衿は游一帆ゆういつはんに裏の顔があるのを分かっているらしいこと。

・皇后に食欲がなく、尚食局の皆さんが困っていること。

梅少淵ばいしょうえんに婚約者がいたこと。

・姚子衿は孟紫澐もうしうんの意思を継ぎ、汚職官吏問題に取り組み恨みを買っていること。

・先祖の陵墓参りをする皇帝一行を待ち受けていたのは、作られた民の姿だったこと。

・怪しい男たちが皇帝一行を狙っていること。

 

まずは、梅少淵ばいしょうえんに許嫁がいたことが地味にショックでした。

誤解も解け、尚食局で着々と出世している殷紫萍いんしへいといい感じになるのでは?と期待していたので残念です。

 

ところで、許嫁にもらった匂い袋が、殷紫萍の作ったものに似すぎていて驚きました。

殷紫萍の作ったものは32話で出てきたこれです。

拷問を受ける演技中、姚子衿に「燃やして」と言って差し出していました。

姚子衿は片側だけしか刺繍してくれず、自分でやった側の出来はひどくてとても贈れないと言っていました。

 

梅少淵が許嫁にもらったと言って持っていたものがこちらです。

 

比べてみましたが、よく見ないと違いが分からないほど似ています。

なので、比較してみるまでは殷紫萍が渡したものではないかと微かに期待していました。

けれど、比較してみると違いがありました。

刺繍が違いますし、許嫁が作った方には玉飾り(?)がないように見えます。

ただ、片側しかわからないので、ワンチャン殷紫萍が作ったもの、という可能性も全くないわけではない…かも???

 

それにしても、これほど似るとは…。

色はいつも梅少淵が着ている衣に合わせたのだとして、図柄まで似るとは。

流行りの図柄でしょうか?

 

 

姚子衿はあえて袁琦えんきの前で皇太后と汚職の話をしていて、賢いなと思いました。

皇太孫時代からずっと側にいた袁琦えんきが罪を犯せば、皇帝が傷つくと考え釘を刺したのでした。

袁琦が自重すれば、他の宦官たちも自重するだろうという思惑もあります。

 

姚子衿は皇后の期待通り、苦しむ民のありのままの姿を皇帝に見せました。

この役割は、どうやら姚子衿など限られた人にしかできない役割のようです。

 

臣下が流民がいることを皇帝に伝えれば、それは皇帝批判と取られてしまうらしく(皇帝の徳が足りないから天災が起き、民が苦しんでいると言っていることになってしまう?)、臣下は本当のことを言えないそうです。

立派に役割を果たしましたが、皇帝は流民の姿に心を痛め姚子衿を置いて先に帰ってしまいました。

でも分かってくれているはずです。

 

今までどんな料理も一口も食べられなかった皇后が、鶏粥は1口たべられました。

姚子衿の読み通り、民の食事なら食べられるでしょうか?

早く良くなってくれるといいです。

 

陵墓に向かう皇帝一行を怪しい男たちがつけていて、タイミングをうかがっています。

彼らの標的は誰なのか。

黒幕がかん王たちなら皇帝が狙われているでしょうが、汚職に取り組み始め恨みを買い始めた姚子衿を狙う輩もいそうなので心配です。

 

姚子衿は馬に乗って弓矢も扱えると判明しましたので、やろうと思えば姚子衿も仁孝じんこう皇后のように出陣できるのかもしれません。

怪しい男たちと姚子衿さんが戦う展開もあり得ますか?

一体彼女はどこまでオールマイティーなのか。

17歳までの間にこれだけのことを身につける教育と、それに耐えた姚子衿さんに脱帽です。