尚食(しょうしょく)~美味なる恋は紫禁城で~ #33 沈黙の理由 あらすじ

 

 

 

妃嬪たちは、誰が姚子衿ようしきんの口を開かせることができるか賭けをし、永寧えいねい宮を訪ね始めた。皇帝が訪ねたことで、姚子衿の機嫌を取り始めたのだ。

 

しかし姚子衿ようしきんは一言も話さなかった。

 

宣徳せんとく元年4月、かん王がちょう王に頻繁に使いを送り始めた。

游一帆ゆういつはんは、かん王に唆されれたちょう王がどう動くか分からないと報告したが、皇帝はちょう王に野心はないだろうと考えた。

 

陳蕪ちんぶは、姚子衿がかつて彭城ほうじょう伯府に半年間幽閉されていたことを皇帝に報告した。

 

尚宮しょうきゅうとなった孟紫澐もうしうんは、宦官の粛清をはじめたことで反感を買っていた。

 

皇太后は姚子衿を呼び出し、仁孝じんこう皇后の話をした。仁孝じんこう皇后は私欲を捨て国のために武器を手に取り戦い民を慈しんだ。皇帝の愛や己の名声など気にせず国に身を捧げた。

 

皇太后は、ずっと朱瞻基しゅせんきを側で支え愛し悟らせてくれる女子おなごを捜していた。そんな時見つけたのが姚子衿だった。皇太后は、恨むのは自分だけにするよう言った。姚子衿は一言も話さなかったが笑顔を見せた。

 

姚子衿ようしきん殷紫萍いんしへいにたのみ、ぴったりと閉じた貝を皇帝の食卓に並べた。

 

それを見た皇帝は、姚子衿が話せないのだと気付いた。

 

皇帝は永寧えいねい宮に行き、せい侍医に姚子衿の容態を診させた。気持ちが沈んでいることが原因だとせい侍医は診断した。

 

皇帝は禁足のせいで幽閉されていた頃のことを思い出し口が利けなくなったのだと分かり、謝罪した。

 

話せないのだと知った殷紫萍いんしへいは、自分が騙したせいで信じられなくなり打ち明けてくれなかったのだろうと言って泣いた。

姚子衿ようしきんは、宮中に入る前から恐怖を感じると時々症状が出たことを話した。

そして、今までやってこられたのは頑張る殷紫萍を支えたいという気持ちがあったからだと言って感謝の気持ちを伝えた。

 

誰にも伝えなかったのは、話せない妃が後宮にいたら皇帝に迷惑がかかると思い、怒っていると思われていた方が良いと判断したからだった。

皇太后も1人の母親であり無敵ではないのだと知り、話せるようになったそうだ。

 

姚子衿ようしきんは猛尚宮しょうきゅうを呼び出し、蘇月華そげっかを処罰すべきと話した。

蘇月華そげっかと手を組み姚子衿ようしきんが黒幕だと証言した者が白状したのだ。

 

孟紫澐もうしうんは、全てを教えた自分が責任を取ると言って自分の指を斬り落とすと、蘇月華そげっかにやり直す機会を与えるよう訴えた。

 

孟紫澐もうしうん尚宮しょうきゅうの任を辞した。

 

ほう典膳は孟紫澐もうしうんを母のように慕い、蘇月華そげっかに償わせるよう訴えたが、孟紫澐は、全て自分のためなのだと話した。宦官の粛清に着手したものの難航し責任を感じている様子がうかがわれた。

 

游一帆ゆういつはんは皇帝に贈り物をし、皇帝はそれを姚子衿ようしきんに見せた。

游一帆ゆういつはんがこれまでに仕えた2代の皇帝に献上したのは、いずれも天下の至宝だった。

それに比べて今回の贈り物は見劣りする。

姚子衿ようしきんがそう話すと、皇帝は游一帆ゆういつはんを呼び出した。

 

 

 

感想

 

前回、禁足から3か月が経過しました。

そして今回雪が降り、4月になりました。

どうやら姚子衿は半年以上一言も話さないまま過ごしていたようです。

 

なぜ話せないことを誰にも伝えなかったのかといえば、今までにも こうなることは何度もあったため ある意味慣れっこだったことと、後宮に話せない者を置いているとなれば、皇帝が誹りを受けるかもしれないから。

それならば自分が怒っているということにしておいた方がいいと考えてのことのようでした。

 

尚食局に入ってから失声症(?)にならなかったのは、殷紫萍のおかげだったという話を聞き、2人の友情に涙しました。

 

話せるようになったのは、皇太后が思っていたよりも恐ろしくないと思えたからのようです。

無敵に見える皇太后も、息子が自分よりも人(祖母)に懐いたことに気をもんだという話は、確かにちょっと可愛かったです。

そして仁孝じんこう皇后ってどんな人なんだ?と興味を持ちました。

武人系でしょうか?

 

今回の話を見ると、姚子衿を幽閉したのは皇太后だったと見えるのですが、22話では、姚子衿が皇太孫妃に選ばれなかったことを父が責め、彭城ほうじょう伯府に送って幽閉したと話していました。冒頭、会いに来た兄に姚子衿が対応している場面です。

 

なので、姚子衿を幽閉したのは実の父なのだと思っていました。

けれど、本当に幽閉したのは皇太后!?ということのようです。

彭城ほうじょう伯府自体、皇太后の母親・彭城ほうじょう伯夫人の住んでいるところだと思われるので、姚子衿の父よりも皇太后の言うことを聞きそうです。

 

その理由は何なのか、皇帝は皇太后に問いただそうとしましたが姚子衿は止めました。

新たな謎が生まれました。

 

そんなこんなで、姚子衿はこれまで皇太后に対して恐怖心を持っていたそうです。

そんな、畏怖の対象である皇太后であっても、自分が正しいと信じれば立ち向かえる姚子衿さんはすごいな、と思いました。

皇太子妃になるよう言われた時も断っていましたし、かく貴妃きひの殉葬のことでも皇太后に盾つくことになると分かっていても策略を巡らせました。

 

そういう信念を持っているところは、本当に立派です。

 

 

皇后錯乱事件について、皇后が尚食局のせいではないと話したことで無罪放免になったかと思われた蘇月華そげっかでしたが、ついに断罪されることになりました。

仲間に引き入れた尚食局の玉膾ぎょくかいが白状したのでした。

 

玉膾ぎょくかいは、姚子衿ようしきん殷紫萍いんしへいと組んで皇后を害しようとしたと皇太后に訴えましたが、姚子衿が先回りしていたことで捕らえられました。(31話)

 

今まで孟紫澐もうしうんに愛を求め続け、そのたびに蘇月華そげっかは苦い思いをしてきました。けれど、本当に蘇月華そげっかの身に危険が迫った時、孟紫澐は助けてくれました。

自分の指を斬ってネガティブ

今度こそ、蘇月華は改心して生きて欲しいです。

もう游一帆ゆういつはんと関わるのはやめて料理一筋でお願いします。

 

その游一帆ゆういつはんはといえば、かん王の実の息子だけれど、ちょう王に育てられたという複雑な生い立ちです。

游一帆ゆういつはんは、かん王がちょう王を引き入れ謀反を企んでいるのではないかというような話を皇帝の耳に入れました。

それに対して皇帝は、ちょう王を信じる話をしました。

 

これは、游一帆ゆういつはんが(義)父たちのために、皇帝の気持ちを探っているということでしょうか?それとも本当に遭ったことを報告しているのでしょうか?

 

游一帆ゆういつはんは誰の味方で、何を考えているのか。

姚子衿ようしきん游一帆ゆういつはんの贈り物がしょぼいことを皇帝の耳に入れましたが…??

 

仁孝じんこう皇后に興味が沸いたので、1月4日からWOWOWで始まる「永楽帝~大明天下の輝き~」を見てみようかな、という気持ちになっています。