尚食(しょうしょく)~美味なる恋は紫禁城で~ #30 中秋の夜 あらすじ

 

 

 

 

 

毎年中秋節には後宮の女性たちが皇帝に月餅を届け、皇帝はその中から気に入ったものを選ぶことになっている。

しかし今年は皇后・胡善祥こぜんしょうが月餅を届けないと決めたため後宮の女性たちは遠慮し、誰も月餅を届けなかった。

 

皇帝・朱瞻基しゅせんき姚子衿ようしきんから月餅が届かず苛立った。

袁琦えんきは、今年は皇太后以外月餅を届けないと決まったと話し、皇帝をなだめた。

 

姚子衿ようしきんかく貴妃きひの殉葬に口出ししたことで皇后に疎まれ、未だに位が決まらず妃嬪たちからも遠ざけられていた。しかし本人は気にしていない様子だ。

 

皇帝と皇太后を囲み後宮の女性たちが集まり中秋節の宴が始まった。

 

殷紫萍いんしへいは行軍に便利な携帯食を作り、誉められ尚食代理に任じられた。

 

姚子衿ようしきんは なれ寿司の蓮の葉包み を作った。

蓮の料理は皇帝の好物のはずだが、皇帝は季節外れだといって姚子衿ようしきんを叱責すると、そのまま立ち去った。

 

 

姚子衿ようしきん呉昭儀ごしょうぎ(元呉才人ごさいじん)を罠にかけ、風邪をひかせた。

 

聞き覚えのあるしょうの音に惹かれ、姚子衿ようしきんは奏者を確かめに行ったが、誰もいなかった。しょうを奏でていたのは游一帆ゆういつはんだった。

 

姚子衿ようしきんの立ち去った場所には、水で親子の絵が描かれていた。游一帆ゆういつはんは絵を見て、家が恋しいのだろうかと考えた。

 

姚子衿ようしきん呉昭儀ごしょうぎを見舞い、謝罪すると泊まり込んで看病した。

 

皇帝は、どうすれば女子おなごを喜ばせることができるか游一帆ゆういつはんに相談した。

游一帆ゆういつはんは、冷たくした後 優しくしてはどうかと助言した。

 

游一帆ゆういつはんの言葉を受けて、皇帝は風邪を引いた呉昭儀ごしょうぎの見舞いに行った。

すると、呉昭儀しょうぎが姚子衿と一緒に寝ていた。

「朕を怒らせる気だな」と言って皇帝は足早に出ていった。

 

皇后に届けられる薬膳の味が毎日変わり、皇后から尚食局に苦情が届いた。

担当の雪蘆せつろは、処方通りに作っていると訴えた。殷紫萍いんしへいは、皇后の膳を自ら確認することにした。

 

皇后は具合がよくない様子だった。

 

皇帝はかく氏を匿い皇太后に意見し怒りを買ったことを反省させるため、姚子衿に冷たくしようと決意していた。

そのため皇帝は他の妃達と碁を打ったり、琵琶を奏でさせたりしたが、誰といても姚子衿ようしきんのことを思い出してしまい苛立った。

 

皇帝は永寧えいねい宮を整えさせ、新しい住まいとして姚子衿ようしきんに与えた。

 

永寧えいねい宮は歴代皇帝の寵姫が使ってきた。ここを与えられるということは、皇帝に大切にされていることを示している。

 

しかし姚子衿ようしきん永寧えいねい宮に移らなかった。

ここに住んだ荘妃そうひかく氏も末路は悲惨だったからだ。

 

陳蕪ちんぶは姚子衿に考え直させるため、皇帝が冷遇しているのには理由があることや、自分が中秋節にいなかったのは姚子衿の母の墓を修繕し、親族を故郷に帰らせるよう命じられた為だったことを話した。

 

皇帝の所に報告に戻った陳蕪ちんぶは、姚子衿が喜んでいたと伝えたが、皇帝は信じなかった。

 

 

感想

 

今回は皇帝と姚子衿の意地の張り合い回、と見せかけた呉昭儀ごしょうぎ回です。

呉昭儀ごしょうぎの可愛さが炸裂していて にやにやしながら見ました。

 

その可愛い呉昭儀ごしょうぎを姚子衿は罠にかけ、そのせいで呉昭儀ごしょうぎは風邪をひいてしまいました。

 

最初見た時には、姚子衿が罠をかけた意味が全く分かりませんでした。

どういうこと???

と、頭の中に?が浮かび戸惑いました。

姚子衿さんがやることはすべて計算されているはずだと自分に言い聞かせて2回目を見て、やっと意味が分かりました。

 

呉昭儀ごしょうぎを罠にかけた結果どうなったかというと、姚子衿は呉昭儀ごしょうぎの所に泊まることになりました。

つまり、姚子衿はどこかに泊まりたくて罠をかけたのだと気付きました。

 

呉昭儀ごしょうぎのために作った粥は、”炭火で温め明け方に取り出す。温めすぎ厳禁”という管理の難しいお粥でした。

そのため、呉昭儀ごしょうぎは粥の世話のため姚子衿を泊まらせました。

この面倒くさいお粥を作ったのは姚子衿なので、あえてこのお粥を作ったことからも、姚子衿は泊まりたかったんだと思います。

 

それは何のためかと言うと、皇帝に会いたくないからなのかな、と思いました。

誰かの所に泊まれば、皇帝が姚子衿の所に夜やって来るのを避けられます。

前回の最後、皇帝の言葉に拗ねて反発していたので、あれがまだ継続中なのでしょう。

 

皇帝にあてつけるために誰かに風邪をひかせる姚子衿ようしきんさん。怖いです。

けれど、そのおかげで可愛い呉昭儀ごしょうぎの寝姿を見ることができました。

すぐに上掛けを剥いでしまい、最後にはぐるぐる巻きにされていたのは面白すぎました。

 

意地を張ってる割に、中秋節の宴では皇帝の好物である蓮の料理を作ったりして、そこでもまた混乱したのですが、これは皇帝の心を試しているのかな、と思いました。

 

皇帝が喜べばこちらも態度を軟化させるし、そうでなければ まだまだこっちも意地を張るよ、という具合に。

 

皇帝は姚子衿に反省させるため彼女を避け他の妃達と会いました。

姚子衿は他の妃達に碁や楽器を教え、呉昭儀ごしょうぎには愛用していた柑橘香のブレスレットをプレゼントしました。

そんなわけで、皇帝は誰と会っても姚子衿の影がチラチラしてしまい、会いたくなってしまい大変そうで、そこも可愛かったです。

 

皇帝は難しい女子を喜ばせる方法をなぜか游一帆ゆういつはんに相談し、冷たくしてから優しくするという方法を伝授されました。かく氏もこれで従順になったと。

 

なぜ游一帆ゆういつはんなのか。

もしかして宮中では游一帆ゆういつはんは女心を知る人間として名を馳せているのでしょうか?プレイボーイ?モテモテ?

それとも単に牽制か皇帝が相談相手を間違っただけか。

 

姚子衿は游一帆ゆういつはんしょうの音に聞き覚えがあるようです。

もしかして昔 姚子衿が幽閉されていた時、外で游一帆ゆういつはんしょうを吹いていたのでしょうか?

姚子衿ようしきん游一帆ゆういつはんがあの時のあの人だって気づく日が来ますか?

 

皇后の具合が悪そうです。

口を押えていることが多かったので、もしかして妊娠!?と思ったのですが、そうではなく本当に具合が悪そうに見えます。

大丈夫でしょうか?

殷紫萍いんしへいが皇后の膳に責任を持つと宣言してしまったので、皇后に何かあれば殷紫萍いんしへいが責められることになりそうで心配です。

 

袁琦えんきは早くも皇室財産のかすめ取り(?)横領(?)に手を染め始めました(?)が、皇太后や皇帝はこういった輩がいることを見越し、倹約を推奨して目論見を潰しました。

 

代々の皇帝の側には汚職宦官がいて、その人たちの汚職は皆気付いているけれど、皇帝に遠慮して&関与者多数につき誰も意見できませんでした。

この皇帝の御代ではどうなのか。見守っていきます。