尚食(しょうしょく)~美味なる恋は紫禁城で~ #31 疑惑 あらすじ
姚子衿は友好的な態度で行雲草舎にいる皇帝・朱瞻基を訪ねた。
皇帝は、祖訓である殉葬に抗議した態度は皇太后から見れば嫌がらせに見えただろうと言って姚子衿を責めた。
祖訓では後宮は政治に口出しできないことを例に出し、皇帝が皇太后の言いなりになるべきではないかと姚子衿は話した。
外では無理でも 行雲草舎の中でだけは、対等でいたいと姚子衿が話すと、皇帝も分かってくれた。
皇后・胡善祥は夜になると錯乱し、昼は夜のことを覚えていなかった。そのことを知った皇太后は、自分が追い詰めたのだろうかと考えた。
姚子衿は貴妃の位を授かった。
殷紫萍は姚子衿に教えてもらって作った刺繍入りの巾着を持って梅少淵が通りかかるのを待っていた。そこに宮正司がやってきて殷紫萍は捕らえられた。
皇后が病だと聞いた姚子衿は後宮の妃達とお見舞いに行ったが、休んでいるからと言われ皇后には会えなかった。
帰り道、姚子衿の乗る輿を方典膳が止め、皇后の病の原因が薬膳だと疑われ殷紫萍が連れて行かれたと言って助けを求めた。
本来であれば方典膳は孟紫澐に訴えるはずであるのに、なぜ自分に助けを求めるのか疑問に思い尋ねると、孟紫澐がこうするよう指示したと言う。
侍医は肉豆蔲粥が皇后の病の原因だと考えており、粥を作った殷紫萍は姚子衿の友だ。
姚子衿はかつて八珍糕の件で皇帝に危機が迫った時、大根の煮汁で薬効をやわらげたことがある。
そのことで姚子衿は薬に詳しいと言う話が有名になっていた。
全てを考え併せ、何者かが自分を黒幕にしようとしていると思い至った。
姚子衿は皇太后を訪ね謝罪すると、助けを求めた。
そこにこの件の証人を連れた孟紫澐がやってきた。
姚子衿が身を隠し話を聞いていると、証人は姚子衿が殷紫萍と組んで皇后を害するのを見たと話した。証人は尚食局のかつての同僚だった。
皇太后は証人を捕らえさせた。
姚子衿は尚食局内部に今回の件の原因があると孟紫澐に話した。
永寧宮に帰った姚子衿は、阿金に指示を出した。
皇帝に配膳した蘇月華は、殷紫萍が皇后を害するはずがないと言って殷紫萍の無罪を訴えた。
蘇月華の訴えを聞いた皇帝は、皇后の事件に関する者を鎮撫司の獄(どんな罪人も口を割る牢獄)に送るよう命じた。
皇帝は永寧宮に行き、姚子衿に話すよう促した。皇帝は皇后の件で何か言いたいことは無いか聞きに来たのだと思われたが、姚子衿はその件については話さず、病の皇后を見舞うよう言った。
孟紫澐は蘇月華を呼び出し、殷紫萍を蹴落とすために今回の件を仕組んだことを責めた。
蘇月華は全て家族を捨てた孟紫澐のせいだと言って開き直り、バラせば親子関係を暴露し黒幕を孟紫澐に仕立てると話した。
蘇月華は皇后を訪ね、情に流されず錯乱のフリを続けるよう説得した。
肉豆蔲の果実は皮と実からなり、皮に幻覚作用があるため注意が必要だ。
尚食局では皮を取り除いて粥を作っており、そもそも司膳司の処方通りに薬膳を作っている。それなのに皇后は錯乱した。
皇后が錯乱したことを確かめたのは皇太后であるため、誰もそのことに反論できず慎重になっている。
姚子衿は自ら肉豆蔲粥を食べてみることにして…?
感想
前回永寧宮が気に入らないと言っていた姚子衿ですが、結局は永寧宮にお引越ししたみたいです。
意地の張り合いをしていた皇帝とも姚子衿の側から歩み寄り、少し良い状態になったような。
姚子衿が巾着を作っていると言う話を聞いた皇帝は上機嫌で袁琦を許していましたが、たぶんその巾着は梅少淵さんのヤツー
巾着を持って梅少淵さんを待っている殷紫萍は可愛かったですが、目当ての人に会えないまま囚われてしまいました。
そしてすべてを仕組んだのは、どうやら蘇月華と皇后のようです。
蘇月華は殷紫萍を排除するため、皇后は姚子衿を排除するため、互いに手を組んだ様子。けれど皇后は心の優しい方なので、すでに辞めたい気分になっているっぽく、黒幕2人が仲違いをする未来も近いかもしれません。
それにしても蘇月華が、後宮を巻き込む陰謀を企むようになるとは…。
彼女のこれまでの軌跡を見てきました。
18歳で尚食局に入り(年齢は4話)、孟紫澐には母ではないと拒絶され(2話)、慕った師匠・王遥清は胡善囲に殺され(20話)、皇帝に色仕掛けをし(20話(20話)師匠を殺した胡善囲を殺し(…てはいないけれど?23話)、游一帆と手を組み…。
漢王妃の件では単に游一帆に利用されていただけの蘇月華でしたが、それ以来しょっちゅう一緒にいます。色仕掛けは游一帆に入れ知恵されたことでしょうし。
姚子衿と仲良くなりたい、母に会いたいと思っていた純粋な少女が皇宮で揉まれ怪しい男に利用され、利用し、どんどん染まっていく様子が蘇月華を通して描かれています。
胡善祥は皇帝に冷たくされ、皇太后から期待されている子供も授かれていない。だけど彼女は皇后だし、当初胡善祥が後宮に入った目的は一族の目論見を阻止するためでした。だから皇帝に冷遇されるのはある意味当初の目的通りといえなくもないはず。
それなのに、なぜここに来て姚子衿が憎くなってしまったんですか!?
自分と違って皇帝の心をかき乱す姚子衿が憎いんでしょうか?
蘇月華も胡善祥も皇宮に住む魔物に魅入られてしまった!?
ドラマを見ていても後宮がどういう所なのか、いまいちわからない(実感として想像できる範疇を越えている)のですが、恐ろしい所なんだなぁというのは、この物語を見ていると伝わってきます。
皇帝に冷遇されようと、他の妃に嫌味を言われようと、美味しいものを食べて綺麗な着物を着て気楽に楽しく後宮生活をしている妃というのはいないのでしょうか?
時間もたっぷりありそうだし、芸術や学問を究めるのにはいい場所って感じがします。
そういう人もいて欲しいものです。
今回、梅少淵さんは地方官吏の考課について皇帝と話し合いました。
今、地方官吏の考課(適性判断)が行われており、不適正とされた者がいるようです。
けれど、考課は3度、9年かけて行われることになっており、今回不適正とされた者も罷免できるのは9年後というのが、今の制度です。
皇帝は不適正者(民を苦しめている者のようです)を今すぐ罷免すべきという考えで、それに対して梅少淵さんはこれが古くからの慣例だと反論しました。
すると、皇帝は慣例を改めるよう命令を出しました。
慣例も改められるなら、祖訓もいつか改められる日が来るといいですね。
皇太后が皇后錯乱の証言者なので、皇后錯乱が本当なのかどうかということについて誰も切り込めず、このままでは姚子衿が黒幕ということになってしまいます。
そこで姚子衿は、自分で肉豆蔲粥を食べ、お粥に問題がないことを証明しようと考えているようです。
次回、どうなるのか。
殷紫萍が梅少淵さんに巾着を渡せるといいなぁ。