赤い袖先 第8話 あの日の思い出 あらすじ
「お前の全ては私のものだ」と言うと、サンは書庫から出ていった。
ドギムの友人・ヨンヒの師匠であるパク尚宮は世孫に渡すものがあると言って、包みを抱えてヨンヒを訪ねてきた。
留守のヨンヒに代わり、ドギムは脚の悪いパク尚宮に付き添った。パク尚宮は、思悼世子の保姆尚宮だったそうだ。
ところが途中で出会った提調尚宮が、パク尚宮の包みを取り上げてしまった。
ホン・ドンノは同徳会に御医を同伴し、王様が呆病(認知症)であると報告した。
提調尚宮はドギムを呼び、世孫の側室となって700人の宮女を守って欲しいと頼んだ。ドギムは世孫は世子のようにはならない、信じるようにと伝えた。
提調尚宮の部屋には血まみれのパク尚宮が監禁されていた。
突然、監察尚宮による査察が入った。提調尚宮が脅しの材料を探すために手配したのだ。
ドギムの机から朠嬪の遺品である「女範」が見つかり、ドギムは王室の財物を盗んだとして連行された。法律に照らせば、王室の財物を盗んだ者は打ち首だ。
ドギムは、「女範」は王様から下賜されたもので、王様が証人だと王妃に訴えた。
サンは王様を宮女のたに煩わせることはできないと言って、これまでのドギムの功績に免じ流刑処分にするよう王妃に頼んだ。
王妃はドギムの頼みを受け入れ、王様の所にドギムを連れて行ってくれた。
しかし王様は当時のことを覚えておらず、ドギムを断筋刑(足の腱を切る刑罰)に処そうとした。
サンはドギムをかばい、王様に思い出すよう頼んだ。ドギムは王様の前で朠嬪の亡くなった日のことを話した。
王様は思い出し、ドギムが達筆な宮女になりたいと言ったから、達筆だった朠嬪の書を与えたのだと言った。
ドギムは無罪放免となった。
サンはドギムに、朠嬪の亡くなった日、ドギムは1人ではなかっただろうと言った。
ドギムは、なぜサンがそのことを知っているのか不思議に思った。
王様は密かにサンの側近たちを集め、これから待ち受けている重大事を必ずやり遂げるよう命じた。
無事戻ってきたドギムの部屋に、宮女たちが泊まりにきた。
いつもの仲良し4人組の終結だ。
そこでヨンヒはパク尚宮から聞いた物語を話した。月の宮殿広寒宮に住む姮娥と呼ばれる仙女たちが、地上に立派な王様をみつけ、王様に仕えるという話だ。
その頃、提調尚宮も広寒宮(宮女の秘密結社)の集会で、同じ物語を話していた。
そこに簀巻きにされ拉致されたソ尚宮(ドギムの師匠)が運ばれてきた。
ドギムを抱き込むための提調尚宮の策略のようだ。
提調尚宮はソ尚宮に連判状に手判を押すよう命じた。
ソ尚宮はその場の圧力に逆らえず、手判を押し、広寒宮の一員となった。
提調尚宮は監禁されているパク尚宮に会いに行った。
パク尚宮は血まみれで、世子が乱心したのは提調尚宮のせいだと叫んだ。
さらにパク尚宮は、提調尚宮が世子を憎む理由についても言及した。
提調尚宮は取るに足らぬ低い身分の王子を王様にした。
王様は提調尚宮を自分の女にすると約束したが、即位するや否や提調尚宮と一番仲の良かった朠嬪を妃にした。
だから、朠嬪の息子の世子を憎むのだろう、と。
提調尚宮は怒りを露わにしたが、宮女を守るのが自分の誓いだと言って、殺すのを思いとどまった。
ヨンヒによれば、パク尚宮は子供用の揮項(防寒用の帽子)を世孫に届けようとしていたらしい。ドギム達は一体なぜなのか、なぜ提調尚宮はそれを奪ったのか不思議がった。
左議政や和緩翁主は、世孫を代理聴政(王の代理で政務を執ること)にしないよう各方面に圧力をかけていた。
サンは左議政を罷免するよう工作させた。
ドギムは任されている庭でサンに会い、助けてくれたお礼を言った。
サンは朠嬪に会いに行った日、ドギムがあった男の子の名前を憶えているか尋ねた。
ドギムが”サン”と言うと、サンは自分の名前はサンだと告白しドギムを抱きしめた。
感想
前半はドギムが朠嬪の遺品を盗んだとして捕まってしまったお話でした。
「女範」を贈ってくれたのは王様なので王様が証人だとドギムは主張しましたが、サンは王様にまで話を届けず、その場で流刑にしようとしました。
サンは王様が認知症だというのを知っていたので、王様を巻き込んでも王様が覚えているとは限らず、王様が覚えていなかった場合ドギムは打ち首になってしまう、ということを考慮したうえで、賭けに出ずドギムを生かす道を選びました。
王妃はドギムの願いを入れて王様のところにドギムを連れて行ってくれました。けれど王様は覚えていないと言って断筋刑にしようとしました。
ドギムは王様を目の前にして、サンが王様に聞いてみようと言わず流刑にすると言った真意に気づいたと思います。
サンはドギムが断筋刑になってしまうのを阻止するため、王様を説得してくれました。そしてドギムの昔話が始まりました。
さすが、お金を取って朗読していただけあってお話がうまく、ドギムは話術で王様を泣かせました。この場面は感動的で、見ながら きみに読む物語 を思い出しました。
無事に王様が当時のことを思い出してくれてドギムは無罪放免に。
隣でドギムの話を聞いていたサンは、一緒に朠嬪の所に行った少女はドギムだったのだと気付きました。
今好きな女性と、過去にもつながりがあったって、運命的でとてもロマンチックですね。
こんな感じで、前半はハラハラしつつも いい話にまとまり 物語に引き込まれていました。
ところが後半には、かなり驚かされました。
そうです、提調尚宮や広寒宮の話です。
明らかに拉致されて連れてこられたソ尚宮は連判状に手判を押してしまうし、パク尚宮は血まみれで監禁されているしと、”なんだこれ!?悪魔崇拝!?一体何を見せられているんだ!?”と急展開に驚きました
どうやら提調尚宮は宮女の秘密組織のボスのようです。
この組織は宮女全員が入っているわけではないみたいですが、何でもやる人たちの集まりのようです。
提調尚宮はパク尚宮が宮女だから殺すのを思いとどまりましたが、宮女でなければ殺っていた様子でした。
そしてパク尚宮によれば、今の王様を即位させたのも、世子が乱心したのも提調尚宮がやったことだそうです。
提調尚宮、有能すぎますね。
サンがドギムを好きなのも提調尚宮の計算通りですし、もしかして提調尚宮、本当に悪魔崇拝してたり怪しい妖術使ったりします?
そんな怪しげな組織に、ドギムの師匠・ソ尚宮が入れられてしまってドギムは目を付けられていてと、めちゃくちゃ怖いです。
今回、見ていて頭が混乱してしまい、歴史を調べました。
どういうことかというと、年齢の問題に混乱してしまったのです。
王様が80歳を超えたという話は、7話で出てきました。
そして提調尚宮は、60歳くらい(王様よりかなり年下)に見えます。
王様は提調尚宮に助けられて即位したとパク尚宮は言っていましたが、20歳も年下の娘が王様の即位を助けた?娶ってほしたかった?どういうこと!?となってしまったのです。
Wikipediaによれば、王様(英祖)は1694年生まれ。
即位したのは1724年なので、30歳の時です。
!!??当時10歳だった提調尚宮が王様の即位を助けたということでしょうか?
10歳の子に結婚してあげると約束して、けれどその約束を果たさなかったという話なら、王様をあまり責められません。
提調尚宮の年齢はわからないのですが、暎嬪と一番仲が良かったということは、暎嬪と同じくらいの年齢ですよね。
そこで、暎嬪について調べました。
暎嬪は1696年生まれで1764年に亡くなっています。
王様の2歳年下です。
1701年に5歳で女官となり(5歳!!)、1726年に30歳で王様の側室になりました。
提調尚宮の年齢=暎嬪の年齢と考えると、提調尚宮は78歳となりました。
ものすごく若く見えます!
暎嬪は嫁いだ時30歳だったので、提調尚宮が王様に裏切られたのも30歳の頃。
300年前の女性の30歳…。
これは、王様悪いわぁ。 調べて納得しました。