斛珠夫人~真珠の涙~ 第35話 二人だけの婚礼 あらすじ

 

 

 

 

方諸ほうしょ海市かいしは2人だけで婚礼の儀式を始めた。

 

以前海市が贈った赤い蝋燭も飾られている。

 

床に入ろうとした時、方諸ほうしょの体を激痛が襲った。

方諸ほうしょは海市を眠らせ、道中血を吐きながらも皇帝の所に駆けつけた。毒であると伝えると方諸ほうしょは倒れた。

 

侍医の調べで、毒は注輦ちゅうれん未生花びせいかの毒であり解毒薬がないと分かった。

 

方諸ほうしょは皇帝に毒のことを公にしないよう言った。

敵が知ればこの機会を利用しないはずがないからだ。

 

侍医の計算では方諸ほうしょの命はあと1月。方諸ほうしょは海市の所に帰り寝顔を見つめ涙を流した。

 

愈安宮ゆあんきゅうは調べられ、緹蘭ていらんは脅迫を受けたことを皇帝・褚仲旭ちょちゅうきょくに話した。

碧紅へきこうは恩を受けた索蘭さくらん王子のために自分がやったと名乗り出ると自害した。

 

緹蘭ていらんの妊娠が発覚し、皇帝は愈安宮ゆあんきゅうで起こった毒殺事件について口外禁止とした。

 

 

ちょう王府から方諸ほうしょの所に、”方家の娘”海市かいしに対する招待状が届いた。

季昶きちょうちょう王府に海市を留めるよう皇帝に願い出るつもりだ。

 

海市は方諸ほうしょと共に朝食をとり、今夜こそ先に寝ないで方諸ほうしょに尽くすと約束した。

 

方諸ほうしょは海市を季昶きちょうの誕生会(鷹の披露会)に連れて行くことにした。

海市は皇帝に送った辞表を撤回するつもりはなく、職を辞するつもりなので今日が最後の男装となる。

 

方諸は自分の一族が天寿を全うできないことを海市に伝えた。

海市は何があっても今日のことを後悔しないと即答した。

 

 

鷹の披露会場で海市かいしの髪がほどけ、海市が女であることが万人の前で露呈した。

海市の胸に方諸ほうしょの指輪がかかっているのを見て、皇帝は方諸ほうしょの大切な女性が海市であると気付いた。

 

皇帝は海市を連れて会場を去った。

 

 

 

 

 

感想

 

師匠は毒に中り、海市との初夜はなくなってしまいました。

海市は自分が疲れて寝てしまったと思っているようで、師匠が毒状態なことも知りません。余命1か月なことも知りません。

 

師匠は自分の一族が天寿を全うできないと海市に話しました。

自分の命があと1か月だと師匠は知っているので、自分と結婚したことを海市が後悔するのではないかと心配しています。

けれど海市は後悔しないと即答しました。

よかったね、師匠。

 

 

陛下が毒の入ったものを食べたことで師匠の体に異変が起き、師匠はすぐに毒だと気付いて駆けだしました。海市の服を脱がしている最中でした。

 

昭明宮しょうめいきゅうから愈安宮ゆあんきゅうまでどれくらいあるのか分かりませんが、師匠が駆けつけて毒だと言うまで陛下は毒が入っていることに気づいていませんでした。

 

偽の褚琳琅ちょりんろうと師匠の結婚式の日、お酒に毒が仕込まれていて、お酒を飲んだ陛下は倒れました(29話)。

 

この2つの毒事件、矛盾しています。

 

褚琳琅ちょりんろうの婚儀での陛下を見て、毒を飲むと少なくとも一瞬は自分の体に異変が起こると感じたのですが、今回の毒事件を見るとどうやら違うようです。

 

もしも陛下は毒に気付けないのだとすると、褚琳琅ちょりんろうの婚儀で陛下が倒れたのは芝居だったということになります。

つまり、陛下は毒が入っていることに気づいていながら酒を飲み、敵が喜ぶように倒れたフリをした、ということになります。

そうだとすると、陛下、師匠の体を大切にしなさすぎではないですか!?

もっと師匠の体を大切にしてください。

 

それとも毒によって違うという、ただそれだけのことでしょうか?

例えば、29話で使われた鴆毒ちんどくは、飲んだ瞬間に激烈な痛みが走る毒で、今回使用された未生花びせいかの毒は、緩やかに始まり次第に激しくなるため、極一瞬しか毒に触れない陛下は体の異変に気付かないとか。

 

疑問に思い、少し過去の場面を見てきました。

 

1話で、陛下は矢を右胸に受けましたが、全く痛そうにしていない間に師匠が胸を押さえて倒れました。

31話で召風師に陛下は右肩を攻撃されました。

陛下の体に物理的な衝撃は加わっていましたが、痛みは師匠に行き陛下はすぐに緹蘭の体を気遣っていました。

 

もしかしたら物理的な攻撃の場合、陛下は全然痛くないのかもしれません。

 

…29話での陛下が、毒が入っているのを知ってて飲んで毒に中ったフリをしていた可能性が大になったような気が…。陛下、師匠を大切にしてあげて。

 

 

前回、眠気がすごいと言っていた緹蘭は、案の定妊娠していました。

21話では、掟上子供を生めないとか言われて避妊薬を飲まされていました。

けれど避妊薬は緹蘭の体に合わず、病気になってしまいました。

その後はどうやら薬は飲まされなかったんですね。ご懐妊、おめでとうございます。(もう、掟とやらはどうでもいいのかな?)

 

 

海市の髪がほどけただけで、周囲の偉い大人たちが”女だ”と叫びだして、笑い転げました爆  笑

 

同じ顔・同じ体形なのに髪形だけで全く違って見えるようです。

便利ですね。

 

師匠は、よく髪を下ろしていると思うのですけれど、一度も女性に間違えられたことがないのはなぜですか。

周幼度しゅうようどさんも髪を下ろしてらっしゃいましたけれど、女性に間違われなかったのはなぜですか。

新たな疑問が浮かびました。

 

季昶きちょうは、海市をちょう王府に留め、その間に海市が女性である証拠を集めて糾弾しようとしていたようですが、師匠が先に海市が女だとばらしたので、季昶きちょうの計画はダメになりました。

 

陛下は海市が師匠の愛する女性だと気付いているので、海市に悪いようにはしないですよね?

海市は、あなたのせいで余命1か月になってしまった人の愛する人です。

 

終盤、陛下は

方鑑明ほうかんめいを巻き添えにせず生き長らえたいなら、今から目が見えず口が利けぬ者になれ」

と海市に言いました。

 

台詞はかなり不穏ですが、陛下が海市に危害を加えることは無いと信じています!