尚食(しょうしょく)~美味なる恋は紫禁城で~ #9 女子の矜持 あらすじ

 

 

 

掌膳しょうぜんとなった姚子衿ようしきん行雲草舎こううんそうしゃ(皇太孫が住処として使っている建物)で書棚の整理を手伝っていた。

 

ドリアンの絵を見つけた姚子衿ようしきんは、ドリアンの採れる地域(スマトラ)について皇太孫・朱瞻基しゅせんきに質問した。

 

近々、シャム・スマトラ・チャンパ・ジャワなどの使者をもてなす3000人規模の宴が開かれることになっている。そのための料理を考える参考にしたいのだ。皇太孫は書棚の旅行記を見る許可を与えた。

 

そこに皇太孫妃の使者がやってきた。しかし皇太孫は会わず、妃との仲がぎこちないという話を姚子衿にした。

 

姚子衿ようしきんは、皇太孫妃に会いに行き本音で話し合うよう助言した。

 

皇太孫が皇太孫妃に会いに行くと、皇太孫妃の妹がいた。

 

権力のため皇太孫妃が自分の妹をあてがおうとしていると考えた皇太孫は怒って立ち去った。

 

なかなか子供のできない皇太孫妃に痺れを切らした一族が行ったことだが、皇太孫妃の意志ではない。皇太孫妃は一族に対する怒りを露わにし、手引きした侍女を処罰し宮中から追い出した。

 

皇太孫は皇太孫妃への怒りが収まらず、姚子衿ようしきんに八つ当たりをした。

 

姚子衿ようしきんは、自分のこれまでの行動は皇太孫への愛ゆえであったことを告白し、皇太孫が自分を奴婢として扱うのなら自分も奴婢として行動すると宣言して立ち去った。

 

宴の料理を選定するため皇太孫が尚食局にやってきた。

宴を取り仕切るのは皇太子の役割なのだが、皇太子は仮病を使い皇太孫に任せたのだ。

 

姚子衿ようしきんの作った料理も宴の料理目録に載ることになった。使った食材は地味で平凡だが、西方地域との交流の歴史等が考えて選び抜かれていた。

 

皇太孫から猫目石の装飾品と航海日誌が褒美として届けられたが、姚子衿ようしきんは航海日誌だけ受け取った。

 

奴婢として自分に接するようになった姚子衿ようしきんを、皇太孫は不快に感じていた。そして姚子衿ようしきんのことを奴婢とは思っていないと認めた。

 

姚子衿ようしきんの忘れていった書き付けには、皇太孫の体を思って考えられたレシピが書かれていた。皇太孫は姚子衿を説得するよう陳蕪ちんぶに命じた。

 

陳蕪ちんぶほう典膳を通じて姚子衿ようしきんを呼び出そうとしていた。陳蕪ちんぶほう典膳が宮中に上がった時に教育係をしていたのだ。

 

しかし尚食しょうしょく孟紫澐もうしうん陳蕪ちんぶをやんわりと追い返した。

 

孟紫澐もうしうんは勝手に尚食局の者を連れ出されることを快く思わなかった。

 

皇太孫は料理をおいしく感じなくなった。

 

 

 

 

感想

 

割と急にラブな展開になってきてびっくりしております。

今まではお仕事や友情、事件の間にたま~にある感じだったのが、1話を通じてずっと恋愛要素を感じる、とでも言いましょうか、そういう感じになっていましたよね。

 

今回のタイトルは女子おなごの矜持とういことで、女子の皆さんのプライドが炸裂した回だったのではないでしょうか。

 

まずは、皇太孫妃・胡善祥こぜんしょう。一族が妹まで送り込んで来ようとしているのを知り、皇太孫妃としての権力を一族に対してでも使うと宣言し、一皮むけました。

 

私は以前、冷遇されてる側妃って人生イージーモードだろうなぁ~うらやましい。みたいなことを書いたのですが、今回の皇太孫妃のことを見ていると、そう言うためにはかなり強メンタルが必要そうだと気付きました。

 

皇太孫妃は立場上、特にだとおもいますが、皇族に嫁いだとなれば、当然子供を望まれるわけで、夫の両親(めちゃくちゃ偉い人達)からも実家の両親からも子供子供と言われるプレッシャー。さらに実家はお前がダメなら妹も後宮に入れるぞとばかりに行動してくる。

 

「子供?知らね。誰かが産んでくれるんじゃね?妹も後宮に来るの?いいねぇ」って言えるような人じゃないと、宮中楽じゃないですね。自分の命の心配もしなきゃならないし大変そうです。

 

皇太孫妃は、今回一族がしたことで皇太孫妃としての権力を使うということを覚えましたが、胡善囲こぜんいさんの反応を見ると、これすらも一族の掌の上で転がされていると言えるのかもしれません。一族は、こうやって皇太孫妃を大切に育てられた深層の令嬢から完全無欠の皇太孫妃となるよう鍛えているんでしょうね。

 

 

そしてもちろん姚子衿も今回、女としてのプライドを皇太孫に見せつけました。

 

そもそも、大人なのに他人に八つ当たりをする皇太孫に少しびっくりしつつ。

でもそれも他人ではなく自分に近しい人だから八つ当たりするのかもしれないと好意的に解釈することにしました。

(それから以前昔の人は現代人よりも感情を表に出すという話を読んだことがあるので、そういうことかもしれません。⦅私が読んだのは日本の話です。男は泣かないというのは明治以降の教えだそうで、武士は良く泣いたという話を聞きました⦆)

 

八つ当たりで姚子衿の整理した本を投げ散らかした皇太孫に姚子衿はプッツン(?)。

でも冷静に論理的にお話します。

曰く、皇太孫のことが大好きだから今まで好きな人に対する態度で接してきた。皇太孫妃に会いに行けって言うのは辛かったけど、皇太孫の笑顔のために言った。皇太孫が投げた本は私の心!

 

姚子衿の話を聞いているときの皇太孫の顔芸(マバタキ多め)が良かったです笑い泣き

動揺しているのをマバタキで表すの可愛すぎました。

(可愛いと言えば、仮病を使っている皇太子殿下も可愛かったです。)

 

前回、書棚の整理は自分が尚食局で働いている以上、礼に反するのでしませんと言っていたけれど、結局書棚を整理していたのは、それは奴婢として皇太孫に対応していないということの表れだったようです。

 

皇太孫は袁琦えんきに姚子衿を連れ戻させようとしたり、姚子衿に褒美をあげようとしたり、陳蕪ちんぶに説得させようとしたりと頑張るのですが、どれも上手く行きませんでした。

 

今回は2人の仲がすれ違ったまま終了してしまいました。

 

 

前回、ほう典膳が袁琦えんきを通して陳蕪ちんぶに巾着(?)をプレゼントしようとしていました。

 

ほう典膳は陳蕪ちんぶが好きなんだと それで知ったのですが、2人は先生と生徒の間柄だったと今回判明しました。

 

陳蕪ちんぶが姚子衿と話せれば何かが変わっていたような気がしますが、もう尚食が許しませんでした。

 

もう尚食は若いころ、男に痛い目に遭わされた経験があるので、尚食しょうしょく局で働く人たち(そういえば、皆女子ですね)を守るためってのもあって厳しく対応したのかな、と思いました。孟尚食のプライドも炸裂していました。

 

 

次回のタイトルが「12月の閻魔」

全く話の予想がつきません。