④アイアンマンジャパン奮闘記〜226kmの道のり〜 | 高橋善郎オフィシャルブログ「おいしいごはんをいただきます!」Powered by Ameba

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レースから一夜明け、新千歳空港を散策。



カラダへのダメージは思っていたほど大きくなく、ただ、普通の筋肉痛とは違う、全身を使っている感はものすごくあります。

昨日は疲れすぎていたため、温泉に入れなかったため、フライトまでまだ少し時間もあるので、空港内の温泉にでも浸かろうかなあと思います♨


これから東京へ戻ります。
(仕事しないと、、)





なにはともあれ、アイアンマンジャパン 北海道、無事に完走致しました。
応援いただき、本当にありがとうございました*
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昨日は、朝3時に部屋の皆様と一緒に起床。
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各々朝食を食べたり、準備をしたりという時間がしばし続きます。
私は冷凍した自家製おにぎりを解凍し、みそ汁と一緒に食べました。

あとはバナナなど。
タフなレースになるため、気持ち多めに食べます。
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このように荷物をナンバーのところにひっかけます。

スイムが終わり、バイクに移る際に、このバッグの中に入っている荷物を取り出し、着替えたりバイクの準備をします。
ランのときも同様です。
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朝方に空気を入れたり、最終メンテナンス。
天候によっても空気圧を変えたりする方もいます。
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ラン用の荷物は前日にあずけてあるので、当日はバイクにのせる、ドリンクや補給食などをセット。
(これよりももっと多いです。ナンバーベルトにポケット付きのものがあるのでそこに入れたり、ウエアの後ろポケットに入れたり、人によって異なります。)
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犯罪者顔の菊池とともに、スタート前。
ウェアが脱げやすいように、また、泳いでいるときにすれないように、肩や首、足首などにワセリンを塗ります。人によっては日焼け止めを塗ったり耳せんをつけたり。
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先に、正式なリザルトは下記の通りです。

******

スイム:1時間21分11秒(3.8km)
バイク:7時間32分18秒(180km)
ラン:4時間29分00秒(42.2km)

トータルタイム:13時間37分54秒(226km)


総合::473位(1609人中※リレーなどは除く。)
年代別(25~29歳):23位(57人中)

******




--スイムパート(3.8km)

唯一、目標タイムを上回ったスイムは思った以上に自分の泳ぎができました。

バトル(泳いでいる時に横や前の選手の手足や肩などがぶつかること)が少なかったわけではなく、むしろ、参加人数が多かったため、普通にありましたが、練習の成果か湖だったこともあるのか、わりかし慌てずに進めました。



洞爺湖はものすごくきれいな湖で、普段は遊泳禁止となっています。
その湖を、朝日をあびながら泳げるのは貴重な経験で、またものすごく気持ちがよかったです。



大きな問題もなくスイムは終了。
スイムの時点で全体で793位なので、中盤より遅めのペースです。

スイムは苦手なパートではありますが、逆に言えばまだまだのびしろが大きい部分なので、技術的な部分を中心にトレーニングしていきたいと思います。
(半年前の自分では3km以上泳ぐなんて考えられなかったので、それだけでも進歩かもしれません、、)




--バイクパート(180km)

バイクは目標タイムより約45分遅れて、フィッニッシュ。


10の町と村をまたぐ、標高差の激しいヒルクライム、ヒルダウン中心のコースなのですが、ひとこでいうと本当に辛かったです。


バイクにかぎらずですが(バイクの要素が大きいのは確か)、昨年のコースと比較して今年は変更点が2箇所ありました。
バイクコースがよりヒルクライムになったのと、ランコースでも未舗装の急斜面が登場。
プロ含め、昨年より平均で30分前後、フィニッシュタイムが遅かったようです。


それほど、今年のコースはタフだったようで、何度もあの坂を目の前に心が折れそうになりました。



今回のレース中、心にとめていた言葉があります。
それは、「いつかは終わる」です。笑


スイムもバイクもランも、この精神で頑張ろうと思い望んだのですが、その言葉も途中から、「本当にこの坂終わるのかなあ、、、」という気持ちになるくらい長かったです。



スタート~100km~

スイムアップし、バイクをスタートした直後、疲れているのは肺あたりなので、呼吸を整えながら走り出します。
足は元気なので、平地で速度35km前後で走行。ゆるやかなアップダウンがあるものの、そこまで気になりません。

100kmを超えるまで、登りはいくつもありますが、ものすごくきつい坂ではないので、できるだけ足を残して進んでいきます。
道路が狭く、かなり急なUターンする場所や、一部、砂利道で降りて進まなければいけない場所もあり、近くの選手と「すごいコースですねえ、、、」と話すことも。

コース上、致し方ない部分だったようです。



100~150km~

100kmを超えてから一気に900m以上のところまで約15km、ひたすらのぼっていきます。
足を残しておいたつもりだったのですが、あくまでつもりでした。

速度13~14km前後で進み、急勾配の箇所は6~8kmくらいで進みます。
歩いた方がもはや早いと感じるくらいの坂ですが、そこをバイクでひたすら進んでいきます。


ここはそんなに抜かれたり抜くこともないのですが、しかし、ヒルクライマーはいるもので、ご年配の方や外人など、さくさくと進んでいく方もいます。
「すげえ、、、」と横目で確認しつつも、後半の方は全然余裕がありません。

奥多摩でトレーニングしていたものの、100km分の疲れもありその坂よりはるかに長く、きつく感じました。



登り切る直前でゆるやかな坂になり、エネルギーバーや大福などを食べ、エネルギーを補給します。
そして、登った分、下りが待っているのですが、そこには洞爺湖の素晴らしい景色が広がります。
本当にステキな風景です。



速度50~55kmくらいで下りますが、(早い人だと70km近く出てるようです。)がけなども多いため、緊張感を持ってくだります。


下り終わってからゆるやかに登ったり、ゆるやかに下ったりとあまり平地という平地もなく進んでいきます。
今回は風もあり、140km時点前後から向かい風の中走るコースがあり、本当にスピードが思った以上に出ません。
また、思った以上に既に足が疲れています。

その風に少し苛立ちを覚えつつも「いつかは終わる、、」と心の中でつぶやき、ひたすら進んでいきます。
バイクは20kmごとにボトルキャッチャー(水分を受け取る場所)があり、空になった自分のボトルと用意していただいている水やスポーツドリンクと入れ替えます。


ボランティアの方々の「頑張れえ!」が本当に、心にしみます。
ありがとうございます。



150~180km(バイクゴール)~

ここまできたら、あと30km!

と、思いたいのですが、この30kmはさらに長く、そして辛く感じました。


平地の30kmの距離であれば、なんともないのですが、ここからはほぼずっとだらだらと登りが続きます。
この時点でおしり、膝が痛くなり、ランいけるかな・・・と不安になってきました。
登り終えても、少しくだりでまた登り・・・の繰り返しで、「誰が考えたんだろう、このコース、、」とまで途中思いました。

バイクは遅くてもいいからランに少しでも残そうと極力軽いギアで回していきます。


170kmすぎたあたりからようやく長い下りになり、もうこれは射程圏内。
くだりはスピードを頑張って出しつつも、少しのばしたりして、極力ランにスムーズにいけるよう準備します。

が、本当に最後の最後までSなコースで、残りの2~3kmはまた登りが続きます。

「まじかあ、、」と思いつつもさすがにバイクフィニッシュもすぐそこなので、ここは頑張り、バイクを終えます。


プロの方からも「後半どこまで足を残せるかでタイムが大きく変わってくると思います。」とアドバイスいただいていたものの、まさにそのとおりとなり、後半は本当にスピードが出ず、辛く長いコースでした。

このコースを経験したら、ほとんどのコースが楽に感じるんじゃないかと思います。
アイアンマン ニース(フランス)はこれよりもう少しきついとのことなので、間違ってもニース大会には出たくないです。


全体の順位としては643位なので、スイムアップした時点より少しあがっています。




--ランパート(42.2km)


よっしゃ!
バイクも終わり、あとランだけや!

ランが42.2kmもあります。笑
フルマラソンのスタートです。

結果的に見るとランはもう少しねばれると思ったのですが、完全に練習不足でした。
目標タイムより45分ほど遅かったです。



スタートして4kmを超えたあたりから、急勾配の未舗装の道がでてきます。
トレイルランのコースのようで、ここだけはみなさま歩いて登っていました。

これもコース変更になった分、選ばざるを得ない道だったようで足の体力を奪っていきます。


登った分、くだり、その後はほぼフラットです。
洞爺湖沿いの森林に囲まれた道をただひたすらと進んでいきます。


前半は坂を除いてはいい感じでは走り、このまま行けるかも、と少し思いましたが、20kmを手前にして、足へのダメージが急にきます。
膝の痛みではなく、普通にトレーニング不足の走れない感です。

そして、ガーミン(腕時計)が20km過ぎてから電池が切れ、ラップタイムも時間もわからず、残りの20kmを超える道のりを進んでいきます。
たまに、スタッフの方に「今何時ですか、、?」と聞きつつ。


こういうときに何が支えになるかという、応援してくれている方や教えてくれたコーチです。
直接、声援というわけでなないですが、「応援してくれてるんだから頑張らなきゃ、、」「教えてもらった分、少しでもタイムあげなきゃ、、」とか、そんな感情がこみあげてきます。

30km地点での動画。菊池の彼女さんが撮ってくれました。あごがあがってフォームがばらばらなのがよくわかります、、



結果的に見ると、タイムは目標よりだいぶ遅れ、ふがいない結果になってしまいましたが、一度歩かずに走れたのは本当に多くの方のおかげだったと思います。

総合順位がまた少しあがっていますが、ここでもう少しねばれればと思うと、ロングレースの組み立ての難しさを実感しました。



ゴール時点は洞爺湖に面している万世閣というホテルだったのですが、その湖沿いに入ってから、ホテルまでは2kmの距離。
最後のランです。


突き当りはまで行き、Uターンをし、残り200mくらい。ホテルの庭に設置されているウィニングロードを全力でかけぬけます。


ゴール時点で応援してくれている方と両手を広げ、ハイタッチ。


そして、フィニッシュ-
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このときはタイムがどうとか、思うことはできず、まさに感無量。
誰に声をかけることもなく、「やったあ、やったああ、、、!!!!!」と、息を荒げながらも思わず声を出てしまう感じです。






しばし余韻に浸りつつ、レース前に預けた荷物などを受け取り、ごはんを食べにホテルへ。
(ごはんの最終受付が14時間以内にゴールした方でないと食べれない時間なので、なんとか間に合いました、、) 


3日間、我慢していた生ビールも頼み、本当に至福のひとときを過ごしました・・・!
いろいろな部分が痛く、日焼けもしているため、温泉はつからず、さくっとシャワーを。



この時間も、まだレースは続いています。
アイアンマンジャパンの制限時間は17時間。

つまり、夜の23時くらいまで走っている選手がいます。
本日、伺った話では、最終ゴール選手のタイムが「16時間59分47秒」とのこと。

それ以降にきた選手は足切り、、となってしまいます。
17時間近くもかかると、もはや違うスポーツになってきます、、完走率は85%。



タイムは各々異なりますが、その時間内に走り終えた選手だけが「アイアンマン=鉄人」の称号が得られます。




---シャワーをあび、就寝

23時近くまで見届けようと思ったのですが、そんな体力は残っておらず、片付けもできず、数秒で落ちた気がします。
これまでの人生には感じたことのないような心地いい疲労感と達成感を感じながら、、、



勝手に名づけた「アイアンマンジャパン奮闘記」も次回で最後です。
次回は走り終わってから、感じたもの、得られるものをテーマに書きたいと思います。