いつのまにか、「ホルモン依存性の乳癌には、抗がん剤が効かない」という事を
漠然と認識してることに気がついた。
よく考えると、今までネットでソースがはっきりしてるところでそういう情報を

読んだ記憶がない。


なんとなく、いつのまにか、そういう風に思ってた。
ホルモン療法しかしてないから、化学療法についてほとんど調べたことがないのが、

理由だと思う。


3つほどページを探してみた。

古い順にならべました。


がんサポート情報センター
患者の特性に合った乳がんの個別化治療
過剰な治療をなくし、治療の精度を高める方向へ加速
監修:井本滋 国立がんセンター東病院乳腺科医長
取材・文:町口充(2007年02月号)


によると、


陰性と陽性ではまるで治療が反対
一方、抗がん剤となると効果は逆になる。

「ホルモン感受性が陰性のほうが抗がん剤の効果は大きく、より縮小効果があって、がんが消える可能性も高くなります。逆に、陽性だとあまり高い効果は望めません。つまり、抗がん剤治療の指標では、ホルモン感受性が陰性と陽性ではまるで反対になるわけです」と井本さん。

また、乳がんの20~30パーセントは、乳がん細胞の表面にHER2タンパクと呼ばれるタンパク質をたくさん持っており、このHER2タンパクは乳がんの増殖に関与していると考えられている。このHER2をねらい撃ちした治療法(分子標的療法)であるハーセプチン治療は、HER2タンパクあるいはHER2遺伝子を過剰に持っている乳がんに効果が期待されている。

最近のトピックスもある。06年12月にアメリカで開かれ、井本さんも出席した「サンアントニオ乳がん学会」では、HER2は17番染色体上にあるが、トポイソメラーゼタイプ2(TOPO‐2)が同時に発現していると薬の効果も高いというデータや、HER2が強陽性のほうが、乳がんの治療で代表的な抗がん剤のアドリアマイシン(一般名ドキソルビシン)も効いて予後がいい、との報告があったという。


とかいてあって、

確かに、陽性だとあまり高い効果は望めません。と書いてあります。

でも、どの薬を使って、高い効果が望めないのかが書かれてありません。
この時点での標準治療で使われてる抗癌剤では、そうだったのだと思われます。

また、まだハーセプチンが保険適用されてない頃ですが、効果が期待されており、
HER2が陽性なら、抗癌剤がよく効いて、予後もいいと書かれてあります。



がんサポート情報センター
通常の抗がん剤が効きにくい乳がんの術後の治療に経口抗がん剤が効果を発揮
タイプによって抗がん剤を使い分ける乳がんの術後化学療法

監修:中山貴寛 大阪大学大学院医学系研究科乳腺・内分泌外科助教
取材・文:柄川昭彦
(2010年03月号)


によると


抗がん剤が効きにくいタイプの乳がんに有効


近年、乳がんは遺伝子発現のパターンで分類されているが、そのタイプによって、薬の効き方が大きくことなることが明らかになっている。たとえば、ルミナールAというタイプの乳がんは、ホルモン感受性(ホルモン療法を行うかどうかの指標となる性質)が陽性で、HER2(ハーセプチンによる治療を行うかどうかの指標となる遺伝子発現)が陰性のことが多い。このタイプの乳がんは、従来行われてきた化学療法の効果が高くないことがわかっている。

「乳がんの治療で使われるアンスラサイクリン系抗がん剤(ドキソルビシン、エピルビシンなど)やタキサン系抗がん剤(パクリタキセル、ドセタキセル)は、〈ホルモン感受性陰性・HER2陽性〉の乳がんには良好な治療成績を残しますが、ルミナールAのような〈ホルモン感受性陽性・HER2陰性〉の乳がんには、効果が低いことが明らかになっています」

アンスラサイクリン系抗がん剤も、タキサン系抗がん剤も点滴で投与する抗がん剤で、乳がんの化学療法の中心的な役割を果たしている。これらの抗がん剤が効きにくい乳がんに、経口抗がん剤であるUFTの効果が見直されている。

UFTは、5-FU(一般名フルオロウラシル)という抗がん剤を改良して誕生したもので、すでに25年ほど前に登場している。わが国においては、1980年代から乳がんの術後化学療法に関するたくさんの無作為化比較試験が行われている。その結果からも、〈ホルモン感受性陽性・HER2陰性〉乳がんの術後治療では、UFTが有力な選択肢の1つになり得ることが明らかになっている。


とかいてあって、これには、
アンスラサイクリン系抗がん剤(ドキソルビシン、エピルビシンなど)やタキサン系抗がん剤(パクリタキセル、ドセタキセル)は、〈ホルモン感受性陰性・HER2陽性〉の乳がんには良好な治療成績を残しますが、ルミナールAのような〈ホルモン感受性陽性・HER2陰性〉の乳がんには、効果が低いことが明らかになっています」と
どの薬が、効果が低いのかがかかれてあります。
また、これらの抗がん剤が効きにくい乳癌に効く、経口の抗癌剤UFTについて書かれてます。



がんサポート情報センター

乳がん治療の新時代を開いたホルモン療法薬の真の実力と新たな可能性を探る
乳がんホルモン療法の誤解を解く
監修:大野真司 九州がんセンター乳腺科部長
取材・文:柄川昭彦
(2011年07月号)


によると


ホルモン療法は抗がん剤より効果が劣っているのではないか。そんな疑問を持っている患者さんが意外に多い。
実はこれは完全な誤解で、ホルモン受容体陽性の乳がんの場合なら、抗がん剤以上の効果を発揮することは明らかになっている。
ホルモン療法の中でも新しいタイプのホルモン薬で先陣を切った「アリミデックス」というホルモン薬にフォーカスを当て、ホルモン療法の真の実力と新たな可能性を探っていく。

とかかれてあります。


以上をふまえて、

ホルモン感受性陽性でもHER2陽性なら、効果が高い抗がん剤や、

ハーセプチン等分子標的薬の効果がのぞめ
ホルモン感受性陽性で、HER2陰性でも、URTのように効果が望める抗がん剤がある。


また、ちょっと前にUPした

日経メディカルオンライン
学会スペシャル:第20回日本乳癌学会学術総会
2012年6月28日~30日 熊本

mTOR阻害剤は内分泌治療抵抗性乳癌の治療アルゴリズムを変える可能性【日本乳癌学会2012】

2012. 7. 4


によると
ホルモン感受性陽性で、(HER2の陽性/陰性についてはよくわからなかった)なおかつ
内分泌治療抵抗性に、効果が期待されている。


よって

「ホルモン依存性の乳癌には、抗がん剤が効かない」
というわけではない。


そして、ホルモン療法は抗がん剤より効果が劣っているということはなく
抗がん剤以上の効果を発揮する。

という私なりの理解にいたる。


もうひとつ、漠然と認識していることで、抗がん剤が奏功する人は、何割かで
ほとんどの人が、副作用で苦しむだけ。というのがあります。
これも、ソースのはっきりした情報を読んだことがありません。


ホルモン依存性の乳癌でも、HER2が+か-かで、別なように
どのステージで?どのタイプの癌に?どの薬を?初発で?再発で?
どう使うか、また体質によって、奏功率や、副作用や、副作用に苦しむ期間が、
全然違うと思うのです。


一口に抗がん剤といっても、点滴や経口、強い副作用がでるもの、でないもの
いろんな種類があります。
それを、十把一絡げに抗がん剤でまとめて、何割かで表すことに、
意味は無いように思います。


もし、私が抗がん剤を使うとしたら
私の癌に、どの薬をどう使うか、その場合の奏効率はどのくらいで
どんな副作用がでるのか、使わない場合はどうなるのかが、知りたいと思う。
ものすごく、奏効率が低い場合もあるだろうし、高い場合もあるだろう。
知った上で、よく考えて決めたいと思うから。


これも、また、詳しくかいてあるページがみつかったら、更新したいと思います。


ホルモン依存性の乳癌には抗がん剤は効かない のかな? その2

抗がん剤の奏効率


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