陽気な印象を受ける黄色い百合の花に見惚れていました。
バレリーナの纏う衣装として代表的なクラシック・チュチュの如く広がりが固定された様子を連想してしまいます。
仄かに色づいた蕾が今後次々と花を咲かせる事を予期して私の胸の奥の希望も蕾と同様膨らんでいくようです。
数日前からふと脳裏を過っていた事ですが、バレエのレッスンに於いては、顔の付け方や視線まで細かくメソッドとして確立されており、鏡張りのレッスン室の中に於いても、身体全体のポジションは勿論、視線について細かく先生からご注意を受ける事が多いです。
鏡を見て視覚に頼り自分の動きを修正するのではなく、身体の動きについては体感として覚えた上で、視線も舞台芸術のパフォーマンスの一つとして通常レッスンの中で指導を受けます。
鏡を見て修正しているうちは自分の身体の使い方が習得出来ていない、このような解釈をして差し支えないと思います。
一方、ピアノについては、演奏中の視線について、明確に規定されている訳ではなく、自分のパフォーマンスを最大限発揮できるよう自分なりに工夫する自由が与えられています。
この違いは非常に大きく、バレエの定められた視線に慣れると、ピアノの練習の際、視線の操り方を自分が潜在的に制御してしまい、鍵盤への視線が疎かになり、結果的にミスタッチやタッチの質の低下を誘発してしまう気がします。
いつまでもピアノのミスタッチが減らない理由の一つに、視線の使い方が挙げられると私は現段階では考えます。
暗譜をする目的の一つとして、視線の自由度が上がる事が挙げられるのですが、その自由度を上手く生かし切れていない点を克服すべく日々ピアノの練習に取り組みたいと思います。
【本日のピアノの練習について】
・ハノン 1~20番の中から10曲
・バッハ インベンション第4番 (暗譜済)
・バッハ インベンション第7番
・バッハ インベンション第8番 (暗譜済)
・ショパン ノクターン第20番(遺作)
・ショパン エチュードOp.10-12(革命) (暗譜済)
・ショパン エチュードOp.10-4(暗譜済)
・その他(スケール、アルペジオ、その他)
バッハのインベンションの暗譜については、今月末までに5曲暗譜すると云う事で、候補曲を既に絞っているのですが、本日は気になる事が有り、ショパンエチュードの練習に時間を割きました。
日々漫然と流していたOp.10-12(革命)をもう少し丁寧にやり直すと共に、Op.10-4も少しやり直してみたのですが、革命やバッハのインベンションにばかり取り組んでいると、下記添付画像の赤枠で囲んだ部分の左手の広がりに自信が無く、ほぼ毎日、一曲通す前に必ずこの部分を外さないよう3回はこの部分を練習してから通し練習に入っています。
全体的に手の広がりが要求される曲なので、細かい動きを繰り返した後に広げるのは想像以上に難しいのです。
昨年習っていたピアノの先生から、私の手の開きについては驚かれました。
手の大きさの割にはMP関節から広げて結果的に180度開く形を取るのですが、この開きについても、訓練して広がる場合と先天的に開かない場合が有るのではないかと思いつつあります。
成人になって全くピアノに触れていない方は、周囲を見てもあまり開かない傾向にあります。
バレエの180度開脚についても、股関節の作りにより、どれほどストレッチを続けても先天的に開かない方がいらっしゃるとの事です。
一方、先天的な素質として、普段何もしなくても大人になってから始めても初めから難なく180度開く人もいます。
私が後者の素質を備えている為、特に普段からストレッチに取り組まなくても開脚だけは余裕なのです。
勿論、軸の安定の為のストレッチは必要ですが、ピアノを弾く為の手の開きに対するストレッチの要求量や質についても同様の事が言えるのではないでしょうか。
即ち、元々の大きさ云々の問題の他に、難なく開く人、ストレッチを繰り返す事により開くようになる人、ストレッチに精を出してもあまり開かない人というように、人それぞれ違うのではないかと云う事です。
ピアノの練習の話に戻りますが、ショパンエチュードに関して言えば、Op.25-2及びOp.25-12を以前から少し練習しており、私にはこちらの方が向いている気がしてならないのですが、好みと適性との不一致の件が有り、現時点では好きな曲に取り組みたいという想いを優先しています。
昨年2020年11月28日、好みと適性との不一致の件に言及した記事について、当時は記載していなかった非常に興味深い事が有るので、明日以降記す事とします。
本日は、帰宅してから、午前中の練習とは別にショパンエチュードの練習に60分間ほど取り組んだので、眠気に誘われております。
雨に打たれながらも脆さを感じさせない程に毅然として咲く黄色い百合の花は偽りの姿なのでしょうか。
頼もしく咲く姿に感銘を受けております。