家の中のささがに | 菊と斧

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昨晩は後の月が明るかった。

 

たまたま中秋の明月も昨夜の後の月も高速道路を走りながら見ることができた。

昨夜は日立あたりは雷雨で、月の明るさに稲光りの閃光が添えられていた。

 

以前から家の中にささがにはいたのだけれど、今年の夏はやたらに多かった。

床の上にもいるので、知らぬ間に踏み潰してしまったこともあった。

 

室内のささがには他の虫を食べてくれる益虫ということもあってか、昔から粗略に扱うことは戒められている。

苦手な人もいるだろうが、我が家では気にしないで共存している。

 

今しはとわびにしものをささがにの衣にかかりわれをたのむる 

                 読み人知らず(古今集)

 

 今はもう来まいと思って、がっかりしてしまったのに、蜘蛛が衣の上に下りて来て、我を頼ませることであるよ(窪田空穂の訳)

 

昔は蜘蛛が目の前に現れると待ち人が来るという俗信があった、とのこと。

 

壁を歩くささがに