「蜂のタローと大先生」(一話)
【蜂の大先生はタローに何を教えたいのかな?実は、お花畑を飛ぶタローは、とても優秀な蜂ですが、ちょっとだけ、足りないところがあります。何が、足りないのでしょうか?】

蜂(はち)のタローは、美しい花から花へと飛んでは、おいしい蜜(みつ)を吸って夏を過ごします。
花さがしの名人のタローにとっては、どんな花も知らないものはありませんでした。
頭のなかには『蜜味大百科辞典』(みつあじだいひゃっかじてん)が、あります。
だから、なかまの蜂たちから、うらやましがられ、尊敬(そんけい)される小さな先生でした。
今年も、美しい花から香りのよい蜜(みつ)を、たくさん味(あじ)わいました。
でもタローは、本当に心からおいしいな!と、思える蜜には、まだ会えませんでした。
そこで、タローは考えました。
「よ~し、夏が終わる前に、必ず!絶対!一番おいしくて新しい花の蜜をみつけるぞ!」
でも、その方法(ほうほう)は、わかりませんでした。
そこで、タローは花さがしのために役に立つ『ジグザグ・ダンスとシーソー飛び』を、おしえてくれた、蜂の大先生をたずねることにします。
大先生は、タローの話をだまって、きいていました。
そして、なにも言いません。
でも、さいごにただひとつだけ、黒い目かくしマスクを、タローにわたします。
大先生は「目かくしマスクをしたままで、花をえらびなさい。そのままで蜜(みつ)を、のんでごらんなさい!」
と、言うだけでした。
タローは、なっとくがいかなくて、不満と怒りのまま・・家へ帰ります。
(二話へ続く)


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♪「童話の宝石箱 」
(The above is written by ゆうゆ)
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