

ももちゃんは、今年の五月を待って待って待ちわびています。
「早く芽が出て花が咲かないかなあ、もう待ちきれなくなりそう・・・」
毎日ベランダの鉢にお水を上げています。どうしたのでしょうか?
それは去年の春休みのことでした。四月にママと一緒にお花屋さんへ行った時に、見つけた花の種でした。
その日、ママから離れてお店の奥まで一人で入ってしまったももちゃんは、たった一つしかない不思議な小さな袋をみつけたのでした。お花の種のようですが、袋には何も書かれていませんでした。
うす緑色の袋の中の種は、何のお花の種なのでしょう。おもしろそうなので、ももちゃんはママに頼んで買ってもらうことにしたのです。
お店のおじさんは首をかしげながら
「こんな花の種袋は、うちの店にあったかなあ?」
と、ひとり言を言いながら売ってくれました。


おうちのベランダでママのまねをして鉢に植えることにしました。
袋を開けてみるとたった一粒だけ、お豆の大きさの白いまんまるの種が出てきました。
ももちゃんは生まれて初めてのガーデニングに張り切りました。
ママがベランダに出ると自分も出て、ママのように鉢の土をながめました。
ママもそんなももちゃんを微笑みながら
「楽しみね。がんばって」
と、嬉しそうでした。

(二話へ続く)

「いつも、ありがとうございます♪命に感謝して、今日一日を大切に暮らすように努力中です!Anyway smile♪」
(With gratitude from ゆうゆ)

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