「ぷらいど物語~カラスのお仕事」(二話) | 春夏秋冬~自然と共に生きる幸せ♪

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「ぷらいど物語~カラスのお仕事」(二話)

次の日の朝、森は大ぜいのカラスの仲間でにぎわっています。迷いカラスが皆の輪(わ)の中の枝にとまりました。その羽は、一度も汚(よご)したことのないような、つやのある黒い羽です。まるで王様のように見えます。
「南の山の皆さん、きのうは助けてくれてどうもありがとう!お礼に私の国へご招待(しょうたい)します。ですから、明日は、がんばって・・・わたしのカラスの国へ飛びませんか?」
「カアーカアー飛ぼう!ガアーガアー飛ぼう!」
大ぜいの声が山にひびきました。

「母さん、明日は僕たちも一緒に飛ぶよね?」
ピカリはわくわくしながら、母にたずねました。
「そうだねぇ。母さんにはねぇ、ぼうや!一緒に飛べない気がするんだよ」
「えーっ!どうしてさぁー?」
「そうだねぇ・・・。母さんの母さんがね、『カラスは、死ぬまで自分でエサをさがして生きてこそ、カラスだよ!』って言ってたんだよ」
「ふうん。でもさ、けがしたり病気になってさ、どうしてもエサをさがせなくなったカラスはどうなるのさ?」
「その時はねぇ、ぼうや。カラスは死んでねむるだけだよ。」
ピカリの黒い羽がしぼんでしまいました。
でも、ピカリは、あきらめきれません。しばらくして、また言いだします。

「母さん。僕たちはいつまでも自分で飛んでさ、毎日毎日、エサをさがすのー?」
「そうだねぇ」
「これからも、ずーっと、ずーっと、ずーっと?」
「そうだよ、ぼうや。エサをさがすのは、生きるためのカラスのお仕事(しごと)だからね」
「ふうん、カラスのオシゴト?」
「そうだねぇ」
「じゃあー、あのきれいなおじさんカラスのように、何もしないでエサをもらえるカラスのオシゴトは、なんなの?」
「さあ、なんだろうねぇ?」
「母さん、僕は知ってるよ。それはねぇ!偉(えら)いからさぁ、毎日、楽しく遊(あそ)ぶことだよ」
「そうかもしれないねぇ。でもね、そうではないかもしれないよ!」

「そうに決まってるよ。だって・・・」
ピカリは母の答えが気にいらなくて、口ばしを上に向けましたが、なにも言わずにだまりました。
でも、ほんとうは
『あのおじさんがエサをさがすオシゴトしているんなら、母さんみたいに羽が汚(よご)れてるはずだよ。でも、羽があんなにピカピカに光っているのは毎日楽しく遊ぶオシゴトをして、おいしいエサを貰って食べているからだよ』
と言いたかったでした。
(三話~完)へ続く
拙著カラスの童話「ぷらいど物語」より抜粋


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(The above is written by ゆうゆ)