
♪菜の花さんの悩み♪(二話)
菜の花さんは、今年(ことし)は「わたしは野菜なのかしら?それとも、花なのかしら?』と、悩(なや)みはじめています。
じつは、
一年前の春のできごとからのことでした。
菜の花さんは、なにが起きたのかさえ、わからなくなっていたのでした。
それは、
一年前の菜種梅雨(なたねづゆ)のある日でした。
どんより空なのに、菜の花さんの畑に、人々がたくさん集まってきて
「まあ!菜の花は、きれいなお花ねぇ」
「すてきねぇ!やっぱり春一番のお花よね」
と口々(くちぐち)に、ほめられたのでした。
菜の花さんとしては、お花屋さんで自分が「花」として売られていることは、そよ風さんたちの噂(うわさ)で聞いていました。
でも、この段々畑にまで、人々がながめに来るなんて、思いもよらなかったのです。
なぜって・・・
菜の花さんは、『お花見(はなみ)』と言ったら、桜さんのことに決まっていると思っていたからです。
まさか、自分が『お花』として喜ばれて・・わざわざ、人々が集まるなんて、考えてみたこともなかったのでした。
そして、今!
段々畑の菜の花さんは、自分の黄色いお花を開く明日(あした)まで、隣の青ネギさんとななめ上の赤い椿(つばき)さんに、答えなければならないと思い、悩んでいます。
そして、青ネギさんと赤い椿さんふたりのちょっぴりだけ冷たい関係を考えると、なおさら、悩むのでした。
次の日の朝になりました。
菜の花さんは、プチッ!カサッ!と、にこにこ笑顔のお日さまの下で、小さな黄色い花のお顔をひとつずつ出しはじめました。
青いお空がすっかり澄(す)みわたった昼前(ひるまえ)には、段々畑に黄色のほのぼの明かりがいっぱい灯(とも)ったようになりました。
午後になりました。
ちょっぴり冷たい風がふいたとき、隣の青ネギさんが、また、ささやきます。
「菜の花さん、やっぱり、あなたはわたしたち野菜の仲間ですよね?」
(三話へつづく)

【地の片隅での小さな会話】
ゆうゆ「ねぇ、菜の花さん!仲間って様々な類があるじゃない。
別に、無理をしてまで、気持ちが合わない仲間と仲良くする必要があるのかしらねぇ?」
菜の花「そう思いますか?
そう考えられるのはネ、人間には、足があって・・あちこちへ移動ができるからですよ。
都合のいい所へ引っ越しだって出来ちゃうんですもの、幸せなのですよ。でも、私達には、移動する手段はありません。
芽生えてから枯れるまで、大抵は同じ場所で生きるのよ。
ずーっと!一緒なの。
だから・・ねぇ、分かっていただけます?
でも、人間も、時には・・その自由を乱用しないでみるのも、いいかもですね♪」

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(The above is written by ゆうゆ)

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