「青い猫と虹の一族」愛と平和の使者たち(9)
『「それは心というところへ住み着いてるんだ。
愛と平和は人間も猫も、長く長く生かしてくれるんだ」』
また爆音のような雷鳴が轟く。
だが、二匹の会話は進んでいく。
『「ふん、そうか。
じゃあ、俺を愛と平和というやつに会わせろ!
そうすれば、今日のところはお前を見逃してやる」』
とボスは語った後に彼の戦意は消え始めた。
ジョイは明るく答える。
『「ああ、いいよ。
でも、そのためには、これから僕たち飼い猫とも仲良くしなければいけないよ。
難しいと思うけど、きみに出来るかな~」』
『「ふん、お前にできるのに、俺に出来ないことでもあると言うのか?
笑わせるな。俺を誰だと思ってるんだ!」』
『「分かった。約束するよ。
じゃあ、明日、太陽が真上に来たら、またここで会おうよ。
僕の家へ招待するよ」』
『「お前の家に、愛と平和のやつがいるんだな。
よし、分かった。明日、会おうぜ!」』
ボスは体毛の水滴を飛び散らしながら、グルッと背を向けて闇の中へと消えて行った。
予想だにしない展開に、ラブそして木陰で息を潜めて観戦していたトミーが思わず勝利の「ニャーゴー!」の声をあげた。
しかし、社交的なトミーであったが、ジョイには何も語らず闇へと急いだ。
ジョイは、小雨に濡れながら夜空を仰ぎ、春雷の舞台の終焉を楽しむかのように静かに眼を閉じて荘厳な音色が薄れていくまで待つ。
やがて、後ろのラブを振り向き、気を取り直した。
『「さあ、帰ろうラブ。もうすぐ家だからね」』
ラブは、何事もなかったかように並んで歩き出すジョイに対して、深く感動していた。
その(10)へ続きます。
(by ゆうゆ)
「愛と平和」を生き物と勘違いしているボスです。
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