ジョイにロマンスが~?
「青い猫と虹の一族」五章~重なる愛の奇遇(1)
小春日和の昼近く、リズが長い髪を束ねて、美しい絹のように艶めくブルーグレイのアニーを連れて「セピアの館」にやって来た。
残りの荷物を彼女が車で運んできたのである。
ナンシーが愛する姪リズに呼びかけた。
「エリザベス・オマール! よく来てくれたわね」
リズを大歓迎する。
リズは、叔母がこうして正式な名前を呼んだ時は、何かある! と知っていた。
「ナンシーおばさま! どんな頼みごとがあるの? ふっふ」
と、笑って答える。
「もう、お見通しね、リズ。ジョイのことだけど教えてね。実は、昨日の夕方、ジョイが突然外へ飛び出したの。こんな寒い中、どこへ何をしに行ったのかと思いサムと捜したら、庭の白樺の林から産まれたかのように出てきたの。何をしていたのか、知りたいわ」
と、さほど心配そうな様子でもなく尋ねた。
「あ~ナンシーおばさま。ジョイは大叔父さんが亡くなるまで、自由に外出が出来ていたの。多分、この町の地域性らしいの。結構、皆さんが飼い猫を自由に外へ出しているわ。私達の町の飼い方とは少し違うみたい。でも、大叔父さんは、ジョイが三歳になったら外出は止めさせようと思っていると話していたらしいわ」
と、リズ。
「そうだったのね。ジョイは外に出ることに何の躊躇もしなかった訳ね。でも、そろそろ改革をしなくちゃね。可愛いジョイのためにも。あ、でも、なぜ庭の隅にいたのか分る?」
と、ナンシーである。
リズは、アニーと昨日の出来事を詳しく話しているジョイに視線を注ぐ。
しばらく二匹の会話を聴いてから微笑んだ。
そして
「おばさま、何も心配はいらないみたいよ。ジョイは、どうやら訪ねて来た友人と楽しく語らっていたようなの。クスクスッ! それよりも、おばさまったら、ジョイをからかって遊んだのでしょう?」
と、リズが昨日のナンシーのように笑いが止まらなくなる。
叔母と姪の二人の笑い声が冬の陽射しの差す暖かな部屋をいっぱいにした。
二人の会話は尽きなかった。
そして、アニーとジョイの会話も尽きない。
その(2)へ続く (by ゆうゆ)
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