「青い猫と虹の一族」三章~信じる心(6)・・・冬編
『「ジョイ、君は友達が逆境にいるのに、何もしないで見てるというのかい?」』
『「そうだよ。ただ信じるんだ。あとは何も変えないんだ」』
ジョイは毅然(きぜん)として語り終えて、バルナバの感情を征服する。
『「オーケー、わかったよ、ジョイ。いや何も分らないけど、そうするよ」』
『「ありがとうバルナバ。君はやっぱり愛する猫だよ」』
と、微笑むジョイに、ピエロの異名を取るバルナバが、すかさず
『「いえいえ、愛する猫は僕じゃないだろう、ジョイ。愛する猫は、文字通りラブじゃないの?」』
と、笑い出す。
サムは、猫が笑うなどと想像だにしていない。
二匹の発する奇妙な「ンーグ、ンーグ」と、言う声に関心を持ち、傍に寄って来て不思議そうに二匹を眺めた。
そのサムへまたしても、バルナバがサテンのようなダークレッドの体を摺りつせて「ニャ~!」と、小さく鳴き、玄関へ向かった。
そして、サムは最初以上に嬉しそうに肩をすくめながら、後を追いかけて扉を開けてあげる。
ジョイは止みかけた雪空を斜めに見て、ほっとしてバルナバを見送る。冬の午後の出来事であった。
雪はその後、降ったり晴れたりを繰り返していた。
そして、一週間後の晴れた冬の朝空へ
「ンーニャー!」の声が上がる。
一部の猫たちを集めるための『猫式連絡網』である。
各縄張りから縄張りへと声が上がった。
その(7)へ続く (by ゆうゆ)
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