一章からは右「長編寓話」テーマで宜しく。
「青い猫と虹の一族」三章~信じる心(2)・・・冬編
『ジョイの様子じゃ、花ではなく・・・わしの方が頑張らねばならんのかもしれんな』
と、老いた体に囁いたのだった。
その時、
「ニャーニー!ニャーゴー!」
猫式「縄張り友情」を求めるマナーの挨拶がドアの外から聞こえてきた。
ジョイはこの雪振る中を誰だろう、と急いで玄関へ向かう。
サムが追いかけてドアを開けると、そこにいたのは雪の衣に包まれた親友バルナバだ。
「ブルブルッ!」
雪を全身から払い、ダークレッドの体に戻りながら、
『「やあ、ジョイ!驚いたかい?」』
と、バルナバは陽気に笑う。
『「バルナバ!とにかく入るんだ、君はいつから雪遊びが好きになったんだい?」』
と、ジョイ。
サムが暖炉の前に二匹の席を準備してくれる。
そのサムに対してバルナバが「ニャー!」の一声と共に、足元へ小柄な筋肉質の体を軽く甘えるように摺りつけてから、暖炉前に座る。
ジョイは、さすが老人を慰める天才猫バルナバの流儀、と感心する。
嬉しそうに肩をすくめるサムを背にして、二匹の会話が始まった。ジョイがねぎらうように語りだす。
『「こんな雪の中を通って、僕の家までたどり着くのは大変だったろうね」』
『「いやー、沢山の人間が通りを歩いていたよ。クリスマスシーズンとあって、忙しそうにね。だから、危険はないさ。でも、やはり猫仲間には全く会わなかったよ。おかげで面倒な縄張りご免友情の挨拶は不要だったから、スムーズに来れたけどね。勿論ラブにも会わなかったぜ、ジョイ!」』
バルナバが親友ジョイをからかう。
一瞬、金の首輪を恥じらうかのように揺らしたジョイであるが、
『「退屈していたから、遊びに来てもらって嬉しいよ」』
と、歓迎を再びあらためる。
『「残念ながら、今日は遊びではないんだよ。実は、我らのプリンス・ラファの一大事でね。君に是非聞いて確かめたいことがあったのさ」』。
バルナバがいつになく真剣なゴールドの眼をジョイに向けはじめる。
後ろの椅子で読書をしながら聞いているサムには、若い彼らがなごやかな語らいを楽しんでいるものと思えた。
しかし、二匹の間では、真剣なバルナバの説明が始まっていた。
話はこうである。
その(3)へ続く
(by ゆうゆ)
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