「ネモフィラの青い瞳」(前編)
小さな可愛いネモフィラが、広いお空に向かってお話しています。
「ねェ、大きな大きな青い空さん。
私は小さいけど、あなたと同じ色をしてるでしょ?
私、ネモフィラって言うの。
英名では、ベイビー・ブルー・アイズって呼ばれているんだけど・・・どうかしら?
私、赤ちゃんの青い瞳にそっくりでしょ!
でもね!私はじゅうぶんに成長して、すべてを悟った大人なのよ。」
お空は何にも答えません。
ネモフィラは続けます
「私、あなたと同じ色なのはなぜかって、知ってるかしら?
私は悟りきってるから、あなたを映し出しているの。
実は私、人間の心も映し出しちゃうのよ。驚くでしょ!」
と、自慢をはじめます。
お空はやっぱり何にも答えてくれません。
ネモフィラはまた話します。
「私をみつめる人間が悲しい顔をしていると、私も悲しくなっちゃって、同じブルーになるの。
でも、人間が明るく朗らかな眼で見つめる時は、私も嬉しくなっちゃって、晴れ々としたスカイブルーで輝くのよ!
私のこと、嫌いだって見る人には、私もイヤだなあ~と、思うから汚く映っちゃう。
人間の心がわかっちゃうのって、ちょっと辛いのよ。でも、悟った大人ってこういうものなのよね」
と、またまた自慢します。
なんでも悟っている大人のつもりなのでした。
それでも、お空は、黙ったままです。
たくさんの小花をつけたネモフィラのおしゃべりが続きます。
「大きな空さん、なぜ答えてくれないの。
こうして、あなたの色と心を映し出してあげてるのに・・。
そうそう、人間も何も言ってくれないわ。ただ皆で『かわいい~! 』って言うだけ。
私が折角、その人間の心に応じて映し出してあげてるのに感謝の言葉もないの。
だから時々、さみしくなるの。どうしてかしら? 教えて! 大きな青空さん。」
すると
それまで黙っていたお空が、急に鋭い光と共にゴロゴロッ!と、すさまじい音で話し出しました。
春雷(しゅんらい)です。
(後編へ続く)
Writen by ゆうゆ
「有難うございます♪命に感謝を忘れずに、一日一日を大切に暮らしましょうね!Anyway smile♪」(With gratitude from ゆうゆ)
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