前回の更新から随分時間が経ってしまった💦

スイスお花のハイキング、まだまだ一日目。コース中間地点を過ぎてハイキングもブログもここが頑張りどころ。ゴールを目指してもうひと頑張りだ。

 

 

 

 ドイツ語名: Wald-Storchschnabel (ヴァルト・シュトルフシュナーベル)

学名: Geranium sylvaticum(ゲラニウム・シルバティクム) 

(フウロソウ科フウロソウ属)

離れたところに咲いていたので、アップの画像が粗い💦

離れていても目に付くくらい、ハッとするほどきれいな紫のお花。ドイツ語名は ‘森の フウロソウ’ でいいのかな。フウロソウ = Storchschnabel は ‘Storch=コウノトリ’ の ‘Schnabel =くちばし’ の意。種小名 sylvaticum は ‘森林性の‘ という意味。属名の Geranium はギリシャ語の’geranos=ツル’ から来ていて、実の形がツルの嘴に似ていることから付けられた。フウロソウの仲間は日本にもたくさんあるが、よく目にするのはゲンノショウコ。ゲンノショウコの実は弾けると、ミコシグサの別名のとおり神輿のような形になるが、弾ける前はなるほど、ツルやコウノトリの嘴のようだ。

 

 

 

㊷ 学名: Hugueninia tanacetifolia(フグエニニア・タナケティフォリア)?

(アブラナ科フグエニニア属)

羽状深裂の葉の形から同定してみたが、合っているだろうか。

 

 

㊸ 学名: Ligusticum mutellina(リグスティクム・ムテリア)?

(セリ科マルバトウキ属)

目に付く大きな花はだいたい紹介しつくして、だんだんと目立たない花になってきた。同定も難しくなる。細かく裂けた葉の形から、マルバトウキの仲間としておく。

 

 

 

㊹ ドイツ語名: Zypressen-Wolfsmilch(ツィプレッセン・ヴォルフスミルヒ)

学名: Euphorbia cyparissias(ユーフォルビア・キパリスシアス)

(トウダイグサ科トウダイグサ属)

日本ではマツバトウダイだが、ドイツ語では ’Zypressen=イトスギ’ ' Wolfsmilch=トウダイグサ'。細い葉の形がイトスギに似るということか。茎を傷つけるとトウダイグサ属特有の白い乳液(オオカミの乳)が出る。乳液は有毒だが、薬用植物として皮膚の炎症などに用いられていた。

黄色く花びらに見えるのは苞で、このような花を杯状花序という。花の構造をもう少し詳しく調べてみたい。

 

 

 

㊸ 学名:Ligusticum mutellina(リグスティクム・ムテリア)?

(セリ科マルバトウキ属)

これも先ほど紹介した白い花と同じ種かと思う。

学名の Ligusticum は古代イタリアのLiguria地方の形容詞、ligusticosから来ている。Liguria地方では栽培種の薬用ウドが多かったことによる。

 

ここで ウンタラー・シャフベルク(Unterer Schafberg)を通過。この辺りに約100年の歴史を持つレストランがあるらしいのだが、もちろん寄り道している時間はない😢急いで通り過ぎる。

 

 

㊺ ドイツ語名: Trollblume(トロールブルーメ)

学名: Trollius europaeus(トロリウス・エウロパエウス)

(キンポウゲ科キンバイソウ属)

どれもこれも後ろ向きに咲いていた。おまけにピンボケ。後日もっと良い写真が撮れたので、そこで詳しく説明することにするが、このハイキングコースでもこのお花に出会えたよ、という記録のために画像は上げておく。

 

 

㊻ 学名: Potentilla erecta(ポテンティラ・エレクタ)

(バラ科キジムシロ属)

『#01_1 お花のハイキング 一日目』で紹介したGold-Fingerkraut ( Potentilla aureaとそっくりだが、花弁が4枚。たまたまこの画像の個体が花弁4枚に変異したのかと思ったが、別種であった。ほとんどの花が5枚以上の花弁を持つバラ科には珍しい。学名の erecta は‘直立した’の意。

 

 

 

㊼ ドイツ語名: Kugelige Teufelskralle(クーゲリゲ・トイフェルクラーレ)

学名: Phyteuma orbiculare(フィテウマ・オルビクラレ)

(キキョウ科タマシャジン属)

日本名はタマシャジン。ドイツ語では「‘Kugelige=球状‘ の `Teufels=悪魔` の ‘Kralle=爪’。紫の花弁の先が、かぎ爪状になっている。大急ぎで歩いて一度通り過ぎてから目の端にとまり、引き返して写真を撮った忘れられない花。たった一枚撮った画像が信じられないくらいピントが合っていた。それでわかったのだが、このお花、たくさんの花が球状に集まってひとつの花序を形成している。一見するとひとつの花びらに見えるものが、先端はくっつき、中心部分は離れている。そして先端から雌しべが出ているのだという。

(〇で囲った部分がひとつの花。白い糸状のものはおそらく花粉を出した後の雄しべ)

 

タマシャジンの仲間はみな、このような花の構造をしているらしいのだが、それがよくわかる奇跡の一枚となった✨

 

ところで、このお花には他にも別名があって、Kugel Rapunzel(クーゲル・ラプンツェル) というらしい。そして Rapunzel(ラプンツェル) はキキョウ科ホタルブクロ属の Campanula rapunculus のこと。英語では rampion。

ラプンツェル といえばディズニー映画ですっかりおなじみになった、グリム童話のお話だが、お話の中で出てくる植物のラプンツェルは一般的にはチシャ(レタスのこと)、ノヂシャと言われているけれど、ホタルブクロの仲間のことだったんだね。若い芽や根っこを食べるそうだ。

 

今日はここまで。