メキシコ金融市場にとって、昨日は苦難の一日であった。 まず BNPパリバがサブ・プライム
問題による混乱で正確な基準価格が計算できなくなり、 ABS関連のファンド 3本の凍結を
発表。 このあおりを受け米国連銀・欧州中銀・カナダ中銀が短期資金の供給を始めたことで
逆に信用不安が高まり、エマージング各国金融市場が軒並み下落。 特に先進主要国を含め
為替・株式市場の落しがきつく、 NYダウは13,270.68ドル -387.18 と前日比 2.83 % の
大幅下落。 メキシコ・ボルサ指数も 29,883.96、 -777.91 前日比 2.54 % の下落となった。
ただ欧州市場の混乱のほうが大きかったため、メキシコ・ペソは対ドルで売り込まれたものの、
対ユーロでは前日比上昇するという変則的な動きを見せている。 またこれまで弱含み推移が
続いていた円はこれらサブ・プライム問題の影響がほとんど出ていないこともあり、結果円は
大幅独歩高を演じ、対ドルで前日比 1円 75銭高、対ユーロに至っては 4円 15銭もの
円高となっている。
昨日メキシコでは 7月 消費者物価 ( CPI ) が発表になったが、
7月 C. P. I. + 0.42 % (MM) / + 4.14 % (YY) ( 6月 + 0.12 % / + 3.98 % )
7月 C. P.
年率 + 4.14 % と、市場予測であった + 4.08 % を上回り、今年 3月の + 4.21 % に次ぐ
水準にまで上昇している。 CPI 構成品目を前月比ベースで見てみると、CPI構成ウェイトの
22.7 % を占める食品価格が 6月の – 0.25 % から + 0.99 % へと大きく上昇している
のが目立っており、その他項目の伸びは穏やかなものとなっている。
7月メキシコでは穀物価格の上昇から、それを付随利用する食肉、卵、ミルクなどの価格が
上昇しており、トマトなどの生鮮食料品価格も同じく上昇したことが 7月の CPI に響いている。
なお今年年初、トウモロコシ価格の急騰からメキシコの主食であるトルティーヤの価格も
上昇。カルデロン政権は更なる価格上昇を避けるために今年 1月からトルティーヤ価格の
統制を行ってきたが、8月 15日に期限を迎える。 これはトルティーヤの小売販売価格を
1キログラム当たり 8.5 ペソを上限とする臨時法案で、政府は逆鞘となる中小のトルティーヤ
製造企業約 100社に対し 3億ペソ ( 約 21億円 ) を補助金として支出。 ただ穀物価格
全体が高止まりしていることもあり、昨日メキシコ経済省は、この価格統制の延長を計画
していると公表している。
いずれにせよメキシコ中銀インフレ・ターゲット上限である + 4.0 % を再び越えてしまった
メキシコのインフレ。 トルティーャ価格統制の延長が決まれば年末にかけて 4.0 % を
割り込むとメキシコ中銀は予測しているようだ。
昨日のメキシコ債券市場、米国サブ・プライム問題再燃と 7月 CPI の予想以上の上昇が
悪材料となり、メキシコ国債は長・短期金利とも前日比 5.0 bp 上昇して引けている。
またペソも終日軟調。 東京時間対ドルで 10.940 で推移していたものの、午後
BNPパリバのファンド凍結のニュースが流れたあたりから値を落とし始め、結局メキシコ時間
引けは 11.02 と安値でクローズしている。
米 ド ル/対 円: 117.90円 - 1.75 02年国債: 7.62 % + 5.0 bp
M ペ ソ/対 円: 10.70円 - 0.25 10年国債: 7.80 % + 5.0 bp
米 ド ル/M ペ ソ: MXN 11.012 - 0.085 原油価格: $ 71.59 - 0.56ドル
ユ ー ロ/M ペ ソ: MXN 15.081 + 0.044 金価格: $652.70 –13.50ドル