23日のメキシコ金融市場、5月の Retail Sales の発表がなされたが、

  5月 小売販売 + 0.18 % (MM) / + 1.9 % (YY) ( 4 + 0.7 % / + 0.7 % )

5月小売販売は年率で + 1.9 % と市場予測を上回ったものの、今年に入ってから + 2.0 %

下回った月が 5ヶ月中 3回もあり、依然低調な水準が続いている。 これは米国を主体とする

景気鈍化で輸出が伸びず、企業活動も停滞気味。 結果個人消費を落ち込ませる要因として

働いており、今年メキシコ政府が見込んでいる + 3.3 % の経済成長達成に黄信号が

灯り始めたようだ。

ただメキシコペソは堅調推移。 金曜日対ドルで 10.793 で引けているが、昨日の引けは

10.7675 と一転買いが先行。 これは今週末開催されるメキシコ中銀 政策決定会合で、

政策金利は 7.25 % に据え置かれると見る向きが支配的である。

メキシコでは景気の頭打ちが出始めている反面、6月の CPI が年率で + 3.98 % と、中銀の

インフレ・ターゲット上限である + 4.0 % ぎりぎりに停滞。 7月も原油価格の上昇と穀物価格

上昇に伴うミルクや鶏肉価格の引き上げに歯止めがかからず、メキシコの CPI は当面高止まりと

する予測が多く、金融当局はインフレ動向にかなりの注意を払っている。 さらに 7月に入り

トマトの値段が 30 % 近く上昇しているのも懸念材料の一つとなりつつある。

さらにこれからハリケーン・シーズンを迎え、メキシコでは毎年数個の大型台風が上陸。 昨年も

農産物の被害が大きく、野菜などの生鮮食品価格が急騰し同国 CPI + 4.0 % 以上に

引き上げた経緯もあったことから、今後季節的要因も影響してくる可能性が高い。

ただロイター社が興味ある調査結果を発表している。 著名金融機関 25社に、「将来メキシコ

中銀の次の一手は金融緩和か引き締めか ?  という聞き取り調査をしたところ、25社のうち

12社が 「金融緩和  を予測し、8社が  金融引き締め 」。 残り 2社が  直ちに 25 bp

金融引き締め 」と予測しており、こと市場において、将来のメキシコ中銀による金融政策は

利下げと見る向きが依然高いようだ。

昨日は金利据え置き予測がペソ買いへと結びついたが、平行してメキシコ債券市場では

短期債が売られる要因にも働いており、2年国債利回りは 3.0 bp 上昇し 7.53 % 。 

反面 10年債利回りは 7.64 %と、前週末比変わらずで引けている。

米 ド ル/対 円:  121.05円 - 0.35    02年国債:  7.53 % + 3.0 bp

M ペ ソ/対 円:   11.24円 - 0.03    10年国債:  7.64 % - 0.1 bp

  ル/  : MXN 10.765 + 0.007   原油価格:   $ 74.89 - 0.90ドル

  ロ/  : MXN 14.861 + 0.044    金価格:  $681.50  3.20ドル