7月 2日、米国格付け会社である S&P社は、メキシコの長期外貨建て債務格付けを
「 BBB 」 に据え置きながらも、その見通しを「 Stable 安定的 」 から 「 Positive 良好」へ
引き上げた 2つの理由をレポートにて公表している。 同報告書によるとメキシコは、
1) 構造改革によって変更された国家公務員年金改革法案が、今後メキシコの財政収支を
改善させ、政府の税制基盤をより強固なものへと導く。
カルデロン政権による政策運営が財政改革の早期議会可決をもたらし、結果反対派
勢力の力を削ぎ落とすことで政局が暗礁に乗り上げることを避けている。 さらに
柔軟性のある政策態度を示すことで、一時的な原油価格下落による歳入減の衝撃を
吸収している。 非原油価格以外の税収増はメキシコの財政基盤の強化を徐々に示す
ことになり、結果メキシコの格付け引き上げへと繋がっていくであろう。
2) 政治面以外では、メキシコの格付け引き上げに少し木になる点がある。 それは経済成長が
低いことかもしれない。 メキシコの GDP は約 3.0 % ~ 4.0 % の成長がトレンドとなって
いるが、この成長率は充分持続可能な数値であり、かつ徐々に同国債務の減少をもたらす
ことになろう。
米国経済市場へのより積極的な参入と、同国産業のインフラ整備を進めるのであれば、
メキシコの経済成長はより加速するであろう。
とし、今後に課題が残るものの概ねカルデロン政権の構造改革による財政赤字削減と
税収増を評価。 また経済社会の構造改革がもう一段進めば、メキシコの格付け
引き上げは可能との評価を下している。
週明けのメキシコ金融市場は、月曜日およびニュースに乏しいことで終日閑散。 金曜日
発表になった 5月鉱工業生産が 前月比変わらずとなり、 4月の + 1.1 % から大きく
下落。 この影響でペソがやや軟調推移。 月曜日もその基調を引き継ぎ、ペソは対ドルで
金曜日の10.760 から 10.780 へと小幅下落して引けている。
債券市場も同意付くことなく、ほとんど横ばい、気持ち軟調地合いでクローズ。
米 ド ル/対 円: 121.90円 - 0.05 02年国債: 7.53 % + 0.5 bp
M ペ ソ/対 円: 11.30円 - 0.03 10年国債: 7.69 % + 1.0 bp
米 ド ル/M ペ ソ: MXN 10.782 - 0.021 原油価格: $ 74.15 + 0.22ドル
ユ ー ロ/M ペ ソ: MXN 14.850 - 0.019 金価格: $666.30 - 1.40ドル