米国金利の大幅上昇、グリーンスパン前連銀議長の新興市場に対する今後のやや
ネガティブな見解などが中南米の金融市場に席巻したが、米国債の上昇やJPモルガン社の
「今回の下げは調整に過ぎなく、新興市場のポジション追加やエクスポージャー拡大には、
今が絶好の買いチャンスである」というコメントなどに助けられ、その影響は軽微なものになった。
メキシコ金融市場もしかり。現在カルデロン政権が税法改正を目指しており、早ければ
今週中にも提出されるとの観測が続いているため、これが下支えの材料となっている。
ただメキシコ財務省は今週ではなく、6月20日に提出すると述べており、カルステンス蔵相が
来週 国民行動党 (PAN) と連立政権を組む制度的革命党 (PRI) にカルデロン大統領の
税制改正計画の支持を取り付けたのち、公表するようだ。
メキシコ外為市場では、一昨日 火曜日(6/12) のロンドン時間から、上記米国金利の
上昇などを背景に、ペソは対ドルで10.920 から安値 11.020 へと下落。 一日の下げ幅では
9ヶ月振りの安値を記録し弱含み推移のまま昨日も売買が交錯したが、午後からは反転。
米国 5月小売売上高が + 1.4 % と 4月の – 0.1 % から上昇。 昨年 1月以来最大の
伸び率となり、メキシコからの輸入が堅調とされたことでペソに見直しが入り、対ドルで安値の
11.020 から一気に 10.920 へと買い込まれ、一日の高値で引けている。
ただ午後発表になったメキシコの 4月鉱工業生産指数は、市場予測を下回っている。
4月 鉱工業生産指数 + 1.1 % (MM) / + 1.5 % (YY) ( 3月 – 0.2 % / + 0.2 % )
前月比ベースで見ると 4月の鉱工業生産は + 1.1 % と5ヶ月振りのプラスに転じた。
しかしながら前年同月比の市場予測平均は + 2.9 % であったにもかかわらず、実際の
数値は + 1.5 % と約半減。 市場予測以下の数値となった主な要因として、非原油生産は
+ 7.8 % と大きく伸びたものの、肝心の石油生産が前月比 – 3.2 % となり、これが前年
同月数値の伸びの足を引っ張ったようだ。
くしくも同日、グリーンスパン前連銀総裁は、「メキシコの原油生産が減少している。
仮に今後も減少傾向が続くのであれば、メキシコの財政にとって弊害となるであろう」と
メキシコシティで開かれた講演会で述べている。
現在メキシコの原油生産量は世界第 9位となっているが、2004年の年間産出量
228万バレルをピークに減少傾向となっている。
グリーンスパン元連銀議長は、「メキシコは更なる投資で原油開発を推し進めるべきだ」と
述べているが、現在メキシコ政府は税制改正法審議と同時にエネルギー法の改正を
奨めており、ペメックス社など国営石油関連会社の民営化などで、より活性化した石油開発に
着手する計画である。 また税制改正は南米一少ない税収を改正し、将来の石油価格
下落や産出減少に備えるべく、同国 GDP 総額の3.0 % を歳入として徴収する方向で
法改正が進んでいる。
昨日のメキシコ金融市場、午前中対ドルで 11.00台に入り軟調推移となっていたペソは
午後から急伸。一気に買い進まれ、引けは 10.925の高値引け。 一昨日の終値まで
大きく戻してしている。
ただ債券市場は新興国債券市場が弱含みとなっていることが要因となり、やや頭の重い
展開に終始。長短金利とも 1 ~ 2 bp 金利上昇でクローズ。
米ドル/対 円 : 122.55円 + 0.90 02年債: 7.57 % + 1.0 bp
Mペソ/対 円 : 11.22円 + 0.18 10年債: 7.76 % + 2.1 bp
Mペソ/対米ドル: MXN 10.923 + 0.097 原油価格: $ 66.26 + 0.91ドル
Mペソ/対ユーロ: MXN 14.540 + 0.120 金価格: $652.70 – 0.40ドル