米国景気が減速傾向を示す中 (Q-2 GDP確定値 + 2.9 % から + 2.6 % へと

下方修正 )、今後新興諸国も景気後退の懸念も残っているが、米国株式市場の

上昇と共にメキシコ株式市場も大賑わい。 昨日は電話・通信関係の株式が大きく

買い上げられ、ボルサ指数は 21,854.48 + 105.91と引け値ベースでは有史来の

高値を記録した。  

この動きと共にメキシコ・ペソも大きく買い戻され、今週月曜日の安値 対ドルで

11.122 からじりじりと戻し、昨日は 11.000 の大台を割り込み 10.997まで上昇

している。

大統領選挙の投票結果が結審して以来、最近のメキシコ金融市場は落ち着いた

動きとなり始めている。 これは 2000からフォックス現大統領が財政赤字の削減と

石油開発による増収がうまくかみ合った結果であり、今年 6 22日に IBRD, IADB

などから借り入れていた総額 70億ドル ( 8,000億円強) の対外債務の繰り上げ

返済を発表したように、12月から次期大統領となるカルデロン氏も、同様に対外

債務の早期返済を実施する予定。 

2000年にフォックス現大統領が就任した当時、メキシコの対外債務は同国の

GDP比で + 8.4 %となっていたが、退任予定の今年 12月には + 5.0 % にまで

減少する見通しとなっている。

また数年前のメキシコ国内債券市場は、中南米危機後の買い手不在で消化不良を

余儀なくされたことから、短期債を中心として発行されたこともあり2000年当時国債

残高の平均残存年限は 539日と非常に短いものであったが、財政改革が順調に

進んだことや原油高の追い風を受け、メキシコ金融市場は徐々に回復。 中・長期

国債の発行も増え始めたこともあり (2001年から 10年国債、 2003年から20

国債の発行を実施)、昨年のメキシコ国債平均残存年数は3.14 (1,148)

にまで延びている。

このように好転した金融環境の中、来月10 24 メキシコ政府は初の 30

国債の発行を計画。 発行額は MXN 20億ペソ。 また市場の状況次第ではあるが、

この 30年国債の発行を四半期毎に実施する予定。

現行金利水準から試算すると、最終利回りは 8.65 % 近辺での発行となり、かなり

注目される利率。

恐らく国内年金勘定、海外投資家などからの買いが予想され、好調な落札結果を

市場は期待している。

121日から大統領に就任するカルデロン氏、最近の原油価格の下落を憂慮。 

「この下落が長期化すれば、政府勘定に資金不足が生じることになるかもしれない」と、

今度の動向に懸念を示していた。

同国最大の石油会社 PEMEX社から受ける税収は同国歳入全体の 3割を占めて

おり、今年の財政収支は1993年から数え初の黒字へと転換している。

メキシコ産原油は中東産と比べ若干質が落ちその価格が安いため、 WTI 価格で

50ドル半ばが分岐点となりそうだ。

昨日のメキシコ債券市場、ペソ回復が功を奏し短期債はしっかりした推移、長期債は

弱含みながらも、ほぼ横ばいで引けている。