原油高騰の余波を受け、トウモロコシを原料とする植物燃料 エタノールの需要が急増。
シカゴ商品先物取引所では、トウモロコシの価格はここ 10年来の高値
( <C H7> <Cmdty> <GO> <GPC> ) を付けている。
また米国では近年中に国内作付けの約半分がトウモロコシになるとの分析もあり、2006年の
生産高は2年前と比べ 60 %強増加しているがそれでも追いつかず、価格は高止まり、および
依然上昇トレンドを描いている。
ちなみに昨日の南アフリカでのトウモロコシ取引価格は、ストップ高となっている。
この影響がメキシコの食文化に大きな影響を与え始めた。 同国名物料理であるトウモロコシを
主材料とした 「トルティーヤ」の販売価格がここ数週間のあいだで急騰。
メキシコ・デュランゴ州では 11月 1kg あたり6ペソ (約 65円) であったトルティーアの
価格が、最近は30ペソ ( 約330円) と 5倍に跳ね上がり、悲鳴が上がっている。
なお最近のメキシコ全体の平均トルティーア価格は 10ペソ前後である。
メキシコの低階層家族はトルティーヤで巻いたタコスが主食となっており、しかも一日の最低
賃金は米ドル換算で約 4.5ドル (日給 540円) である。 これに対するトルティーアの
現在の価格は 330円。 単純計算で低所得家族のエンゲル係数は 60 % を上回るという、
食品インフレの現状に直面している。
メキシコ政府もこの現状を黙認するわけにも行かず、カルデロン大統領は先週トルティーアの
価格調整と、トウモロコシの原材料緊急調達を発表。 メキシコは 1990年代に同じく穀物
価格の急騰により食品価格統制を実施したが失敗に終わり、今回のトルティーア価格調整も
強制力が無いためその効果は薄いとみられている。 この救済策として、政府による小麦粉
放出などが検討され始められたという。
今回の食品価格の急騰が、メキシコ金融市場にもジワリと影響し始めた。 原油価格が
反発したにもかかわらず、メキシコ金利は 8営業日連続の価格下落。 昨日も 2年国債
利回りで 3.0 bp、10年国債は約 6.0 bp の上昇。
金融市場関係者の間では、トルティーヤ価格の急騰がメキシコ国内インフレを誘発し、
昨年から年頭にかけて予測されていた利下げより、むしろ「緊急利上げ」措置が採られる
のではないかとの観測も語りはじめられたことがメキシコ金融市場を直撃。 ペソには
好材料となるも、金利にとって頭の痛い材料が噴出してきたことがメキシコ国債市場の
下げ要因として働いているようだ。
なお先週オルティス・メキシコ中銀総裁は、「世界的なトウモロコシ価格の上昇が、メキシコの
インフレ沈静化を妨げている」とコメント。 メキシコ中銀も食品価格の上昇に注視ているため、
7.0 % の現政策金利は据え置かれることがあっても、引き下げ措置が採られることは
当面ないと思われる。
米ドル/対 円 : 120.45円 - 0.19 2年債: 7.45 % + 3.0 bp
Mペソ/対 円 : 10.99円 + 0.023 10年債: 7.83 % + 5.9 bp
Mペソ/対米ドル: 10.971 - 0.001 原油価格: $ 52.80 - 0.19
. 金価格: $627.60 + 0.70