週末 2 日曜日に実施されたメキシコ大統領選挙、中道右派であるカルデロン・

元エネルギー相 (PAN 国民行動党)と、左派オブラドール・前メキシコシティ市長

(PRD 革命民主党)との獲得票が大接戦となり、当日発表が出来ず5日以降にずれ

込みまだ正式決定していない。

東京時間日中、自由経済の拡大を公約にあげるカルデロン候補の 38.6 %に対し、

貧困層救済と雇用創出のために財政支出増を掲げたオブラドール候補は 35.6 %

獲得したと第一報が流れた。 

この報道に対し金融市場は敏感に反応。 外為市場では、「国が分断してしまうほど

獲得票が僅差である」との評価が多くなり、メキシコ・ペソは対ドルで急落。 11.280

から選挙後の安値といわれていた 11.50 の節目を超え、11.5125まで売られて行った。 

ただしペソ急落は東京時間のみ。 欧州市場が開くと今度は急反発。 その後開票率

97 % の段階でカルデロン候補が 36.39 % を獲得し、オブラドール候補との差が

0.98 % ほぼ勝利間違いなしの開票速報が順次流れ始めたことで金融市場は

安堵感。 ペソは対ドルで 11.5125からほとんど踊り場を見せずに一気に急騰。  

次々とチャート・ポイントをブレークし、米国時間にはついに 1ドル 11.100 まで買い

進められ 2000 7月以来 6年振りの大幅高となった。

これは過去 6年間、フォックス現メキシコ大統領が企業寄りの舵取りをしながらも、

議会と協力し財政赤字の削減、インフレ低下、自由貿易の促進などでメキシコ経済を

活性化。 この政策がカルデロン新大統領によって次の 6年間も継承されることになり、

メキシコ金融市場は素直に反応した。

メキシコ株式市場も同様の動き。 ボルサ指数は週末比 4.77 % 上昇し 20,060.82

+ 913.65と高値引け。 

寄り付き後 30分で一気に買い進まれ、その後軽い利益確定売りが出るも、午後は

一段の高値を狙いに行った。  

 

メキシコ債券市場もペソの上昇と共に買いが殺到。 売り物がほとんどない中 気配値は

急騰し、株式市場同様一気に上昇。 2年メキシコ国債は 7.42 % と前週末比 19 bp  10年国債に至っては 37 bpもの利回り低下で 8.74 %。 新興市場の急落で6

20日に 9.74 % まで売られた 10 メキシコ国債はわずか 10日間で 100 bpもの

回復を見せ、新興市場に揺さぶりがかかり始めた 5月中旬のレベルまで戻すという

トリプル高の一日となってしまった。

ほとんどカルデロン候補の勝利となりそうだが、まだ予断を許さず。 昨日は両候補とも

勝利宣言を出したことで、

* 将来メキシコ国内の富裕層と貧困層の軋轢が高まる恐れがあること。  

* 今回の選挙結果は当日発表になる予定であったにもかかわらず、僅差の

ために場合によっては票の再集計が採られる可能性があり、どちらの候補が

勝っても混乱が続く可能性があること。 

* 大統領選挙結果に不服が生じ、提訴となった場合 票を一票づつ数え上げる

ことになり、最終の結論が 9 6日までずれ込む場合もあること。

など、今回の大統領選挙は目先および将来のメキシコの政治・経済・社会問題として

尾を引く材料もはらんでいる。