灯油の需要期に入ってきたものの米国北東部で温暖な気候が続くとの予報を受け、原油
価格が 1ドル下落。 産油国であるメキシコにとっては悪材料。 一方米国先物取引
委員会が発表した 11月 7日までの週における IMM通貨先物残高報告書で、ポンドと
豪ドルの買い越しポジション(long position)が過去最高水準に達し、ペソも 10月 24日の
週の 67,083 ( X 500,000) から 11月 07日には 82,181コントラクトまで急増していた
ことが判明。
10月中旬からヘッジ・ファンドを含む海外投資家のペソ買いが出ていた証明となり、原油が
続落していた中 メキシコ・ペソは IMMの報告書発表直後から急騰。 欧州時間原油価格の
下落とともにメキシコ・ペソは対ドルで一時 10.94 後半まで売り込まれていたが、午後急伸し
10.8725 の高値で引けている。
ペソ高を背景にメキシコ株式市場は終日新高値を更新。 通信および銀行株が主に買われ、
ボルサ株式指数は 24,188.59 + 236.96 と、 0.99 % の上昇を見せている。
同様にメキシコ債券市場も終日堅調。 先週末 10月の CPI が発表になったが、
+ 0.44 % / + 4.29 % と市場予測を下回りこれも市場に好感されている。 また 10月の
CPIは、 9月から続くハリケーン上陸に伴う生鮮食料品、特にトマトの小売価格が高止まり
しているのが影響しており、年間ベースに引き直すと年率 + 4.42 % となる。
しかしながら先週発行されたメキシコ中銀の金融・経済報告書は、「このところ CPIが上昇
しているのは生鮮食料品の価格が上昇しているためで、一時的な要因である。 今年末
までには 4.0 % を下回るよう、舵取りをしたい」と楽観的なコメントを発しており、当局の
見通しでは年率 + 3.97 % と、メキシコ中銀のインフレ・ターゲットである
+ 2.0 % ~ + 4.0 % のバンド内に収まることとなる。
またオルティス・メキシコ中銀総裁も、先週金曜日に出張先のインドで、「メキシコ経済は
力強い成長を今後も持続し、インフレは 4.0 % を下回ることになろう」とコメント。 さらに
各エコノミストの予測においても、来年上半期のメキシコのインフレは + 3.0 % に近づくと
見る向きが大勢を占めている。
12月の新大統領就任に対する期待感が徐々に増してきていることもあり、米国金融
市場が大きく崩れないようであれば、メキシコ金融市場は当面足の軽い動きとなる可能性が
高いようだ。
また 11月 17日には第 3四半期の GDPが発表される予定。 第 2四半期の + 4.7 %に
対し、市場予測は + 4.5 % が中心。
昨日のメキシコ債券市場、2年債は 1.3 bp、10年債で約 50 bp買われて引けており、
10月 25日に10年債はその利回り 8.0 % の大台を下回った後再び戻ることなく、
7.8 ~ 7.9 % 台推移が定着してきた感が強くなってきたようだ。