ふと、空を見上げたら飛行機がとんでいた。
届きそうで右手を伸ばしたけれど、言うまでもなく、届きはしなかった。
ただ、あんな鉄の塊が遙か上空で飛んでいることが不思議で不思議でたまらなかった。
普段はそんなこと疑問にすら思わない。
あまりにも飛行機という存在が当たり前すぎて、軽視しすぎていたのだ。
個人的にはSFと言っても過言ではないけれど、21世紀ではただのノンフィクション。
サイエンス・ノンフィクションといってもいい。
人類の努力と犠牲の上で成り得た、夢と鉄の塊なのに。
ライト兄弟は現代の飛行機を見て、どう思うのだろうか。
喜ぶだろうか、驚くだろうか、嫉妬するだろうか。
彼らは飛行機のことを追求して原形を生み出したことは言うまでもない。
ただ彼らにとって現代の飛行機はSFなのである。
僕よりも飛行機を知っているのに、詳しいのに、大好きなのに、サイエンス・フィクションなのである。
だからどうだって言うわけではないけれど、ふと疑問に思ってしまったのだ。
今この瞬間にも、どこかの空で飛行機はとんでいるのだろう。
市民権を得た飛行機は、僕らの夢を奪って、今日もどこかで飛んでいるだろう。
以上。