Fighting Fantasy: Stealer of Souls Text Keith Martin, 1988 Illustrations by Russ Nicholson
trademark owned by Steve Jackson and Ian Livingstone, all rights reserved Fighting Fantasy Gamebook Concept copyright© Steve Jackson and lan Livingstone, 1982 Official FIGHTING FANTASY
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※このブログは、ファイティング・ファンタジー作品
「魂を盗むもの」を元に書かれた、恵那ケミカルの二次創作物です。
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「…ククク、よくぞ我が幻術を見破ったな、旅人よ。」
モルドラネスの弟子を名乗ったその男は、狂ったような笑い声を上げながら奇妙な仮面を被った。
そして禍々しいなにかの力が、彼の背後から湧き始める。
「…モルドラネスの弟子だと?!」
「そうだ。この島は我らが主が支配している。我ら神官戦士は主の弟子にして、主に使える忠実なしもべ。」
ジャリ、と金属が石床を擦る音が聞こえる。
それは薄明かりに照らされて黒く光る、血を吸ったフレイルだった。
「この島には100を越えるモルダラネス様の弟子がいる。私もその1人…とても優秀だがね。」
敵は素早く動き、フレイルをブーに叩きつけた!
しかし動きを予想していたブーも、マチェットの背で弾くとそのまま間合いを取った。
「この島には大勢の冒険者がやってくる。富と名声に釣られてか、あるいは小国の偽善を託されてか。
いずれにしても我らが主の居城はおろか、鉄の地下廟にすらたどり着けぬ阿呆だらけよ。
お前はエルフの女だな… 貢物にちょうどよい。」
舌なめずりの音がした。
神官などと名乗っていても、やっていることはクズと同じだ。
ブーは無言のまま敵の攻撃をかわし、隙を見てマチェットの強烈な斬撃を敵に叩き込んだ。
「ぐわっ!?」
「人間を見ていると飽きないけど、あんたみたいなクズは見る価値もないね。あと、隙が多いね。」
ブーは左手から前もって投擲していた竹糸の網を床に広げていた。そして敵の神官がその上に踏み込んだことを確認して、ぐわし!と力いっぱい引いた。
大声を上げてクモの様な仮面をつけた神官戦士は転倒し、ブーはすかさずマチェットを叩きつけた。
ガキン!!
「くっ、チェインメイルか。」
「ククク… 元気がいいエルフだな。あいにく、我らは装備も充実していてね!」
鉄をより合わせて編み込んだチェインメイルは重いがとても頑丈だ。
着こなすにはある程度の体力・筋力も必要なため、鉄が魔法の障害となる魔法使いや、非力な神官はあまり身につけない装備だ。
そして敵は起き上がりざま、ブーの足を掴んだ。そしてそのまま引き倒し、床に叩きつける。
だが咄嗟に受身をとり、怪我を逃れたブー・バンブー!
「確かに、鍛えられてる神官だね。
でも、あたしは負けない。ガラナに誓って、あんたを倒す!」
ブーはエルフの女神、ガラナと故郷の森とトーテムに勝利を誓った。
そして雄叫びを上げて敵に踊りかかる。
神官戦士も叫び、それに答え激しく2人の武器がぶつかりあった。
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…そして力の限り戦い、神官戦士を倒したブー。
一夜をこの小屋で過ごし、朝になり元の道へと戻ってゆく。
さらに一晩がすぎ…やがて小高い丘にたどり着く。そして、その丘の中腹の斜面に、大きく開けた穴が見えた。
そこまでの道は踏み固められており、鉄のプレートとスパイクで精巧に作られた髑髏飾りが見える。
「ここか……… 祭りの場所は。」
ブーは1人呟いて、ゴクリと唾を飲み込んだ。
これこそが、アルサンダーの捉えられている、「鉄の地下廟」への入口であろう。
ブーは岩陰に身を隠しながら、装備を整えた。
晴天の外にあっても、なにか邪悪な魔法、雰囲気、フォースが感じられる。
ついにたどり着いたモルダラネスの居城へ、エルフの斥候は慎重に潜入を開始した。