VIVA東北!!
関西人夫婦、10年ほど前の「ほぼ新婚旅行・東北10泊11日」の
おもしろエピソードで東北ロマンを勝手に語る、
自己満足支援企画、ついに第30回です。
どうか皆さまにもご一緒に仮想旅をお楽しみいただき、
かの地の素晴らしさを知っていただけましたれば、恐悦至極。ぜひ。
※このブログテーマ内の写真・現地の様子は10年ほど前のものです。
(リンクページはこの限りではありません)
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その30 三湖伝説、幻の魚、それから…?~秋田・田沢湖
深度日本一・田沢湖の美しいブルーと金ピカ辰子の伝説、
そして少々地味な色合いの(失敬!)歌人・石井露月をご紹介した前回。
いくら金ピカでシラけたからって(何度もゴメン、辰子)、
おざなりに終わらせちゃあ今年の干支に怒られるってんで…
湖畔に鎮座する御座石神社である。
そして境内にもやはり…
彼女が龍に化身する原因となった霊泉もあり(気付かんかった…)、
神社背後の山には、辰子が身なりを整えるのに使ったという鏡石など、
古代の磐座らしき巨石があるそうだ。
では、その後の辰子のお話を。
龍に化身して湖に入ってしまった辰子。
しかし、龍となってもモテモテ具合は変わらない。さすがである。
十和田湖伝説に登場した、八郎太郎。
(ご参照を→巨木と巨石の霊場~十和田神社 )
彼は南祖坊に敗れて十和田湖を追われ、
秋田は男鹿半島の付け根に湖を造って住んでいた(八郎潟)。
その八郎太郎と、十和田湖のNEW主・南祖坊がどちらも辰子に一目ぼれ。
田沢湖で、性懲りもなく再度の戦いをする。
さぁて、勝敗やいかに?
…今度は、八郎太郎の勝利である。
南祖坊を十和田に追い返し、八郎太郎と辰子は夫婦になり、
冬の間は夫婦で田沢湖に住むようになった。
主の増えた田沢湖は、それゆえ真冬でも凍らなかったのだが、
一方の八郎潟は主のいない冬には凍り、
やがて一年の半分ほどが主不在となったため、
だんだんと干上がり、ついにほとんどが消滅してしまった。
…というお話。
繋がってるんですよね~全部!
この十和田湖、八郎潟、田沢湖の物語は、
「三湖伝説」として語り継がれている。
伝説のモデルは火山噴火などの自然災害のことだとも言われているが、
ざっとみた印象では、やはり民族間の戦いのように思えてならない。
八郎太郎と辰子は蝦夷系っぽいし、
南祖坊は都の藤原家血縁で仏法を修めた人ということになっている。
(熊野系の修験者である南祖坊が創祀者と言われる十和田神社。
南祖坊に因み、鉄の草履が奉納されているとか。修験と鉄の構図がここにも)
ほーら、やっぱり意味深ちゃいます?
いっぽう、辰子伝説にはこんな話も。
龍になった娘を憐れみ悲しんだ辰子の母が投げた松明は、
湖に入るとクニマスに姿を変えた。
このクニマスという魚は田沢湖の固有種だった。
が、昭和15年に発電と農業振興のために玉川温泉から水を引き入れた。
これが強い酸性の水だったために水質が一気に悪化。
貴重な固有種であったクニマスは絶滅してしまった。
ところが。
2010年、あの、さかなクンが再発見したという感動的な話は有名。
京大総合博物館からクニマスの再現スケッチの依頼を受け、
山梨の西湖からヒメマスを取り寄せた。
ところがどうも、クニマスの特徴に酷似している。
これはひょっとして…絶滅したクニマスでは?
依頼元の教授に連絡、調査の結果、やっぱり幻の魚・クニマスだった!
なんでも、玉川の水を引くより前に
固有種のクニマスが他の湖でも生息できるかどうか、
稚魚を数箇所に放流していたらしい。
どこも失敗…と思われていたのだが、
その時の稚魚が元となり、西湖でずっと生息していたということか。スゴイ。
で、その西湖のクニマスってのが…
いや、これはおみやげもののストラップ。
なななんと、以前夫ひーさんから山梨みやげでもらったもので、
ビミョーなみやげやなぁと思いつつ、ずっと携帯につけているのだ。
(コチラをご覧くださいまし→武田信玄ゆかりの地めぐり
)
改めて今回田沢湖を調べていて、このクニマスの話に遭遇。
あああ!これが…!!
と、ビックリした次第。
八郎太郎に南祖坊に辰子、クニマス、それから…ワ タ シ。
うわ~い、繋がってるぞ~!!
…スミマセン<(_ _)><(_ _)>
次回はついに岩手に突入!
まずは啄木の面影を追います。
西湖の漁師は以前から「クロマス」って呼んで
フツーに食べてたんだって~なんじゃそらぁー